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~クリミア、北コーカサス、カラムイク~
24日目 グロズヌイ→マハチカラ→デルベント
チェチェン共和国訪問を終え、今日はカフカス諸国の東端、カスピ海に面したダゲスタン共和国に向かう。多民族国家で、地方の村に入れば面白そうだが、ここも長らく旅行者が入れなかった場所なので、情報があまりない。ただ首都マハチカラとアゼルバイジャン国境の中間にあるデルベントは世界遺産登録された要塞があり、訪問者の記録がいくつか見つかった。今回はほぼ共和国の首都巡りになってしまっていることもあり、ここでは首都を避け、デルベントに行くことに決めた。
グロズヌイからデルベントへのバスは一日一本のみ。今日はサッカーのワールドカップで日本の決勝トーナメント進出がかかる試合が17時からあるのだが、バスに乗ると試合が見れなくなってしまう。マハチカラ行きミニバスに乗れば乗り継いで間に合うので、ミニバスで行くことに決めた。問題はいくら調べても乗り場が分からないことだ。到着した南バスターミナルはバスしかなかったし、古い情報にあった中央バスターミナルにもなかった。新しい情報で北バスターミナルとあったので、昨日下見に行ったら北バスターミナルは閉鎖中で、移転先は分からず。南バスターミナルからは始発でないマハチカラ行きバスがあるということなので、バスの時間は分からなかったが早朝に南バスターミナルに行くことにした。
市内バスの走り出す早朝6時から市バスを待つ。早朝はバスの本数が少なく中々来ないので、いつもは素通りしていたモニュメントを待つ間に見学。これも初代大統領アフマド・カディロフである。モスクの名にもなり、黄金のタワーの名にもなっているこの初代大統領はどれほどの偉人なのだろう?
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無事に南バスターミナルに着いたが、早い時間にマハチカラに行くバスはなかった。始発がないのに早い時間にあると思ったのが間違いなのだ。窓口の人がマハチカラに行くミニバスが出る場所を紙に書いてくれ、これをターミナル始発の市バス運転手に見せれば連れて行ってくれるという。ホッとして市バスに乗り込み、運転手に紙を見せたところ、彼は場所が分からず困った様子。周りの人にも見てもらったところ一人がターミナルを知っており、運転手に場所を説明してくれた。これで大丈夫だと思っていたが運転手は残念ながら理解していなかったようで、分かっている人も先に降り、結局我々は終点だった中央バスターミナルまで連れて行かれてしまった。そこで周りの人何人もにマハチカラ行きの乗り場を聞くが分からない様子。タクシーの運ちゃんでも知らないのにはびっくりだ。南ターミナルで書いてもらったのはターミナル名だけで、地名や目印は書いてなかったのだ。そのうちタクシーの運ちゃんはタクシーチャーターでマハチカラまで行くぞと言い出す始末。これは話にならない値段だったが、さらには乗り合いタクシーの運転手も来て、それなら行っても良いかなと思ったが、紙にあるターミナルに今から行くからちょっと待っててというおばさんが現われて、彼女を信じることにした。おばさんと一緒に市内ミニバスに乗り、再び南バスターミナル方面に向かう。南ターミナルまでの中間点を少し過ぎた辺りで下車し、少し歩くと新しいミニバスターミナルがあった。そしてようやくマハチカラ行きミニバスを見つけた。宿を出てから2時間以上かかったが、これなら余裕でサッカー観戦ができる!
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チェチェンの道は広くて快適だったが、ダゲスタン共和国に入ってからは道幅が狭くなり、途中の街では渋滞もあった。それでもミニバスは予定通り、3時間かからずに首都マハチカラに到着した。人口60万人、クラスノダールに次ぐ北コーカサス第2の都市である。第一印象は、車が多い、人も多い、そして暑い。着いた北バスターミナル付近に大きな市場があり、そこを見てから、昼食という計画だったが、車の多さに圧倒され、暑さにも参った。荷物を持って市場を歩くには人が多すぎ危ないと思ったので、見学はあきらめて、目的地であるデルベント行きの出る南バスターミナルに向かう。ターミナルは市の反対側にあり、市バスで街を縦断するにのも40分ほどかかった。南バスターミナル付近は建物も小さく、車も少なくなった。とはいえ、写真を見る限り十分車が多い。
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ターミナルで昼食をとってデルベントに向かう。
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カスピ海が見え隠れする道は、広くて快適である。
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14時過ぎにデルベント到着。カスピ海沿いに南北に広がるダゲスタン第2の都市だ。
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今回の移動に懲りていたので、到着したバスターミナルでまず次のバスがここから出るかどうかを確かめたが、違うという。宿はここが近いので残念。
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バスターミナルから宿の間は市場になっており、趣きがある。
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宿にチェックインし、まずテレビを確認した。きれいに映って一安心だ。イングーシなどでテレビを見るのに苦労し、これも心配の種となっていた。ダメだった時のことを考えて、バスターミナルから宿に至る道でも、カフェなどでテレビが映ってるかどうかチェックしながら歩いていたほどだ。荷物を置き、再び市場に戻る。時間があるので早めの夕食を済ませてしまおうかと思ったが、食事時でなければ軽食しかないような食堂ばかりで断念。
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サッカーのテレビ観戦をしながら食事をすることにして、チキンの丸焼きとビールを買って宿に戻る。イングーシとチェチェンでアルコールがなかったこともあり、ビールが美味い。