2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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赤道ギニア>2008年04月06日(Sun)
アニゾー→バタ
:: 旅332日め : 世界旅60ヶ国め : 和人214ヶ国め : あづさ81ヶ国め ::

■中心都市バタへ向かう
朝、アニゾーAnisocの町を歩きました。市場へ行って食べ物を買い、市場に面したベンチで、行き交う人々を見ながら朝食を摂りました。人々を観察していると、ピグミー族の人も多く見かけました。大人の男性でも身長150cmくらいです。

ピグミー族は、アフリカでは幾つかのエリアに分布していますが、そのうちの1つが、カメルーン南部、中央アフリカ南西部、コンゴ共和北部にまたがるエリアです。特徴ある顔つきをしているので、見ればピグミーだと分かりますし、私たちはカメルーンのヤウンデYaoundeでピグミーの男性と共に食事会もしているので(≫2月29日日記)、ピグミーの顔つきは記憶に新しいところです。赤道ギニアはカメルーン南部と接しているので、ここにピグミーがいることに、疑問はありません。

そうそう、アニゾーで驚くのは、人口の何%に及ぶかと疑問に思うほどの、中国人の多さでした。彼らは建築士や商人として赤道ギニアで働いているのです。赤道ギニアはカメラ許可証が必要とガイドブックに書かれる国で、写真が撮れない(撮りにくい)国として知られています。私たちも、昨日今日とほとんど写真が撮れずに苦労していたのですが、道端では中国人がデジカメですいすいと写真を撮っているんですよね。尋ねたら、「役所関係はダメだけど普通の撮影なら大丈夫」とアドバイスをいただけ、ほっとしました。

さて今日は、赤道ギニアの中心都市バタBataに移動しようと思います。昨日よりも移動距離が長くなるので、腐りポリス検問所も多いことでしょう、ホント億劫だし、憂鬱ですけれど・・・。

いやーな予感は、早速当たりました。「パスポート持って車から降りろ」と軍人ポリスに言われ、ああまたか・・・と嫌な思いがよぎります。

私たちがポリスと共に検問室に行こうとするとき、後続車からドライバーが出てきました。中年の中国人おじさんでした。私たちを中国人と思ってくれたのかな? 腐りポリスは私たちに「1人10000フラン出せ」と、通行料と称して賄賂を要求してきますが、横から中国人おじさんが割り込んできて「俺の友達だから安ぅせい!」と言うと要求額は2000フランになり、直ちにおじさんは「これで文句ないだろう!」とばかりに机上にバンと5000セーファーフラン札を叩きつけて、私たちを乗り合いタクシーに戻してくれたのです。
(※赤道ギニアなので、会話はスペイン語です)

あっという間の出来事で、そのおじさんもすぐ運転席に戻ってしまうので、「謝謝」(シェイシェイ、ありがとう)と御礼を言う時間しかありませんでした。しかしその出来事は強烈な印象となりました。中国人の進出が著しいこの国では、中国人にも力を持った者がいるということ、リーダー格の中国人がいて、同胞を助ける気質が根付いていること、だからこそ多くの中国人が進出できたのであろうこと。・・・ほんと、すごいなあ。

バタに到着したのは午後2時すぎでした。乗り合いタクシーの中で安宿を探していると言ったら同乗者が親切に案内しようとしてくれたのですが、私たちが町を歩いていると地元の人が何故か警察に通報して、私たちはやってきたポリスに連行されて警察送り・・・、「1人10000フラン出せ」という意味不明な金クレ星人の要求に、ここから抜けるのにも結構な時間を遣ってしまいました・・・。

さて、自力で今日のお宿を見つけましょう。ところでバタは地図がありません。地図を持つことが違法だというのですから、ホントこの金クレ星(赤道ギニア)は理解不能なところです。私たちは今どこにいるのかも分かりませんから、街を歩いている中国人に、安い宿を教えてほしいと尋ねました。その中国人はすぐさま別の中国人を呼び、その連鎖反応であっという間に8人めの中国人登場(笑)、本当、同胞の助け合い意識が強いんですね。同じ東洋人として私たちを助けようとしてくれているんだということが強く感じられました。8人めの中国人は私たちと一緒に歩いてくれ、9人めの中国人男性(陳さん)とその友人の赤道ギニア人男性(ジェイムス)を紹介してくれました。そして無事に、私たちの予算に合う宿が見つかりました。

