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2019 サウジアラビア
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自由な旅が解禁になったサウジアラビアへ
27日目 ミドナブ-ウシクル-シャクラ-リヤド
ミドナブの家畜市は月曜の早朝が一番賑やかだと聞き、いつもよりも早い時間にホテルを出発する。8時に家畜市に着く。取引は既に始まっていたが、期待していたものよりも小規模である。羊や山羊、ラクダなどの取引はおもしろいが、ナジュランでずっと賑やかなのを見てしまっているので、拍子抜け。少し見ただけで出発だ。
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ミドナブを出てすぐに道は砂丘地帯となる。しばらく走っていると、砂丘のふもとで家畜追う遊牧民の姿が見えた。
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車を停め、近寄ってみると遊牧民の兄ちゃんは子ヤギなどがいる柵へ案内してくれ山羊を見せてくれた後、近くにあった天幕でのコーヒーに誘ってくれた。しかし、この後、放していたヤギが逃げ出して追いかけたり、家畜市で買われたヤギが到着したりして、お兄ちゃんは忙しくなり、遊牧テントでのコーヒーはなくなってしまった。残念。
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伝統集落を修復した文化村はサウジアラビアにたくさんあるが、サウジアラビア観光局公式サイトで紹介されているのは、ウシクル文化村だけ。サウジアラビアでは必ず訪れるべき場所であると紹介されている。ここまでにたくさん文化村は訪れたし、ツアー客のコースとなって観光地化した場所は訪問しなくても良いかなと思っていたが、時間はあるので訪れることにした。
ウシクルで文化村に入る前に、朝食。観光客が来るのだから食堂くらいあるだろうと思っていたが、サンドイッチ屋しかない。サウジアラビアの朝食時間に開いている食べ物屋としては圧倒的に、サンドイッチ屋が多い。しかし、食べるのは今日が初めてだ。一つでは物足りないが、肉を挟んでちゃんと温めているので、美味しい。
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1500年前から村があったというウシクルは、規模が大きく、色々な建物が残っている。リヤドから近いこともあり、どこか一つを紹介するならここというのは良く分かる。きれいに修復されている場所も多いが、廃墟のままの建物も多い。ガイドの付いたツアー客は、当然廃墟の中に足を踏み入れないが、我々は普通に入って、崩れそうな階段から屋上にも上がってしまう。屋上の飾りが白く塗られている建物は修復された建物で、ツアー客の姿も散見された。
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メインストリートには観光客向けの土産物屋が出ているのを見たのもここが初めてだ。
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迷路のようになった道が集まっている小さな広場。道が何方向にもあるのでどちらに行こうかと迷っていると、この村に昔住んでいたというおじいさんが現れて、ついて来いという。
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おじいさんは昔話をしながら、古い井戸やモスクなどを案内してくれた。
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だいたい村を一巡したので、帰ろうかと歩いていると先ほどの小さな広場にまた出てきた。先ほど写真を撮った建物から煙が上がっており、中で人の声がする。戸は閉まっていたのでそのまま行こうと思ったが、妻がノックすると人が出てきて、招き入れられた。朝食中だった人々に誘われて、美味しい食事をいただく。
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食事の後は、コーヒータイムで皆さんとおしゃべり。今の主のおじいさんが住んでいた家で、築400年の建物だそう。長く住んでいなかった建物を、改装したのだという。今は村人の語らいの場になっていて、何人もの人がやって来てはおしゃべりして帰ってゆく。先ほど古井戸などを案内してくれたおじいさんもやってきた。ここにはウシクル文化村の観光に来る各国要人が必ず立ち寄る場所となっていて、今日の昼には中国大使一行が来るということだ。
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キッチンも見せてもらう。こちらは伝統的なものでなく、伝統を取り入れながら新たに設計したのだそう。
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こちらの香木は何万円もするのだそう。最初は違う香を焚いて、高級な香木は見せてくれただけだったが、匂いを知りたがったら、小さいのを焚いてくれた。
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12時になり、中国大使一行が来たのを機に、我々は出発する。
ウシクルは一通り見たつもりだったが、朝は閉まっていた博物館が開いており、案内される。展示物は興味深くはあるが、これまでに見てきたものばかり。博物館のおじさんが案内してくれながら、展示物の用途などを質問してくるが、見たことあるものばかりで当然答えられる。おじさんはことごとく当てられてビックリしていた。
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ウシクルは本当に小さな村でホテルもない。10キロほど離れたシャクラで日帰りでない観光客は宿泊をする。今日はシャクラで泊まろうと思っていたが、2軒見たホテルはどちらもちょっと高い。最後なので贅沢しても良かったが、値段の割に部屋が普通なので、泊まるのは止めた。シャクラにも文化村があるので訪れる。入口の建物は素晴らしい。
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しかし、大半の部分は廃墟のままで、工事も全くしていない。整備しても観光客はここを素通りし、ウシクルに行ってしまうのは目に見えている。お金をかけ整備するより、廃墟のままの方が良い気はする。
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修復した建物の一角を博物館にしてあるが、係員も客もいない全くの無人である。広い博物館のどこにも人を置かず見学を自由にさせてくれるのは、他の国では考えられない。これは、外国から観光客が入って来ていなかった時代が続いたからこそだ。一気に開放してしまってこれからどう変わってゆくのか、心配になる。
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シャクラで泊まらないなら、目指すはリヤド。首都に戻って3週間のレンタカー旅が終了だ。
Edge of the World (世界の端)と呼ばれる場所が、リヤド近郊にある。写真の絶壁の上がその辺りだ。これを越えればもうリヤドだ。
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車の多いリヤドなので、街の手前の方にあるホテルを選んだが、やはり最後は渋滞だ。それでも無事に戻ってこれた。期待以上に色々な出来事があって、非常に楽しかったレンタカーでのサウジアラビア周遊旅も明日車を返せば終了である。