2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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コンゴ民主>2008年07月25日(Fri)
前日ゴマ
翌日★ブテンボ→ベニ
★ゴマ→ブテンボ
:: 旅442日め : 世界旅69ヶ国め : 和人214ヶ国め : あづさ90ヶ国め ::

■ベニへ行く決断
決断にある背景は、以下の通りです。
1)外務省海外安全性情報で退避勧告地域にいる
2)事前情報収集で、安全を確認できたのはゴマGomaまでの渡航
3)ゴマから北はレベル地域(反政府軍地域)であり、事前情報では渡航は無理と思わざるを得ないものであった
4)ゴマで情報収集をしたら北部ベニBeni行き移動手段もあり、安全に移動できるらしい話が入ってきた

私たちは、これでも相当の“びびりんぼ”なので、安全危険の情報は人一倍集めているほうだと思います。で、今回は、GOです。地元ゴマの人、ベニからゴマに来ていた人、バス会社、ポリス、UN(国連)の人、誰に聞いても、不穏な情報は入ってこなかったからです。

どうしてそこまでして、ベニを目指すのかも、書いておいたほうがよいでしょうか。

和人は和人なりに考えていることもあるでしょうけれど、とりあえずあづさの気持ちのみ書いてみます。理由の一つはコンゴ民主からウガンダへ抜けたかったこと。もしここゴマでコンゴの道を諦めてルワンダに抜けた場合、北にウガンダ南にブルンジと残し、両方行こうと思うとルートがちょっとややこしくなります。ウガンダへ抜けてから、ルワンダ、ブルンジと南下して、ビクトリアフォールズ方面への南下を続けるほうが、よいルートだと思うのです。

もう一つの理由は、コンゴらしさ、ザイールらしさを、もっと見たいこと。今まで滞在したコンゴの町は、国際港カルンドゥKalundu、ブルンジ国境のウビラUvira、ルワンダ国境のブカブBukavu、ルワンダ国境のゴマ。そう、すべて、他国の文化が混ざってしまう“国境の町”だったのです。より純粋なコンゴらしさを見たいなら、少しでも国境から離れた町に入りたいと、せめて国境から数十キロ離れたベニの町には訪問をしておきたかったのです。

三つめの理由は、イトゥリの森への憧れ。もともとこの旅に出る前に、コンゴを訪問するならば、西の首都キンシャサKinshasa側ではなく、東の地域と思っていました。コンゴ北東部に広がるイトゥリの森には、血の薄れていないピグミーが居住しており、彼らに、是非会いたいと、夢見ていました。出発前から和人と国立民俗学博物館の図書館(≫旅までプチ日誌)へ行き、ピグミー論文を見るなどし、今でもおそらくベニ周辺に真正ピグミーがいるだろうと、そこまで情報を得ていたのです。そして、目指したいベニの町は、イトゥリの森にとても近い。

この素晴らしい本の影響も、イトゥリの森への憧れがやまない理由の1つです。

循環と共存の森から―狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵循環と共存の森から―狩猟採集民ムブティ・ピグミーの知恵"

船尾 修
発行元:新評論 / 定価:¥ 2,415 / 発行日:2006-10
(≫旅までプチ日誌

表紙の画像が、殊に素敵です。

長くなってしまいました。ともあれ、緊張はしますが、ベニ行きを決断しました。

■ベニ行きバスに乗って
ベニまでは2日がかりになるので、今日はまずブテンボButembo行きのバスに乗ります。ターミナルには朝6時に来るように言われていたので、4時台には起床しました。道はぬかるんでいましたが、まずはバイクタクシーに乗ってターミナルへ行きました。大型バスは客が集まっていなかったので、すぐ出発しそうなミニバス(乗合バス)に乗りました。

昨日のポリスの話は本当で、道には護衛ポリスが配置されていました。安心できそうです。

バスは世界遺産にも登録されているビルンガ国立公園の中を走ります。緊張すべき危険地帯の移動なはずなのに、かわゆい動物や鳥さんを見てしまうと、心が和んでしまっていけませんね(^^;;

ビルンガ国立公園

ブテンボに近づくと、伝統的な山間部の集落群に目を奪われました。バスはよく故障していましたが、スタッフも乗客も仲良くしてくれたので、故障も苦になりませんでした。

■ベニへ行くおばさん
何回目かの故障のときだったと思います。車から出て外をぷらぷらと歩いているとき、あづさは乗客のおばさんとおしゃべりしていました。おばさんはベニに行くのだそうです。私たちもベニに行きたいと言ったら、嬉しそうに「アンサンブル(じゃあ一緒に!)」と言ってくれました。

ブテンボに着いたら、おばさんを迎えに来たのでしょう、男性の車が下車地点で待っていました。おばさんと私たちはその車に乗り、おばさんオススメの安くて良い宿へと行きました。

おじさんおばさんは私たちを夕食に誘ってくれました。話しを聞くと、ルイおじさんはベルナデットおばさんの弟で、ブテンボ在住なのだそうです。ベルナデットおばさんは明日ベニまで移動しますが、普段はウガンダとの国境カシンディに勤務していると、教わりました。そして驚いたのは、2人とも、国の役人さん。

おばさんと一緒に行動すれば、私たち単独よりは安全にベニまで移動できますよね。私たちは、幸運にも“地元の人”かつ“国の役人”という強力な味方を得たわけです。

昨日ベニに行くかどうかであれだけ緊張していたのが、嘘のよう。今は緊張感に、幾分の安心感も混ざってきています。
本日の旅
行動 :ゴマからブテンボへ移動
朝食 :ファンタオレンジ、フライドポテトとスライスオニオン/路上
昼食 :アナナス(カットパイナップル)/バス車中
夕食 :サマキ(大きな焼き魚)、クク(鶏のあぶり焼き)、キャベツにんじんオニオンのマヨサラダ、チップス(フライドポテト)、ビール/宿のバーレストラン
宿泊 :オテルセムリキHotel Semuliki

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旅情報
1コンゴフラン=0.2円
1USドル=111円

*ゴマからブテンボへの移動
ゴマからベニへは2日がかりの移動となるため、いったんブテンボまで行き、ベニ行きの車に乗り換えなければならない。宿からブテンボ方面ミニバス乗り場までは、私たちはバイクタクシーで行った。大型バスもあったが、満席になるのに時間がかかるのは明白だったため、ミニバスで行った。所要14時間。料金は大型バスもミニバスも20USドル。ミニバスは早朝に出るので、出発時刻はきちんと確認しておこう。
前日ゴマ
翌日★ブテンボ→ベニ