宿まで着いてきてくれた陳さんは言いました。

「この国は、本当にダメだ」
「この国の人は皆、人を騙す、人から物を取る(盗る)」

「なんで君たちは来る価値のないこんな国に来たんだ」

・・・この国に来て1年3ヶ月になる陳さん、
   収入を求め、新天地を求め、この国に来たのに、悔しいね。

   この国をずっと見ている陳さんの言葉は、説得力が、ありました。



赤道ギニアの、今日の感想。

石油が出ると、国はお金持ちになります。
湾岸の瀟洒な遊歩道も、明るい街灯も、ポリスが乗る車も、大変に立派です。
でも、市場も食堂も商店も家屋も、国の底辺を支える人々のいる場所はとっても汚いです。

同じ車に乗っていた女の子は、ミカンの皮を捨てるとき、歩道を歩く人にぶつけることを楽しんでいた。
そのタクシーの運転手は、ビールを飲みながら運転し、街に入ったとき缶ごと私たちに押し付けた。

「この国の人は皆、人を騙す、人から物を取る(盗る)」、赤道ギニア人の前で言う陳さんの言葉。
「この国の人は、良識がとても低いと思う」、バタを歩いているときあづさが和人に率直に言った言葉。

ゴミだらけの汚い街を歩き、市場や商店を見た。
ゴミだらけの中に建てられた店で夕食を食べた。
なのに、国民の基本的な暮らしに関係ない場所は、ほうらこんなに立派なのよ。・・・これ、どう思う?

海岸沿いの遊歩道

赤道ギニア・・・、国は、政府は、ちゃんと機能しているんだろうか。それとも国家未発達?
それでもこの国の人々は、良識が低い水準の中でも、
精一杯生き、明かし暮らす(同じ生活を毎日送る)のだと思う。
本日の旅
行動 :アニゾーからバタへ移動、バタ観光
朝食 :ブエロデバナナ(バナナを生地に練りこんだ揚げパン)、ブエロデアリーナ(シンプルな揚げパン)、どちらもスカル(砂糖)をまぶす/アニゾーの市場前ベンチ
昼食 :Espagueti con carne(エスパゲティコンカルネ、トマト玉ねぎ煮のフレッシュビーフシチューで仕立てたスパゲティ)、Yoca(ヨカ、マニオクのもち状のものの輪切り)、Plantane con carne(プランテンコンカルネ、トマト玉ねぎ煮のフレッシュビーフシチューに素揚げ食用バナナの輪切りを入れて煮絡めたもの)/アニゾーの食堂
夕食 :Arroz con carne(アロースコンカルネ、トマト炊き込みご飯に肉煮込みを絡めたもの)、Tarow con carne(タロウコンカルネ、タロウはフフfufuとも言い、マニオクをなめらかに柔らかくしたもち状のもの、これに野菜いっぱいオクラ入りスープで肉を煮たものを添える)/バタの食堂
宿泊 :オテルフィニステールHotel Finis Terre

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旅情報
1セーファーフラン=0.25円

*赤道ギニアの旅行許可証について
ガイドブックには、旅行許可証(ツーリストパーミション、1人50USドル(約25000セーファーフラン))が必要と記載されている。しかしこれはおかしい。就業ビザで入国した者が観光するときは旅行許可証が必要だし、ツーリストビザで入国したものが労働するときは就業許可証が必要だが、ツーリストビザを持つ者のに旅行許可証は本来不必要であるべき。

私たちは旅行許可証を取らずに赤道ギニアの旅を終えました。2度ほど、旅行許可証を持っていないことから賄賂を要求されましたが、持っていなくても、上記の説明をしたらお金を払わずに済みました。逆に、多数の検問で旅行許可証のことを言ったのは2ヶ所だけということでもあります。なので本当に必要なものなのかどうかは今も疑問がありますが、例えば大使館を通すなどして、きちんとした経路で確認をするのが良い方法ではないでしょうか。