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2019 サウジアラビア
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自由な旅が解禁になったサウジアラビアへ
9日目 スレイエレ-アルファウ-ナジュラン
朝食をすませ、9時に出発する。2時間ほど走って、アルファウに到着。古くから砂漠の交易ルートの中継地として栄えたオアシスで、紀元前2世紀からアラビア半島南部で栄えたキンダー王国の最初の首都であるカリヤト・アル・ファウのあったところ。現在は小さな村だという話だが、集落にさえなっておらず、ガソリンスタンドなどがあるだけ。遺跡の周りにはフェンスがあり、近づくことさえできない。工事中の建物で作業している人に入る方法を聞いたところ、どこかに電話をしてくれた。しかし、鍵を持つ人に連絡がつかない。14時にその人が戻って来るというが、それも定かではない様子。遺跡は金網越しに見るだけで終わってしまった。
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少し進んで、砂丘が近い場所で休憩する。この辺りがルブアルハリ砂漠の最深部なので、砂丘を少し歩いて見た。
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走行中、ラクダを運んでいるトラックを追い抜く。昔と違って、ラクダもトラックで運んでしまうのだ。
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1時頃に小さなオアシスで休憩しようとして、タイヤを砂に取られ、動けなくなった。幸い、何台も車が停まっている場所だったので、すぐに助けてもらえたが、良い勉強になった。2輪駆動の車では少しの砂でもすぐ動けなくなるということだ。
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ここまで何度か警察のチェックポイントがあった。最初は緊張したが、特に止められることもなく、いつもそのまま素通りできる。徐行して、進めば良いだけ。このチェックポイントでようやくリヤド州を抜け、ナジュラン州だ。
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奇岩の多い場所でひと休み。
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道路沿いにラクダが歩いていたので、しばらく徐行し、一緒に進む。
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人には慣れているので、下車して近づいても逃げないで、却って寄ってくる。
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16時頃、ナジュランの街に到着。ナジュランはワジ(枯れ川)に沿って東西に長く延びる街で、イエメン国境はすぐそこだ。 イエメン人がもともとの住民でここはイエメン文化圏に属するのだ。
国境のイエメン側は、イエメンの反政府武装組織が支配する地域で、サウジアラビア政府はイエメン政府と協力し治安維持をするために、軍隊を境越させている。時にはイエメンの反政府組織の反撃もある訳で、ナジュランの街を含む国境地帯に、日本政府は渡航自粛勧告を出している。訪問に当たっては、最新のニュースをずっとチェックし、ギリギリまで判断を延ばしていた。9月にはイエメン側で大きな戦闘があり多数の死者も出ている。しかし、数日前、捕虜の交換をするなど関係の改善がみられるとのニュースが流れた。これですぐに越境しての反撃などないだろうと判断し、安全を確信して、ナジュランにやってきた。
何かあった時のことを考え、ここでは少し良さ気なホテルに宿泊する。きれいな部屋には、寝室とは別にキッチンや応接室まであり、素晴らしい居心地の宿だ。
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ここでは夜間の外出は止めておこうと早めの夕食を近くのレストランでとる。
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ホテルに戻る前に、少し店など見て歩く。古くは乳香やスパイスを扱った交易都市として栄えた街だが、今もそのような店が目に付く。コーヒー豆は色々なロースト段階のものがあり、コーヒーの殻であるギシルと共に並んでいる。我々のイメージするこげ茶色にローストされたものはトルココーヒー用だということで、アラビックコーヒーはやはり薄い色で軽いローストとなっている、
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リヤドの宿よりもネット環境が良く、夜は部屋でのんびり過ごす。