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2019 モンゴルからロシア
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モンゴル横断、そしてアルタイ共和国からシベリアへ
19日目 アバカン→クズル
5時過ぎに起床し、出発準備。6時前に、ドライバーから電話がかかってきたから準備しておくようにと宿の人が伝えに来てくれた。駅前で客集めしてから来るのだろうと思っていたが、6時過ぎに今から行くから宿の前で待つようにと再び運転手からの連絡あり。日の出前の一番寒い時間なのに宿のおばさんも一緒に外で待ってくれるが、中々車が来ない。
15分くらい待ったところでドライバーから場所が分からないとの電話。仕方ないのでバス道まで出て待っていると、ようやくミニバスが到着する。まだ空席はあったが、そのまま出発。運転手も乗客もみんなトゥバ人で、会話もトゥバ語だ。
2時間ほど走って朝食休憩をとる。場所はクラスノヤルスク地方だが、ユルトの食堂でトゥバ料理店だ。
ドライバーの勧めるトゥバ料理を注文する。最初に出て来たのはハタンというミルクティー。チベットのツァンパの味がする麦焦がし入りのミルクティー。チベット文化がここまで浸透したことが感じられる。
もう一つがスートゥーシャイ、モンゴルで良く飲んだ塩入ミルクティーである。
カラムンは、穀物の入った羊の臓物モツがスープで、モツの香りがプンプンし、モツ付きの我々にとっては絶品だ。モツ嫌いな人には厳しいかなというほどモツ味そのもののスープ。カラはカラコルム山脈のカラと同じで、チュルク系言語の黒を意味し、スープがムン。黒っぽいモツの色から来た名前だろう。
もう一品はホールガンイジスハン、これも同じモツで、炒めたもの。牛の鉄板で、牛の腹に牛のモツだと喜んでいたら、羊のモツだそう。改めて鉄板を見ると鉄板も羊に見えてきた。朝からモツでお腹いっぱいである。
車はどんどん高度を上げていく。要所要所に仏塔がある。行政区画上はクラスノヤルスク地方だが、すでにチベット仏教徒であるトゥバ人の世界である。
森や湖が美しく、のんびりキャンプでもしたくなる風景が続く。
さらに高度を上げると背の高い枯れた木が目立つようになるが、次世代の木々も育っており、森が失われる心配は少なそう。
峠を越えて、ここからトゥバ共和国に入る。それまでの登りに比べ、なだらかな地形が続く。ここはモンゴル高原の延長となる場所であり、外国人は通れないが、モンゴルとの国境もあるのだ。
牛や馬の放牧も見られる。
12時半にトゥバ共和国の首都クズルに到着する。ミニバスは各乗客を家まで送ってくれる。我々は一番後回しになったので、郊外まで市内の様子を垣間見ることができた。トゥバ共和国は仏教徒主体のトゥバ人が3分の2を占めているが、目立つのは寺院よりも教会である。
30分ほど市内を走り回り、ようやく予約していた宿に到着した。クズルの宿は貸しアパートを予約している。貸しアパートは場所が分かり難いことが多いが、ここはオフィスを大通りに設置し、そこで手続きをし、アパートの鍵を受け取るシステムになっている。手続きをしている間にも数組の客が来ており、かなり大規模に貸アパート業をしていることが分かった。鍵を受け取り、別の建物のアパートに案内される。外観や共用部分はぼろかったが、内装はきれいにリフォームしており、1DKだが非常に広い。バスタブや洗濯機も完備している。小さなベランダもあり、バス停は窓の外に見えている。中心部からは少し遠いが、非常に落ち着ける良い宿である。
早朝の出発で疲れていたが、昼食の時間も過ぎているのですぐに出かける。中心部までは2キロ以上あり、ミニバスもたくさん走っているが、最初なので歩いて向かう。食堂はいくつもあるが、トゥバ料理店が見つからず、昼食をとれずに中央市場まで到着する。
見たことのないものが売っている。松ヤニで作ったガムだ。味は付けられておらず、健康のために噛むのだそう。松の実を食べる松とは違う種類の松から採られるという。写真のような平板のものや円筒状にしたもの、樹脂そのままのものなどが売られている。話を聞いていたら一番小さなパックをくれたので味見をする。一度に噛むのはほんの少量だそうだが、普通のガムと違いいつまでもやわらかくて噛みやすく、昼食の直前までずっと噛むことになってしまった。
松の実や板状に固めたトゥバ茶などを売っている店に透明の液体が目に付いた。匂いをかがせてもらうとアルコールだ。アラガという牛乳から作る蒸留酒だそう。試しに一本購入する。
市場の裏でやっとトゥバ料理の店を見つけた。やはりメニューにモツ料理があるが、ここではダルガンウスケンという羊肉の入った手打ち麺を食べる。
もう一品はホールガンエト。朝食べたモツ炒めのモツが羊肉に変わったものだが、この店では付け合せに平麺と目玉焼きが付いてきた。
街の中心部は大きな歩行者天国になっている。大きそうな店が並ぶが、中は小さな商店の集まりで、スーパーマーケットやデパートのようなものは見当たらず。
劇場は寺院を模したかのような特徴ある建物だ。
トゥバ共和国はアジアの中心部にある国だということを自認しており、アジアの中心を示す大きなモニュメントがある。
モニュメントの前にツーリストインフォメーションがあり、色々資料はもらったが、見どころに行くツアーを勧めるばかりで、何があるのかさえよく分からない。7日の日がお祭りなのが分かったのが、ここに立ち寄った収穫だ。アバカンからの列車は予約しており、その部分の日程は変えられないが、残り2泊を考えていたアバカンを1泊にし、ここを3泊から4泊にすれば祭りが見られる。宿も良いので、トゥバに4泊することに決めた。
インフォメーションから出ると空が真っ暗になっている。急いで周辺の見どころを見て回る。街中には寺院が見当たらないが仏塔はあった。
劇場の前には大きなマニ車も設置されている。
劇場はきれいな模様のついた木の壁面で飾られており、見応えがある。
買い物をしようと市場に戻る途中で、強風が吹きだして、砂ぼこりと共にゴミが舞いだした。市場前にいたタクシーに次々と乗客が乗り込み、あっという間に街がガランとして来た。嵐が来そうな雰囲気で、急いで戻りたいが、バスは来ないし、タクシーもない。
仕方なく歩いて戻りだしたが、一気に雨が来てずぶ濡れになる。アパートに着く頃には嵐もひと段落していた。バスタブにゆっくりつかって温まり、近くのスーパーで買った食料で、夕食にする。アラガは乳製品の匂いがするが、味は無味に近く飲みやすい蒸留酒だった。
食事中から再び雨がひどくなっていたが、早朝から起きて疲れていたこともあり、雨音も気にならず熟睡する。