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■コンゴ民主の旅のはじまり
朝起きると、湖の上にいました。ああそうだ、昨日は船の甲板の上で、月を見ながら寝てしまったんだっけ。
湖上には無数の丸木舟があります。もうここはコンゴ民主(旧ザイール)で、地元の人が魚を獲っていました。その人数は、無数でした。
朝も早い時間に私たちを乗せた貨物船は、コンゴ民主のカルンドゥKalunduに到着しました。港の桟橋の上は、たくさんのポリスに加えて大勢の人がいて、私たちを見ては「シノワー」「チャイニーズ」「ニーハオ」などと、冷やかしの言葉をかけてきます。このことは私たちはあまり好きではないのですが、アフリカ中に中国人が進出しているのですから、私たちのような肌と髪をもつ人を見てそう言う彼らは、もう仕方ないのです(でもその都度、ジャポネなのよ、ジャパンよと訂正も入れていますけど)。
船から見えるのは、緑の丘、緑の木々、・・・緑のコンゴ。
・・・陸路で移動すれば隣国からの変化が少しずつ見えるのかもしれませんが、何せ、船で一気に、突然、この「緑の魔境」に来てしまった。
上陸待ちの間も、これからどんな魔の旅が訪れるのだろうと、あづさは大変に緊張していました。
緊張していた理由は、私たちが旅する地域は、全土、外務省の退避勧告地域(最強危険度レベルの赤塗り)だからです。
しばらく待ったのち、上陸が許可されました。入国のためのイミグレーションへ行きますが、掘っ立て小屋での荷物検査はかなりつぶさな検査で、荷物の中をすべて開けさせられ、小分けの袋なども逐一開けさせられます。入国スタンプは難なくもらえたのに、別箇所では「ワクチン不十分だ」と執拗に賄賂を要求もされました。一応言っておきますと、私たちは黄熱ワクチンを接種しているので、国際的なルールはちゃんと守っています。さらにコートジボワール出国時に髄膜炎予防接種を強要され(これも金稼ぎの一端です、本来不必要です)、そして今は、「コレラワクチンがないじゃないか」といちゃもんをつけられたわけです。そんな必要、ないのに。
なんとか粘って抜け出すことができました。「お金持ってない」を連発したあとだっただけに、そこからバイクタクシーに乗ることをせず、5kmは離れたウビラUviraの町まで歩くことにしました。バイクタクシーだと300フラン(60円)なのですが、「お金ないから乗れないのよ」と断り続けていたら、最後はバイタク運ちゃんから「100フラン(20円)でいいから乗ってよ」って言われちゃった(^^;; でも、歩いたほうが、お腹が減ったら食堂に入れますし、よい風景が見えたら立ち止まれますし、それでよいのです。
なんだかコンゴに来ると、暑い、暑い。歩いていてあごからタラタラと汗が落ちるのは、ガボン以来? サントメ以来? ともあれ久しぶりの感覚。
コンゴ東部はスワヒリ語が一般的なようですが、公用語はフランス語だし、コンゴ西部のリンガラ語も、それから英語も入り混じっていて、人々の会話では4つの言語を聞くことができました。
ウビラの町にはお昼前に到着しました。5km歩いても、それでもわくわくと緊張が織り混ざるコンゴですから、疲労感はあまりありません。むしろ、この国をしっかり見ようとまだまだ元気と意欲があります。昼からは、タンガニーカ湖畔に出て、湖の浜辺近くのマーケットを歩いたり、民家街から市街など、いろいろとこの町を歩きました。写真は浜辺のマーケットです。
まだまだ -当然ですが- この国のことは分かりません。写真を撮ってトラブルはないかどうか、ポリスは友好的か金クレ星人か、反政府勢力による戦闘はひょっとしたら起こりうるのかどうか、・・・そして人々は私たちを受け入れてくれるのかどうか。
だから、まだコンゴ初日では、緊張もいっぱいです。
本日の旅
行動 :タンガニーカ湖からカルンドゥ上陸、コンゴ民主入国、カルンドゥからウビラへ移動、ウビラ観光
朝食 :ガトー(カップケーキ)、イワシのトマト煮缶/貨物船の甲板の上
昼食 :Maragi(マラギ、玉ねぎと油の加わった煮豆)、Wali(ワリ、白いごはん)/ウビラ近郊の食堂、シクワング(マニオク粉をもち状にして葉でくるんで蒸したもの)、ビアンド(ヤギ肉の炭火焼き、スライスオニオン添え)、アボカドとオニオンのマヨサラダ、ビール/ウビラのバー
夕食 :バナナ、パン、アボカド/宿
宿泊 :オテルムナニラHotel Munanira
旅情報
1コンゴフラン=0.2円
1USドル=111円
*タンザニアからコンゴ民主への移動
タンザニアとコンゴ民主は陸で接していないので、直接移動する場合はタンガニーカ湖を渡ることになる。現在運行を確認したのは、コンゴ民主のウビラまたはカリミエ行き貨物船(不定期)。私たちはウビラ行き貨物船に乗り、夕方発翌朝着の移動となった(所要約15時間)。片道1人20USドル。貨物船にはトイレもあり快適だったが、食糧は事前に買って持ち込むしかない。