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2019 モンゴルからロシア
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モンゴル横断、そしてアルタイ共和国からシベリアへ
20日目 クズル
今日から今回の旅も後半に入る。クズル延泊を決めたこともあり、午前中は快適な宿で旅の前半の整理をする。朝食はスーパーで買ったトゥバのマンチュ。ロシア語でいえばペリメニ、日本語でいえば水餃子である。具は肉のみが詰まっていた。
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昼過ぎにバスで街に出て、まずは市場近くで見つけたユルトの食堂へ。
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今日はホールガンバールを注文する。バールはレバー、レバーも大好きなのでかなり期待したが、火を通し過ぎで、ボソボソしている。これならモツや肉の方が美味い。最初の店と同じウシ型の鉄板にホールガンバールのみが盛られており、ライスが付いてきた。
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もう一品は、クルグルダイ=肉の腸詰めで、こちらは非常においしかった。
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食後はトゥバ共和国立博物館へ。
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博物館前には、ユルトとアルタイの博物館で見た木のテントが建てられている。トゥバ人はどちらの住居も伝統的に使っていたそうだ。
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博物館は新しく、見応えのある展示が多い。しかし、各展示室の配置がバラバラで、自然関係と歴史関係、文化関係が混在。歴史関係だけを考えても、順路通りに進むと時代が前後している。せっかくの展示だが、これでは頭がこんがらがってしまって、理解がし辛い。非常に残念な博物館だ。
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さらに残念に思ったのは半地下に見えた石人と鹿石の展示。上からのぞくとすごく数があって、説明もあるのに、入れなくしてあるのだった。
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博物館前から市バスに乗って街はずれにあるバスターミナルへ。明日は丸一日あるので、日帰り出来そうな場所があればと思って行ったが、バスは全部で3本のみで、しかも午後発。宿泊をしないとバスでどこかに行くのは不可能だ。アバカンのバスターミナルでクズル行きバスがないといわれ、おかしいと思ったが、やはりアバカン行きは運休してしまっている。大型バスとさして値段の変わらないミニバスがドアツードアなので、需要がないのだろうか。
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バスターミナルから川を隔てたところがナショナルパークで、中にはカルチャーパークやスタジアム、遊園地などがある。といっても普通の公園とさして変わらない。カルチャーパークと名付けられた場所で唯一文化を感じられたのは巨大な馬頭琴のみ。
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ナショナルパークから今度は文化センターに向かう。文化センター併設のユルトカフェにもトゥバ料理が色々あるとツーリストインフォメーションで聞いていたので覗いてみたが、本日は貸切でパーティー準備がしてあった。
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文化センターで行われるというトゥバの有名な喉歌ホーメイのコンサートが聞きたく、スケジュールを尋ねたら明日12時に来いという。これで明日遠出する計画は完全になくなった。文化センター内には色々展示もあり、見学させてもらった。楽器の棹の先端部分が馬の頭の形をした弦楽器を馬頭琴といい、モンゴルやトゥバの伝統文化の一つとなっている。棹の先端部分が馬の頭なが通常だが、胴体の音を響かせる部分が馬の頭蓋骨の馬頭琴があり、つい見とれてしまった。
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文化センター内のカフェにもトゥバ料理があったので、ここで軽く夕食をとる。私は最初に食べたカラムンがあまりに美味しかったので、ここでも注文したが、ここのはモツが少なく、味も今一歩だった。妻の注文したツイワン=モンゴルでよく食べた手打ち麺も普通の味。
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帰りに市場に立ち寄って、ワインを購入する。
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何かワインのつまみをと市場を見ていて、ハンと呼ばれる血のソーセージを見つけた。トゥバ料理の代表的なものの一つだが、どのトゥバ料理店でも見つからず、妻がずっと探していたものだ。凄い量で分けられないというので、少し躊躇したが、購入する。ショーウィンドウの中にある時は分からなかったが、腸の中身はサラサラの血液。切って売るなんて出来るはずなし。
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10分間茹でるとサラサラだった血液は凝固し、血のソーセージが完成した。大量に買ってしまったので心配していたが、生臭さなど全くなく、非常に美味しい。残りの滞在期間中毎日食べることになりそうだが、この美味さなら問題なく食べられそうだ。
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美味しいつまみであっという間にワインは飲み干し、昨日残ったアラガに入る。血のソーセージはアラガにもピッタリの味で、これもあっという間に飲み干してしまった。