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~クリミア、北コーカサス、カラムイク~
25日目 デルベント
カフカス山脈がカスピ海に迫った場所に位置するデルベントは古来カフカスの南と北を往来する交通の要所となってきた。街を見下ろす山の端に大きな要塞があり、要塞からはカスピ海まで延びる2本の城壁が築かれ、その間が都市となっていた。旧市街の多くの場所が、「デルベントのシタデル、古代都市、要塞建築物群」として、2003年に世界遺産登録されている。
到着したバスターミナルや泊まっていた宿があるのは旧市街よりも北側に広がる新市街にある。旧市街方向へ15分ほど歩くと世界遺産にもなっている旧市街を囲む城壁となる。写真の右奥に見えているのがシタデルと呼ばれる要塞である。
要塞へは城壁に沿ていくのが一番近いが、ゲートを越えて、旧市街に入る。旧市街に点在する世界遺産登録物件を見学しながら、要塞に向かうのだ。最初に訪れたのはアルメニア正教の教会。19世紀建立で、この街の世界遺産登録物件では新しいもで、今もきれいに建っている。
迷路のような道は未舗装で、車が入るのは難しそうなところが続く。世界遺産登録の古いモスクは入り口が分からず、入れないところも多い。
旧市街で朝食をとるつもりでいたが、全く店がなく、困った。食事しているテーブルが見え、お店かなと思って入ってみても民家~。
コーカサスで最も古いモスクの一つが、デルベントのジュマモスクで、8世紀前半に建てられたということだ。今も礼拝に来る人が多い、生きているモスクである。広い中庭はきれいに清掃されており、木陰にはベンチもある。ここでひと休み。
城壁に登れる場所があり、登ってみた。旧市街を見下ろせ、カスピ海も見える。要塞はまだ遠そうだ。
旧市街に食事をする場所どころか商店も見つからなかったので、城壁を抜け、城壁沿いのバス道を歩く。観光客用らしきカフェがいくつかあったが、9時なのにまだ準備中の店ばかりで食べられず。空腹なまま急坂を上って要塞に到着。ゲートをくぐった先の売店が開いていたので、ようやく軽い朝食にありつけた。目の前には要塞と上から見下ろす市街地が、広がっている。
デルベントは山がカスピ海まで3キロの場所まで迫っているため、交通の要所として栄えてきた。5000年前から続くロシア最古の街の一つとされるが、5世紀頃のササン朝ペルシャ時代に築かれた要塞と城壁が今の街並みの基礎となっている。要塞から海に続く城壁に囲まれた市街は交易都市として栄え、周りを見下ろす位置にある要塞に守られていた。要塞の入口はどっしりして、いかにも頑強である。
要塞の敷地内は広々としており、それほど多くの建物が残っているわけではないが、教会があったり、博物館になっている建物があったりで、見る場所は多い。城壁の上を歩けるようにもなっていた。
要塞の見学を終え、旧市街の南に広がる商業地区へ。交易都市の伝統か、中心部は全体が市場のようになっており、非常ににぎやかになっている。
さらにそこから市バスに乗って、南バスターミナルへ。バスの本数が少ないので活気はないが、時刻表があり、分かりやすいバスターミナル。次の目的地となるカルムイク共和国のエリスタに行くバスは一日一本しかなく、早朝発となるが、ダイレクトで行けるだけありがたい。予約をしようと思ったが、切符は当日の朝だという。席がなくなることはないだろうが、買えないと不安は残る。
バスターミナルの裏が市場になっていた。閉まっている部分が多かったが、市場を歩くのはやはり楽しい。ダゲスタン名物のチュドゥを朝食に食べたが、対して美味しくなかった。しかし、市場ですごく美味しそうなチュドゥを見つけ、再び食べたところ、こちらは絶品だった。
今度はカスピ海を見に行こうと市バスに乗って宿近くへ戻る。カスピ海を見下ろすレストランがあり、ここで生ビールを飲む。
まだお腹は空いていなかったが、美味そうだったのでシャシリクも注文した。
隣で飲んでいた2人組にすごく良い店があるからもう一軒行こうと誘われ、タクシーで別のカスピ海沿いレストランへ移動する。こちらはホテルにもなっており、海で泳いでいる人もチラホラいる。
帰りは、時間がまだ早く、散歩したかったこともあり歩いて帰ろうとしたが、暑くて途中で妻が拒否、仕方ないのでタクシーに乗る。もう残っていないと書いてあった海近くにも城壁が一部残っており、城門を通ってしばらく城壁沿いに車は走行。この辺りを歩いて見るのもおもしろそうである。
午後少し飲むだけのつもりが、2軒目ですごく食べたので、夕食はパス。久しぶりにサッカーがない日なので、夜はビールを飲みながら写真整理など。