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■日曜の布の市
今日は日曜日で、サマルカンドからタジキスタン国境方面へ車で40分ほど行ったところにあるウルグートの町で、有名な特産の布の市が開かれます。サマルカンドのメインの観光は昨日大満足で終えることができたし、今日はその市へ足を延ばすことにしました。
観光客の姿もちらほら見られる、ウルグートの市。観光客はやはりメインの布売り場に集結しているようです。
私たちは、観光客があまり来ないような、地元の人向けの日用品などが売られる区画を歩きました。美味しそうな匂いもぷんぷん! ローカル食堂街もあり、楽しめます。人々の目が青かったり茶色かったりして、明らかにここは「タジク人の町」なのだなぁと、思わさせられるのでした。
ウズベキスタンにはウズベク人とタジク人が混住しています。サマルカンドやその周辺はタジク人の町とされています。その2人種は、「ウズベク人がトルコ系」「タジク人がペルシャ系」ということで、見た目の風貌も、目の色も、元来彼らがもっていた生活習慣や文化も、言語すらも異にするものでした。サマルカンドはタジク人の町なのに、ソ連はここを「ウズベキスタン」としました。自分たちが住む町も国もウズベキスタンにされ、身分(民族区分)もウズベク人にされてしまったタジク人。タジク語を話すタジク人が、ウズベキスタン国のウズベク人にされてしまうと、ウズベク語を強要され、言語・文化・社会的な迫害を受けることになる。・・・それはここだけではない。ウズベキスタンにタジク人の町があり、タジキスタンにウズベク人の町があり、キルギスにウズベク人の町があり、タジキスタンにキルギス人の町があり、根強い民族紛争の原因を作っている。それが、頭がいいのか悪いのか(多分いいんだろうな)、スターリンの「民族分断政策」の狙いでした。民族の一致団結はクーデターなどソ連維持の脅威になるから、スターリンは、至るところで「民族分断政策」を実施してしまったのです。
おおっと、話が長くなったっ! 語ってしまったっ!(スマソ)
ただね、宿のおばちゃんが自分のことを、「言葉はタジクだけど、私はウズベク人だよ」と説明してくれたときのことが、忘れられない。本当はタジク人なのに、民族名をウズベク人とされてしまった、という史実と一致する発言だったのです。例えば私が、日本で日本人の両親から生まれても、生まれたときから韓国パスポートを持たさせられ、戸籍上も国籍を韓国人とさせられてしまったら、おばあちゃんになる頃は私も「言葉は日本語だけど、私は韓国人だよ」と言ってしまうのでしょうか。ああ、本当にこの国の人々は複雑な思いを抱えている。可哀想で、涙が出てきます。スターリンの呪いって、ずっと消えないんじゃないかとすら思う。怖いことです。
明るい話に戻しましょう。
あづさは、今日からいっぱいスカーフを買おうと思いました。
学校の授業で調理実習をするとき、三角巾を着用するように言われますよね。学校でもそう習う上、一流調理人や偉いシェフだって頭を覆うものを着用する。なのに家庭の主婦がそういう基本的なことを崩したら、子供の教育にも良くないのではないかと思ったのです。そう考えて、きちんと台所に立てるようになれたらいいなと、せっかくなら旅の間にとスカーフ類を揃え始めています。軽いし割れないし、バックパッカーでも運べます。
中央アジアは、女性のスカーフの宝庫です。
この楽しみは、まだしばらく続きそうです。
本日の旅
行動 :ウルグート日帰り観光
朝食 :マニカシャ(セモリナ粉をミルクで炊いたもの)、キフィール(ヨーグルトドリンク)、チャイ(お茶)、ナン(パン)、チーズ、サラミ、コーヒー/宿
昼食 :хасиб суп(ハシープスプ、牛肉と腸詰めの煮物)/ウルグートの市場
夕食 :シャシュリク(牛肉レバーミンチの串焼き)、リューク(玉ねぎディルのサラダ)、スヴェジェ(きゅうりトマトサラダ)、チョイ(お茶)、チャロップ(ヨーグルト野菜スープ)、ナン(パン)/サマルカンドの食堂
宿泊 :ビーアンドビーバホディールB&B BAHODIR
旅情報
1ソム=0.038円
*ウルグートへの行き方
サマルカンドのレギスタン前大通りを、レギスタンから見て右に数分歩くと左手に噴水のある公園があり、その公園前が乗り合いタクシー乗り場。外国人からは多い額を取るよう運転手同士が結託しているので、こちらは優しい庶民と結託してローカルプライスをゲットしよう。片道40分、3000ソム。帰りはミニバスに乗った。片道40分、2500ソム。