2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ウクライナ>2009年05月15日(Fri)
★キエフ行き夜行バス→キエフ→リヴィウ行き夜行バス
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■東西の溝をもつウクライナ
ウクライナ。2004年の選挙から、東西の溝がいっそう大きくなっちゃいましたね。
もともと1991年にソビエト連邦から独立して以来、ウクライナでは、親ロシア系の東部と親西欧系かつウクライナ・ナショナリズムの西部があり、対立はかろうじて回避されてきたものの、2004年の大選挙によって対立が先鋭化したのが現状です。

もともと「ロシア史」なんて本を開こうものならその1ページ目には「キエフ公国」の文字がどーん。「どうしてロシアなのにウクライナの首都キエフKievが??」と謎めく時期も長かったのですが、一応、9世紀にはここに成立したキエフ公国ありき、それがモンゴルにより弾圧され、やがてキエフ公国の名もない地方都市モスクワが栄えはじめて大公国へと台頭していく、という順により理解できるようになりました。

またウクライナの近代史はといえば、独立後も西のポーランドに併合されたり、東のロシアに併合されたり、はたまた両者に分割されたりと、激動の歴史を背負っています。このくだりは明日の日記に重要です。

今日到着したウクライナの首都キエフは、地理的にはウクライナの中心に位置しています。かつてのキエフ公国の都でした。


バスターミナルに到着したのは朝6時でした。あー眠いっ。でも早速次のバス移動について調べなければと頑張りました。・・・あれれ、期待していたスロベニア国境の町ウジゴロドUzhgorod行きのバスは廃止されている模様。残念。でもおかげで、行こうか行くまいか(行きたいけれども時間がないなあと)迷っていた、西部主要都市であるリヴィウLvivへ行く決意ができました。

今日の夜もここから夜行バスに乗るのなら、日中は荷物を預けて、身軽になって観光すればいいですよね!

そうして早速繰り出したキエフの街は、「光り輝く黄金の街」だったのです。ファンタスティックな!

たとえばロシアのエルミタージュ宮殿などは、その美しい建造物をお目当てにしてやってくる観光客でいっぱいいます。でも、このキエフの街は、「街中エルミタージュだらけ!」と言える優雅な造りの連続! やるじゃんキエフ、やるじゃんキエフ公国! 黄金の屋根が連なる正教教会群の街は、ピカピカして本当美しいよ!

さて、現在東欧の旅は急ピッチで進んでいます。理由は日数が足りないからです。何故足りないかって、ここでのんびりしてしまうと、夏のアイスランド&グリーンランドがハイシーズンを迎えてしまい、航空券は馬鹿高いわ、各種予約は取れないわ、行っても観光客だらけでうじゃうじゃだわと、旅の三重苦を迎えてしまうからです。で、西向きに急いでいる以上、東のキエフまで寄る時間がもったいなくて、一時期、キエフへは訪問しないスケジュール(モルドバのキシナウChisinauから直接リヴィウに入るルートなど)も考えていました。

でもね、旅ルートを2人で話しているとき、和人が「キエフいいなあ、また行きたいなあ(ぼそっ)」と言っていたその言葉があづさにも響き、あづさもキエフ訪問はとっても楽しみにしていました。そして今日、その期待が実現したのです。

バザール(市場)、聖ソフィア大聖堂(キエフのキリスト教の中心の場でした)、黄金の門(昔は黄金の屋根が乗っかっていたそうですけど今は木造)、聖アンドレイ教会(写真)、聖ミハエル修道院、洞窟修道院などなどなどを観光しました。

キエフ

なんかね、どれも美しくて、・・・多分ソ連圏の観光では、モスクワMoscowに匹敵する美しさがあり、モスクワよりも見所が集中していて観光にぴったりだったりと、キエフ、めちゃいいです。もし日本から直行便が飛んでいたらツアーも多く組まれているんだろうなー。

さて、聖ミカエル修道院で見たホロドモールの説明パネル。街中で見たホロドモールの記念碑。
1930年代に200~1000万人(諸研究論文あり)の死者を出した大飢餓がありました。これは決して天災ではなく、ソ連によって引き起こされた「人為的な虐殺」であるとされています。ウクライナは、大量の死体(その死体すらも食べられたりしたらしい)でいっぱいだった悲しい時期があるのです。

なんか、暗い影もあるよね。キエフは美しいだけの街ではありません。親ロシア的な人も反ロシア感情を残す人もいて、また、正教もありカトリックもあり(一応正教のほうが多そうですけど)、キエフは単一な街ではありません。きれいで雅な街ではきれいな物を見てうきうきとなりがちですが、人を見て人と接するときは、敬意をもって接したほうがいい。そうすれば、キエフの真の顔が、一層見えてくるのだと思いました。
本日の旅
行動 :キエフ到着、キエフ観光、リヴィウ行き夜行バスに乗る
朝食 :ラテ、パン/キエフのマクドナルド
昼食 :Оселедецъ пiд шубою(オレセデウスピドゥシュボス、ゆでじゃがゆでにんじん酢じめ魚のサラダにビーツクリームサラダを乗せたもの)、Окрошка(オクロシュカ、ゆでじゃが卵白身ハム入りヨーグルトスープ生ディルちらし)、борш(ボルシュ、ビーツにんじん入り赤いスープスメタナ入り)、котлета(コティレタ、中にチーズバターたっぷりチキンのラグビーボール状カツ)、вареники(ヴァレニキ、ラズベリージャム入り水餃子にスメタナ(サワークリーム)と砂糖をかけたもの)、Пеуiнка(ピチョンカ、レバーオニオンソテー)、кцртопля(カルトープラ、スライスしたじゃがいも炒め)、Пибо(ピーボ、ビールのこと)/キエフのレストラン
夕食 :ハンバーガー、ファンタオレンジ/キエフのマクドナルド、パン、ソーセージ、チーズ/バスの中
宿泊 :リヴィウ行き夜行バス
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旅情報
1ウクライナグリブナ=12.9円

*お手軽美味しいウクライナ料理
「キエフ風カツレツ」と日本で定着している料理をはじめ、キエフは美味しい料理の宝庫です。どうせならちょこっとずついろんな種類が食べたい! という人には「Пузата Хата(プザタハタ)」というレストランがお勧めです! 実際に並んでいる数多くの料理から、「これ、このくらいちょうだい」というオーダーができるのがいい。メニュー数は大変に多く、店内もウクライナらしさがいっぱい。チェーン店なので市内に何店舗かあります。
http://www.puzatahata.com.ua/