:: 旅208日め : 世界旅43ヶ国め : 和人214ヶ国め : あづさ64ヶ国め ::
■アフリカのストーンサークル
セネガルやガンビアの世界遺産の1つに、“セネガンビアの環状列石”という、セネガルとガンビアの国境地帯に点在するストーンサークル群があります。昨日はセネガル側、シンンガイエンSine Ngayène村のストーンサークルを訪問できたので、今日はガンビア側にあるワッスWassuのストーンサークルを目指します。
■シンンガイエン村とのお別れ
遠い異国の旅人である私たちを信じられないほど厚くもてなしてくれたシンンガイエン村の皆と別れるときが来てしまいました。
昨夜大きな丸ごと1個のスイカ(現地ではハルと言います)を老人にもらったので、今朝はそれを和人が切って、集まった子供たち全員とサンバ先生と一緒に食べました。
あづさは、昨夜質素だけどお腹がいっぱいになる食事をくれたママやお世話になったサンバ先生をはじめ、村のみんなに使ってもらえるよう、お薬を置いてきました。肩や腰が痛いときに塗るもの(有名どころではバンテリン(R)のようなもの)なのですけれど、サンバ先生の話では、これは大変に喜ばれるとの話。女性は毎日杵と臼で穀物をつき、子供をおんぶしながらすべての家事をこなすため、腰痛や肩こりが激しいのだそうです。
サンバ先生は8時半から学校でお仕事なので、8時すぎにお別れしました。
「この村には水がない、かつての井戸は枯れてしまった、井戸がほしい、良い水がほしい」というサンバ先生の話には、私たちも心から何かをしなければと思いました。水があってこその、生命なのだから。日本には途上国に井戸を提供するといった援助システムがあったと記憶しています。私たちが帰国してから何かをしようとしても、それはどれだけ先になるか分からないし、今ネットやメールを活用して何かをしようにも、私たちには回線に自由にアクセスできる環境がない・・・。
もしこれを読んでくれた誰かで、井戸を作る援助団体に「セネガル中南部、シンンガイエン村」を伝えてくださる方がいたら、是非お願いします。サンバ先生も私たちもメールアドレスを持っていますし、何よりシンンガイエン村は世界遺産のストーンサークルを管理する、人類の宝を守る大事な村なのです。その村を、微力ながら守っていきたいのです。
■ガンビアへ移動
セネガル中南部には、大河の川沿いの部分だけガンビアという別の国が入り込んでいます。私たちは、徒歩、乗り合いの車、馬車と乗り継いでセネガル側の国境の町クールアイーブKeur Ayibに行き、そこから歩いて国境を越えました。ガンビアの国境から1kmほど離れたところにはフェラフェニFerafenniという町があります。そこで入国手続きを済ませて昼食を摂ったら、内陸(ガンビア東部)へ向けて乗り合いバスで移動。そして世界遺産のストーンサークルがあるワッスの村には夕方到着できました。
ワッスのストーンサークルは管理状態が良く、昨日のシンンガイエン村の、草が生え放題のストーンサークルとは一転した印象でした。いずれにしても巨石文化が大好きなので、ストーンサークルとの出会いは嬉しいものです。
ストーンサークル管理事務所の前で、ワッスの村には安価で泊まれるゲストハウスがあると教えてもらえ、今日の宿泊はそこに決定です。おそらくはウォロフ族かマンディンカ族の伝統家屋で、ここに泊まれるだなんて、大感激!
おばさんに用意してもらった20Lほどの水でシャワーと洗濯をし、風が吹くと木々が精霊のようにざわめく、そんな西アフリカらしい体験のできる夜。
そうそう、夜中に物音が気になって、ついでにトイレに外に出たあづさは、おばさんが家屋の周りを徘徊しては大きな枝を十字に重ねて奇妙な動きをする・・・という光景を見てしまいました。理解の範囲を超えた行為には、汚してはならない立ち入ってはならない神聖さがありました。「そうだ、ここは西アフリカなんだ。」そう思うと、見ることができたその行為には、強いアニミズム -精霊信仰- を感じます。
そういえば日本にも、外人が見たら奇妙な風習はいっぱいありますよね・・・玄関に塩を撒いたり、お稲荷さんの存在だったり(これも日本のアニミズムの代表的な1つです)、お盆の灯籠流(精霊流)といったように。
このことを2人で話したこの日の夜、「もしかしたら、精霊信仰が一番残っているのは、西アフリカかもしれないよ」と会話にあがりました。
今までだったら本を読むだけで得てきたアフリカの信仰の世界。もしかしたらその世界に実際に立ち会えたのかも・・・と思うと、改めて畏怖の念に打たれたのでした。
本日の旅
行動 :シンンガイエンからクールアイーブへ移動、ガンビア入国、フェラフェニからワッスへ移動、ワッス観光
朝食 :マヨネーズサンド、豆煮込みシチューサンド、カフェトゥーバ(セネガルで有名な飲料で、生姜汁と砂糖が入った濃いコーヒー、今日はミルク入り)/ンガイエン村の路上ごはん屋
昼食 :ドモダー(白いごはんに肉玉ねぎトマトのピーナッツソース煮込みをかけたもの)、ベネチン(赤いトマト炊き込みライスに揚げ魚と野菜(カボチャナスキャベツローレル)の赤い煮込みをかけて食べる/フェラフェニの路上ごはん屋
夕食 :ニャンカタン(白いごはん)にチュー(ビーフシチューのようなシチューに塩干しした素揚げ魚と玉ねぎを入れたソース)をかけて食べる/ワッスの路上ごはん屋
宿泊 :ワッス村の伝統造りのゲストハウス
旅情報
1セーファーフラン=0.25円
1ガンビアダラシ=5.5円
*セネガル-ガンビア間国境で取るガンビアビザ
私たちはセネガルのカオラクと、ガンビアのフェラフェニの間にある国境を越えるルートを選択した。
・国境のセネガル側ではスタンプポンで簡単に出国手続き終了。
・国境のガンビア側では、トランジットならスタンプポン+1000セーファーフランで簡単手続き終了。
→ここでガンビアビザを取得するには、スタンプポン+スタンプ傍らにSTRと書いてもらい、1km先にあるファラフェニの町のイミグレーションオフィスでビザをもらう。21日間シングルビザで、350ダラシor15000セーファーフラン、つまりダラシ払いが遥かに得である。30日ビザでも同額。ダカールのガンビア大使館で取ると7000円相当という高額情報あり。おそらく大使館で申請すると写真などが必要となるが、国境でのビザ取得では写真もパスポートコピーも提出不要。
私たちはダラシ払いにするため、パスポートと申請用紙を提出したあと町で両替をしてから受け取りに行った。後払いで問題なくビザ取得完了。
*世界遺産ストーンサークル(ガンビア側、ワッス)への行き方
ガンビアの首都バンジュールのガンビア河の対岸バッラからワッス村まで、乗り合いタクシーで4時間、200ダラシ。中型バスなら140ダラシ。村からストーンサークルまで10分ほど歩く。入場料50ダラシ(ガンビア人15ダラシ、子供5ダラシ、いずれも博物館への入場料を含む)。朝7時~夜7時、毎日オープン。
私たちはバッラ-ワッス間の途中にあるフェラフェニの町から入国したので、フェラフェニから乗り合いバスでワッスへ行った。所要3時間、65ダラシ。