2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ジブチ>2009年01月08日(Thu)
★ジブチシティー→おんぼろ木造船
:: 旅609日め : 世界旅88ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ108ヶ国め ::

■船探し
みずほちゃんは今日は午前中の出勤です。私たちは午前中の間、部屋で休ませてもらえることになりました。本当に助かります、ありがとう。

和人が港へ行き、イエメン行きの船があるかどうかを確認しに行ってくれました。そうしたら、何と船は今日の夕方出航するのだそうです。・・・あまりにナイスタイミングです。ジブチからイエメンへ行く船は数日待ち当たり前と聞いていたし、その覚悟も持ってはいただけに、このナイスタイミングには躊躇を覚えるほどでした。

本当はもう少しみずほちゃんたちと交流していたかったから。

昼食は、昨日オススメしてもらっていた“仔ヤギ料理”を食べに、みずほちゃん、さっちゃんと4人で食堂に入りました。柔らかい赤ちゃんヤギの肉料理がとっても美味しかった~。また日本に帰ったら会いましょうと前向きにお話ししたけれど、やっぱりお別れは寂しかったです。

■アフリカとの別れ
船に乗る日ですから、午後には早速港に行きました。
港には午後3時に来るように言われていましたが、スウェーデン人旅行者と共に港で待ちぼうけ。実際に乗船できたのは午後5時前でした。

船はおんぼろ木造船。隣には千トンはありそうな大きな貨物船もあるけれど、私たちの船は小さな小さなおんぼろ木造船です。

板張りのデッキに座った。シーツを敷いて、救命胴衣を枕にしてと、そんなことをしているうちに、空が青とオレンジになってきた。

陽が落ちて空が暗くなり、港の灯火がオレンジ色に発光すると、空はサファイアの青のように見えるのです。

「・・・」

陽が落ちかけた港は、船灯や外灯のオレンジ色でいっぱいでした。
きらめくオレンジ色のまぶしさの中で、私たち2人は、それぞれに考えること想うことがあり、つい無言になるばかり。



世界旅150日めにアフリカに入り、609日目に、アフリカとの別れ。

だって突然のお別れだったんだもの。

エリトリアとの戦争の影響で国境封鎖・・・、やむなく、やむなく。



アフリカ54ヶ国を過ごした460日間、1年4ヶ月。
「寂しいね」「寂しいね」っていう言葉で精一杯。



イエメンへ向かうオンボロ木造船の上で、460日間の思い出を語っていきました。
セウタのこと、モロッコのこと、メリリャのこと・・・、
中央アフリカのこと、赤道ギニアのこと、アンゴラのこと・・・、
ヒンバ族のヘレナちゃんは元気かな、ピグミーにも会えたね、コンゴのおばさん元気かな・・・、

1つずつ国を進めては、思い出を語っていく・・・。


アフリカとの別れは寂しい。
けれども私たちは、素晴らしいアフリカに感謝しなければならない。

美しいオレンジ色に包まれて涙が出てしまうけれど、
泣かないようにと頑張っていました。



船は午後6時半にジブチの陸から離れました。
陸から船が離れるのを凝視し続ける、それしかできない。
でもそうしていると「もう戻れない」って後ろ髪を引かれる想いが吹き出してきた。


頭の中には、世界地図。

「ジブチとイエメンは、なんて近いんだろう!
 アフリカ大陸だけをつないで世界旅行をせずともいい。
 1つの大陸に固執せず、自由な気持ちで旅の道をつないでいけばいいんだ。」

・・・って世界地図を想像していたら心が軽くなっていく。
今いる状況に自分自身が納得したいと、自己防衛的に脳が働いているのかもしれないけどね。
いいの。しあわせはどこにでも転がっているのです。

“イブンバットゥータ”、あの偉人だって、大陸の名前になんて、きっとこだわってない。
そのココロを持ったほうが、より大きな本物の旅ができるんじゃないかなとも思えるのです。
(※14世紀、アフリカ、中東、中国などの世界を渡った、偉大なる旅行者)


私たちにはエジプトもリビアもアルジェリアも残っている。
だから、アフリカには戻ってくる。戻ってきたい。

それまでの間に新しい世界を見に行ける、今乗った船は旅にプラスを与えてくれる魔法の絨毯。


気持ちが前向きに切り替わっていった。
私たちの旅は中東へ、アラビアンナイトの美しい世界へと向かうのだから、
「これからも頑張ろう」っていう気持ちが増えてきました。





アフリカの最後の光。
船の上から、ずっとずぅーっと、2人で見続けていた。

アフリカとの別れ

アフリカ54ヶ国を過ごした460日間、

1年4ヶ月のアフリカの旅の終わりです。

本日の旅
行動 :日本人の方と食事会、ジブチからイエメンに行く船に乗船
朝食 :ビリヤニ、チキンのパキスタンカレー/みずほちゃんち
昼食 :カブリ(仔ヤギの塊肉)、バリース(スパイスほんのり炊き込みごはん)、マラック(肉のゆで汁スープ)/ジブチシティーの食堂
夕食 :豆シチューをはさんだバゲットパン、シャイ(甘い紅茶)/おんぼろ木造船の上
宿泊 :おんぼろ木造船

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旅情報
1フラン=0.55円

*ジブチシティーからイエメンへ渡る船
ジブチシティーの港まではミニバスで行ける。港の意味のフランス語である「ポー」もしくは「ポール」と行き先を告げよう。港の中にチケットを売るオフィスがあるが、船が到着しないとオフィスは開かない。5日、10日といった船待ちはざらにあるようなので、毎日通って船が来ているかどうかを確認しなければならない。なお金曜日は船は出航せず、到着地の金曜日も上陸しない。1人7000ジブチフラン。所要時間は通常1日とのことだが、私たちの場合は木曜出航だっため、金曜日はイエメンのアデン近海で待機し、土曜日に上陸、すなわち2日かかった。探せばイエメンのモカへ向かう船もあると思う。船はおんぼろ木造船(貨物船)なので客室はない。食事つき。