:: 旅1124日め : 世界旅189ヶ国め : 和人239ヶ国め : あづさ201ヶ国め ::
■サモア人の暮らしに入る
今滞在しているサバイイSavai'i島は、首都のあるウポル'Upolu島から見れば離島ですが、実は主島よりも大きな面積をもつ島です。そのサバイイ島の島一周を目指して、今日は、来た方向とは逆方向へ行くバスに乗りました。
港があるサレロロガSalelologaをは島の東南方向にあり、そのあたりは交通の便も良いのですが、今から向かう島の北西部や北部は道はあってもバスが走らない場所があり、辺鄙で不便な場所と聞いています。
ちなみに、まだまだ伝統様式を多く残すサバイイは、ウポル島と違ってバスからの眺めも楽しいです。緑も豊かで、サバイイにいるほうがより「常夏の南の島」を感じられるのです。サモアのバスは、トラックを改造したかのようなユニークなもので、「ユニークな乗り物に乗っているわくわく感」から長時間移動も疲れません。
さて、私たちが乗ったバスの運行はアサウAsauでおしまいです。サトゥイアトゥアSatuiatuaから1時間ちょっとのバス旅でした。かつての噴火で形成された真っ黒な溶岩台地が目立ち、今まで見たサモアの風景と違って見えます。さてここから先はバスがない区間なので、歩きましょう。サモアでは是非ローカルなところでお散歩したいと思っていたので、バスも走らないようなド田舎(といっても過言ではないでしょう)の散策は、どんな出会いがあるかとわくわくします。
右に緑、左に緑、ぽつんぽつんと民家。そんな道を進んでいくと、風景があまり変わらなくなり民家も途切れる感じがし始めます。車が後方からやってきたので、ヒッチハイクをお願いしました。おじさんの車の中からは右に左に「タロイモの葉」が見え、「タロイモはあるのにマニオケはないのね」とついつぶやくあづさ。マニオケとはトンガ語でキャッサバ芋のことで、お隣トンガでは最も安い(=庶民の味方の)芋類つまり主要な主食の1つであっただけに、何故サモアでは今まで1度も見かけられないのかが不思議だったのです。
そうしたら運転手のおじさん、「マニオッタはサモア人も食べるよ、うちにごはんを食べにおいで」と言ってくれるのです! 続いて「うちでごはんを食べたらうちに泊まっていったらいいよ」とまで!
実は、トンガのJuncoさんを介して、ここサモアのサバイイ島でボランティア活動をしている木村さん(男性の方です)と知り合いになっていて(和人は数日前に会っている)、今日は木村さんのお宅まで移動をする予定でいました。でもサモア人の暮らしに入っていけたら、絶対良い体験ができるだろうなと思い、また、おじさんの好意を断っては申し訳ないので、お誘いの言葉に甘えておじさんの自宅へ行きました。雨が降ってきて、余計に動きにくくなったという理由も少しあります。
おじさんの名前は、タリア。10人くらいの家族で大きな家に住んでいます。家は壁もある普通の古い家ですが、雨水をためる大きなタンクが庭にあり、屋外キッチンは地面の上で直接火を起こしココナッツの鞘を燃料にするものです。早速庭の一角からマニオッタ(キャッサバ芋のサモア語)を掘ってくれ、ココナッツを割って殻の内壁に張り付いている白い部分を掻き取り、ココナッツの鞘で絞ってココナッツクリームを得ています。子供たちは薪をくべたり、バケツに雨水を運んだりしています。
驚いたのは、家族には女性も数名いるのに、調理をするのはすべてタリアおじさんなのです。サモアでは料理は男性の仕事なのでしょうか。
出来上がった昼食はごちそうです! タムウという巨大な里芋(本当に巨大~!)に先述のマニオッタ(キャッサバ芋)。これは絞りたてのココナッツクリームで煮絡めてあります。鍋に残るクリームは「ペエペエ」と呼ばれるつけ汁になって登場。更に、サモア人が良く食べる豚肉(ゆで豚)に、ごちそうである缶詰2種。そして何べんもお替わりが注がれるココサモア(自家ローストのココアドリンク)です。
サモア人の風習だと思うのですが、来客と家族は基本的に一緒に食事をしないのかもしれません。私たちは居間にゴザを敷き、そこに運ばれた食事をいただきました。でも敢えて「普段の食卓」の写真を撮ったのがこれです。
家族の団欒、みんな幸せそうです。
子供やおばあちゃんは英語があまり話せませんが、成人は英語が話せます。様々な会話に、サモア式の入れ墨のお披露目、またまた美味しい夕食をごちそうになったりしながら楽しい時間を過ごし、夜9時ごろ就寝しました。
本日の旅
行動 :サトゥイアトゥアからアオポへ移動、民家宿泊体験
朝食 :シリアル2種、コーヒー、カフェオレ、トースト、目玉焼き、きゅうりトマトのサラダ、パパイア、Koko Araisa(ココアライサ、カカオ砂糖入りおかゆ)/宿
昼食 :タムウ(ゆで巨大タロイモ)、マニオッタ(ゆでキャッサバ)、ペエペイ(ゆで汁ココナッツの漬け汁)、エレン(イワシトマト缶)、ピスポ(コンビーフ缶)、プアア(ゆで豚)、ココサモア(自家ローストのココアドリンク)/タリアおじさんの家
夕食 :タムウ、マニオッタ、プアア/タリアおじさんの家
宿泊 :
旅情報
1タラ=38.3円
*サモアのバス料金
サモアのバス料金には政府公定価格があり、小数点以下の端数が出ることがある。でも例えば3タラ10セネ(3.1タラ)という公定料金の場合でも、実質の支払いは3タラでOKです。運転手に直接支払うので小銭を作っておきましょう。