2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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エクアドル>2009年12月24日(Thu)
★コカ→パニャコチャ→ヌエボロカフエルテ
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■アマゾンインディアンを目指して・2
ほとんど明け方前に到着したバスの中で、2時間の仮眠。そして朝6時半に、ナポ川(アマゾン河)の船着き場に行きました。

先日も書きましたが、「アマゾン河」について、もう一度。

アマゾンというとブラジルを思い出す人が多いと思いますが、河口側にあたるブラジルアマゾンは、その川幅の広さで有名です。海みたいだ(つまり対岸が見えない)と言います。アマゾン流域は文明は持たなかったものの、先住インディアンたちが独自の暮らしを営んできています。でもブラジルでアマゾン河の旅をしても、あまりに河幅が広すぎて、川岸で営まれる生活の様子はあまり見られません。海みたいなところですから。

アマゾン河には、1000本もの支流が注いでおり、その流域面積はオーストラリアを上回ると推定されています。支流の1つ1つが大河なのです。アマゾン河の上流にあたるペルーやエクアドル、コロンビアでは、幾つもの大河群が、地図を見るとまるで河川の蜘蛛の巣のように広域に分布しています。そしてその河のいたるところで、やはり先住インディアン達の暮らしがあるのです。

「アマゾン上流域のほうが、両河岸が近い分、いろいろ見れるものがあるよ」という和人の意見。それを聞くと、絶対上流域目指したくなっちゃうじゃない(*^-^*) そうして私たちが選んだのは、エクアドルアマゾン地帯、ナポ川というアマゾン河上流河川にてアマゾン奥地へと進む旅なのでした。

(本当はブラジルのマトグロッソにあるシングーに行きたい・・・んだけど、そこまで特殊な先住民区域に行くには特殊なビザが必要なので、今回は思い出さないようにして泣く泣く諦めているのは内緒デス。)

さて、話しが長くなりましたが、そんな旅を始めるべく、昨日はバス移動で非常に苦労をして、今朝6時半に、ナポ川(アマゾン河)の船着き場に着きました。

今いるコカCocaの町は、陸路でアマゾン地域につながる最深部であり、ここから先は船でしか行くことができません。当然物資が良好に流通しているのも道路があるコカまでですから、ナポ川流域に住む人々は、生活必需品をこのコカでまとめ買いをし、この船に積んで自宅へと帰るのです。だから船には屋根の上まで皆の荷物でいっぱいです。

エクアドル

みんな、アマゾニアインディアンです。顔立ちもしかり。そんなインディアンたちの船に乗って、私たちは終点のヌエボロカフエルテNuevo Roca Fuerteまで行く予定です。片道およそ300kmもの大河の旅です。

朝7時半に船は出発。こんなエクアドルの、アンデス山脈近い上流域ですら、岸と岸が遠い。大河ですよ大河。やっぱり両岸が見られるほうが飽きませんし楽しいもので、和人の意見のとおり、アマゾン上流域の船旅を選んでよかったなって思いました。

石油採掘場がありました。
高床式の、屋根がヤシの葉のようなもので作られた伝統住居がありました。
学校がありました。学校の前にはボートが停泊していて、このボートは「スクールバス」のように毎朝夕に子供達をピックアップしているのかもしれません。

船は、右の岸に着いては乗客を降ろし(たっぷりの買い出し荷物と共に)、またしばらく進んでは左の岸に着いて乗客を降ろします。船が着くと家族が出迎えに来る光景がとってもほのぼの! でも、揺れる船から川岸のぬかるんだところへ上陸する際は、転んで泥だらけになる人が何人もいました。また、出迎えに来た家族を見ていると、お腹が妙にぽっこりした子供が多いことに気がつきました。腹水、低アルブミン、つまりは栄養失調ということが示唆されます。生活が不便なところで、収入はどうして得ているのかは定かではありませんが、あまりごはんを食べられていないということなのでしょうか・・・。

川岸に手漕ぎカヌーを保有している家も何軒も見かけることができます。私たち日本人の生活感覚で言えば、マイカーか自転車というところでしょう。隣家(船で対岸に渡ったところなど)へ行ったりするのに使っているようですし、これで魚を獲ったりもしているようです。

ああ、すごく、すごくいい時間!

アマゾン河の旅は、ただ河を見るだけじゃない。河を共に暮らしを営む、先住民族アマゾニアインディアンの姿を自分の目で見られることが、本当に「旅人心」にぴったりはまります。

昼頃、このあたりの流域では最大の町となる、パニャコチャPanacochaにて、昼食&おトイレ休憩。もちろんここは陸の孤島で、道路では外界とつながっていませんが、商品が充実した商店があり、歯磨き粉、食用油や缶詰、粉ミルク、電池やライター、その他いろいろな日用品が売られていました。コカまで買い出しに行かなくてもここでそこそこのお買い物はできるようです。

午後も、船は進み続けます。乗客の家に到着する度に乗客と荷物を降ろしていくので、最初は何十人も乗っていて窮屈だったのが、だんだんゆとりが出てきます。

きれいな夕陽を見て、日が暮れて、夜8時半頃、船は終着地のヌエボロカフエルテに到着しました。ここはエクアドルの東の端の村で、目の前はペルーです。もう夜遅いので、上陸地すぐの建物でレジストリー(登録、スペイン語でレヒストラール)を受け、宿を決めて夕食を食べました。

今日は、とってもとっても楽しい1日でした。朝から夜までアマゾン河を堪能しました。両岸で営まれるインディアンの暮らしを見ながらアマゾン奥地までやってきた、「南米に行くならアマゾンを見てみたい」という想いが昇華された1日でした。

このルートを選ぶにあたり、実は日本人がツアーなどではなく個人でここまで来たという記録を見つけることができませんでした。多分、旅先としてはマイナーなところなんだろうと思います。でも、素晴らしい風景の移りゆきに、先住民村に立ち寄りながら進む船。水と共に生きる南米アマゾンらしい人々の暮らしが見られ、本当に楽しい1日だったんです。

夜暗くなって船を降りるとき、「楽しかったね」って和人が楽しそうに言っていました。彼は彼なりに感じ取るものがあったことでしょうけど、同じ楽しさを共有できたことが、嬉しかった。

これから南米を旅する人が、もしこれを読んでいてくれたら、ナポ川下りのこの旅は、是非おすすめしたいと思います。
本日の旅
行動 :コカからヌエボロカフエルテへ移動、アマゾン河(ナポ川)下り
朝食 :マンゴー/船
昼食 :arroz con pollo(アロースコンポジョ、白ごはん、ポジョギサード(鶏煮込み)、フリホレス(煮豆)、Jugo de pina(フゴデピーニャ、パイナップルジュース)/パニャコチャの食堂
夕食 :arroz con carne(アロースコンカルネ、白ごはん、カルネアサード(牛肉炙り焼き)、ensalada(エンサラダ、玉ねぎのサラダ)、ユカ(ゆでキャッサバ芋))、jugo de mora(フゴデモラ、桑の実のジュース)/ヌエボロカフエルテの食堂
宿泊 :アマゾンジャングルロッジ
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旅情報
1ドル=98.9円

*ナポ川の川下り
拠点となるのはコカ。コカにはバス会社が何社も入っており、エクアドル各地からアクセスできる。コカ発ナポ川下りの船は週3、4便。カーゴ(貨物専用船)にも乗れるらしいが、アマゾン先住民たちと一緒に船に乗るほうが楽しいに決まってる。で、私たちは木曜日の船に乗りました。終点のヌエボロカフエルテまで1人15US$、所要13時間。途中トイレ休憩や食事休憩あり。