2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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オーストラリア>2010年08月06日(Fri)
ケアンズ
:: 旅1184日め : 世界旅197ヶ国め : 和人243ヶ国め : あづさ206ヶ国め ::

■ケアンズ空港にて
朝空港まで送ってくれたカレン姉さんとお別れ。あっという間に過ぎ去ったケアンズですね。忙しかったけれども楽しかった。私たちは今日、パプアニューギニアへ移動します。

でも大変。一昨日の日記で、エアニウギニのオフィスで口酸っぱく確認した、出国チケット不要の件でトラブル発生です。具体的には、一昨日航空会社職員に「私たちはパプアニューギニアからインドネシアに陸路で移動してインドネシアから出国するから、パプアニューギニアからの出国チケットがないが、それでも入国できるか」と確認をしたら、答えは「OK、ノープロブレム」だったんです。インドネシアからの出国チケットを用意しているので、規則上もOKなはずです。

なのにー、エアニウギニ空港職員のオヤジが「やな奴」でして、結局「パプアニューギニアからの」出国チケットを持っていない理由の一点張りで、通してくれません。しかもこちらの話には聞く耳もたず、です。その後もごたごたしたのだけど、何か、白豪主義ガチガチの石頭には黄色人は何を言っても駄目ですね。お隣のカウンターで働いていた白人おじさん(こちらは優しそう)が助けてくれても結局飛行機に乗れませんでした。

白豪主義っていうのは、南アのアパルトヘイトにも通じる、世界中で知れ渡った悪名高き人種差別です。「豪」の字がつくことから、オーストラリアにおける現象を指すもので、要は「白人は偉い正しい、非白人は劣る奴ら」という偏見100%の思想です。思想だけにとどまらずそんな人種差別を正当化する法制化があったことがナンセンス。お隣ニュージーランドといえば先住民族マオリとの共存を樹立しているのに、同じくアングロサクソン(英国系民族)の移民が国を作ったカナダやアメリカだって多国民の受け入れと国の成立を両立させているのに、オーストラリアにはそういう寛容が根付きませんでした。オーストラリアのジジイ世代は、生まれたときから白豪主義の頭で育ったので、こんな奴が空港カウンターに立つとは実に困ります。白人の客は質問にも答えてもらってスイスイと搭乗手続きをクリアしていくのに、こちらは何かを問えば「電話あっちにあるから誰かに聞けばー」みたいないじめかと思うような対応に合うわけですね。

白豪主義の意識は200年も続く(・・・って白人がアボリジニーの大地に入ってまだ200年じゃないか、てめーらここに進入してからずっとそんなことやってんのかぁっ!と突っ込んでみる)わけで、しかもその意識が緩和されることもなく、20世紀末という割と最近にも「One Nation」(ワンネイション、つまりオーストラリアは白人100%にすべきであるという思想、漫画美味しんぼにも出てたアレです)なんて政党も出ているし、つい5年前もオーストラリアでは白人が集まって非白人を襲撃するなんていう、許せない暴挙が起こっています。「親も親なら子も子」というように、一旦自分に都合よく植えつけられた意識は、次世代にも根付いてしまい、なかなか変わっていかないのでしょう。

こっちは、パプアニューギニアから飛行機で出国するつもりなんて全然ありません。陸路でインドネシアの西パプア州へ移動するんだもんねー。・・・と訴えたくても、パプアニューギニアからの出国チケットがないがため飛行機に搭乗させてもらえないのはもう確定してしまったので、カレン姉さんの家に戻って(空港でお別れした私たちがぽつんと街でカレンを待っていたから彼女もびっくりしました、苦笑)、WEBサイトから、悔しいけれども「使わないチケット」を買いました。



1つだけいいことがありました。トラブルの発端となった、街のエアニウギニオフィスに行ったときのことです。よく知りもしないで私たちに「OK、ノープロブレム」と言った責任を受け止めてか、今日乗れなかったフライトのチケットを、無料で明後日に切り替えてくれました。彼らは白人ではなくパプアニューギニア出身のメラネシア人。ガチガチ石頭じゃなくて、救われました。

旅ではずっと良い事ばかりが続くなんてありえません。いろいろな国を旅するのだから、英語で「culture issue」と言うのですが、要は思想や慣習の違いに出会い、時にそれに苦しむのは当然だよね。何かの悪いことがあっても、次はきっと良いことが起こるから、良いことも悪いことも「旅の経験値を増やしてくれる良い素材」と思って、これからも前向きでいようと思います。

今日一日すごく疲れたけれど、良いお勉強させてもらえました。


写真は、ケアンズ市内で見た、「アボリジニーの夢」という壁の絵です。

オーストラリア

自分たちの土地につい200年前に白い人がやってきて、身勝手な白豪主義の下敷きになって苦しんだことでしょう。今もそう。彼らの夢とは何でしょう。もう一度、自分たちが、自然の中で、笑顔で手と手を取り合って生きていくような、昔の伝承のような世界なのでしょうか。

この絵の意味を察そうとするほど幸せの意味が分かりそうな気がするのは、私だけでしょうか。
本日の旅
行動 :ケアンズ空港へ往復
朝食 :そうめん、骨付き鶏肉の塩焼き、ごはん、豚のしょうが焼き、玉ねぎ炒め/空港
昼食 :酢醤油卵、パン/空港
夕食 :シェパードパイ(牛ひき肉ピーマンエシャロット炒めとマッシュポテトのオーブン焼き)、いちごカスタードクリームのカラメルがけ/カレン姉さんち
宿泊 :カレン姉さんち
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旅情報
1ドル=87.8円

*エアニウギニオフィス
エアニウギニ(ニウギニ航空)オフィスは、ケアンズのワーフ(港)の近く、Lake Street沿いのCairns Corporate Towerの1階にあります。日本領事館と同じビル内です。