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■グラツァニッツァで見たもの
今日は、首都プリシュティナPristhinaから日帰りで観光できるところに行ってみようと思います。で、世界遺産に登録されているという、「グラツァニッツァGracanica修道院」を目指しました。
バスに乗って、途中下車する形で、バッチリ修道院の真ん前で下車できました(^_^)V
修道院はこじんまりしていて内部壁画も素敵で良かったです。昨日の日記の(1)で、コソボの歴史に関し「12世紀末にセルビア人がセルビア王国を建国した」ことを書きましたよね。このグラツァニッツァ修道院は、ここがセルビア人の国だった14世紀、セルビア王からの献納物として建てられたものだそうです。
でも何せこじんまりしていて、内部写真撮影も禁止だし、印象は、“その後の衝撃”に、負けちゃいます。
何があったかというと・・・。
バスで来た道を戻ってみる。おばちゃんたちの路上市場の脇を通ってみる。
おばさんたち、お客さんとお金勘定・・・「ごにょごにょ」「ごにょごにょ」
そのうち聞こえてきた・・・「スト」・・・という、言葉のかけらが。
ハッ( ̄□ ̄;;;; ストとな!?
アルバニア語で100 : njeqind「ニチン」
セルビア&クロアチア語で100 : sto「スト」
驚きましたねー、驚いた! コソボはアルバニア人多数の国なのに、ここグラツァニッツァはセルビア人の町ということ!? そしてそれを裏付ける事実もいくつか見られましたよ。商店に入ってみると使われているのはセルビアディナールだし(コソボの公用通貨はユーロです)、決定的なのは、白青赤の3色に2つ首の鷲の絵がある旗と、その隣の正教の礼拝所。アルバニア国旗は赤と黒ですから、ここはアルバニア人の町ではないことが分かるのです。
(※その旗がセルビア国旗であることは、後日確認しました)
アルバニア人国家の中にも少数派のセルビア人がいて、彼らは活気あるコミュニティーを作っていた。
もちろん、それは、軍事的な衝突の誘引となっていることは間違いないのだけれど・・・。
これは、今を歩むコソボの、まだまだ政情不安定な、現実的なコソボの姿なんですよね。
ちなみに、昨日の日記にも書きましたが「コソボに行ったらセルビアディナールは使えなくなるから」と、私たちは残金が限りなくゼロになるように最後の買い物を済ませました。これで安心! と思っていたら、今日はディナールの世界に入っていたので、昼食を食べるお金さえありませんでしたの(涙) ユーロ払いもできますが悪レートなので・・・。
■プリシュティナで見たもの
すんません、最後、食べ物の話ばかりです。
プリシュティナに帰って昼食を食べました。その後あづさが街を歩いていて気づいたことがあります。「キョフタQofte」を売る店と「チェバプチチCevapcici」を売る店があって、その土地の食マニア(?)としてはその名前の違いを突き止めたく、何軒かお店リサーチを試みました。結果はひょっとして異曲同工? 売られているものが、同じものだと気づきました。
プリシュティナの中では、その同じものを、キョフタとして売る地区と、チェバプチチとして売る地区と、なんとなくテリトリーがある気がしました。
そしてそして、4月25日にアルバニアでキョフタを食べていたこと、一昨日セルビアでチェバプチチを食べていたことを思い出しました。単純な脳みそだって分かる。キョフタ-アルバニアと、チェバプチチ-セルビアの対応だな、と。
やっと気づきました。実感しました。
プリシュティナの中にも、アルバニア人地区や、セルビア人地区があるのではないでしょうか!? そしてレストランのメニューを見るだけでそれがどこだか分かってしまうのですね!?
些細なことですけど(・・・てか完全食べ物ネタだし・・・)、民族問題に敏感になっている故、コソボ首都での民族混住の“実感”は、我ながらの感嘆符。こういう混住は、テロ事件なり不穏な事象を引き起こす材料になってしまうのは事実であり、でも人々はそれぞれがここで生活して生きている、難しいですよね。難しいから、コソボでは、セルビア人によるアルバニア人攻撃も、アルバニア人によるセルビア人迫害も起こってきたわけで・・・。
ちなみに、首都プリシュティナでさえ、夜は停電の連続です。
民族問題解決も、インフラ整備も、EU加盟への道も、この国は、様々な点で「これから」なのです。
これからもコソボ情勢には、気を払っていきたいなと思います。
本日の旅
行動 :グラツァニッツァ日帰り観光
朝食 :パン、ジャム、目玉焼き、プリッツ、Ajbar(アイバル、赤ピーマンのピューレ)、紅茶/ルカ兄さんち
昼食 :Fli(フリ、薄いパンケーキをバターで作りチーズをはさんで何層にも重ねて焼いたパイ)、Xhyveq(ジュバチ、鶏肉トマトリゾット)、白ピーマンの素揚げ/プリシュティナの食堂
夕食 :/ルカ兄さんち
宿泊 :ルカ兄さんち