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■ハバナへ戻ってきました
明日はメキシコのカンクンCancunへ移動します。だから今日のうちにキューバの首都ハバナ(英:Havana、スペイン語:Habana)に戻ってくる必要がありました。でも今回は宿を決めずにハバナへ到着したので、まずやることは宿探しです。
実は、以前泊まったパトリシオおじさんちの近くのバス停で、優しそうなおばさんと知り合いました。バスに乗るのに小銭が欲しくて、小銭への両替を相談したおばさんです。イザベルおばさんは「カサ」(ライセンス制の民宿)を営業していて、「良かったらおいでね」と言い、名刺をくれていたのでした。
さて、朝トリニダーTrinidadを出てハバナに到着。ハバナは広い。再びバスを乗り継いで、ようやくイザベルおばさんち(革命博物館近くの、街の中心部にあります)に着きました。おばさんは私たちの訪問を歓迎してくれたものの、生憎今週からライセンスを切らしたばかりとのことで、泊まることはできませんでした。カサ運営者から国へのライセンス料の支払いは月極なので、こうしてオフシーズン中は運営を休止するカサも多い、ということなのでしょう。
イザベルおばさんとその旦那さんは私たちを友人のカサに紹介してくれ、「夜はうちにごはんを食べにおいでね」と、折角足を運んだ私たちを、ねぎらいを込めて誘ってくれました。
昼間は街歩きもしましたが、何といっても今日の楽しみは、おばさんのキューバ手料理! 特に感動したのは(美味しいという意味ではなく出会いという意味で)、「フリホーレスネグロス(Frijoles Negros)」、日本語直訳で「黒い豆」という意味をもつ、黒い豆の水煮です。いつだったか、キューバの料理としてこの黒い豆の水煮が頭にインプットされていて、やっとやっと、家庭の食卓でこれに出会うことができたのです。
イザベルおばさんのごはんは、レストランやパラダレス(食堂)とは違って、味付けに凝らない美味しさがありました。キューバ最終日に良い思い出ができたのは嬉しいのですが、もっともっとおじさんおばさんとお話をしていたかったなあと、ここに泊まれなかった悔いも残ってしまいました。複雑な想いです・・・。
これで、キューバの日記も最後です。
最後に、ハバナで見た「白い人」のことを書いて終わりにしましょう。
キューバに来てから、「全身白尽くめ」の人たちを何人も見かけてきました。上着もズボンまたはスカートも、くつもくつしたも傘も帽子も白なのです。女性ばかりではなく、男性もいました。涼しげとかいった理由を通り越して、何かにストイックになっていないと、ここまで白尽くめの格好などできるものではありません。
今日、イザベルおばさんちで、このことについて質問することができ、やっとそれが、「混合宗教サンテリア」に由来するものだと理解することができました。
キューバは従来より砂糖産業が主産業の1つでした。19世紀、西アフリカのベナンから数千人規模のヨルバ人(現在のナイジェリア人に相当)が労働者としてキューバへ輸送されました。キューバに来た彼らは、アフリカに由来する宗教とカトリックを融合し、キューバで独自の宗教「サンテリア」(スペイン語で「聖者の道」という意味)を生み出したのです。
私たちは、ベナンで、「奴隷の道」 -おそらくはそのヨルバ人たちが手をくくりつけられながら積み込まれる船へ向けて歩いた道- を、実際に歩いています(≫
こちら)。
奴隷の積み出し地と、到着地の両方に実際に立ち、同じ民族のことを偲ぶ。
こんなこと、この旅でも初めての体験です。
地理的に離れたアフリカとカリブ海でも、歴史と人は、つながっている。
いわば、私たちの旅も、つながっているのです。
本日の旅
行動 :トリニダーからハバナへ移動、ハバナ観光
朝食 :マンゴー/バス休憩所
昼食 :Arroz Congris(アロースコングリス、黒豆ごはん)、Ensalada(エンサラダ、アボカド)、Vianda(ビアンダ、マッシュポテト)、Pollo(ポヨ、チキンのトマト煮)/ハバナの路上ごはん屋
夕食 :Frijoles Negros(フリホレスネグロス、黒豆スープ)、arroz blanco(アロースブランコ、白いごはん)、Ensalada(エンサラダ、Aguacate(アグアカテ、アボカド)、Habichuela(アビチュエラ、いんげん)、Quimbombo(キンボンボ、オクラ))、Pollo Asado(ポヨアサード、鶏の素揚げ)、Platando vianda heriodo(プラタンドビアンダエリオド、ゆで黄バナナ)、Cucurucho de Coco(ククルチョデココ、ココナッツの実と砂糖を混ぜたもの)/イザベルおばさんち
宿泊 :ホルヘの家
旅情報
1兌換ペソ(CUC)=116円
1人民ペソ(MN)=5円
*ハバナの市内バス
市バス料金は1人0.4ペソ(2円)。1ペソ(5円)で支払うとおつりが来ないが、20センターボ(0.2ペソ)コインを収集するのも大変なので、私たちは2人で0.8ペソ(4円)のところを、20センターボコイン4枚か、1ペソ札/コイン(おつりなし覚悟)で支払っていた。