2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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チリ>2010年03月24日(Wed)
★ラノララク→アフトンガリキ→アナケナ→島北西部→アフアキビ→アナテパフ→ハンガロア→ファアア
:: 旅1049日め : 世界旅181ヶ国め : 和人236ヶ国め : あづさ193ヶ国め ::

■イースター島観光・3日目!
朝7時、この時期のイースター島は真っ暗です。昨日この、モアイが近くで見えるところまで連れてきてくれたワンコのコロちゃんは、私たちの張ったテントの傍らで寝ていたみたいです。私たちは真っ暗な中出発の準備をし、歩き始めました。コロちゃんは私たちの前を歩いて、正しい道を教えてくれ、ずっとずーっと先導してくれます。コロちゃんのおかげで時々分岐がある道も全く迷うことなく、昨日午後観光したアフトンガリキに最短距離で到着しました。

アフトンガリキは、日の出鑑賞ポイントとしても有名なようで、日の出前から何人かのツーリストが来ています(彼らはレンタカーで来ています)。真っ赤に染まる朝焼けに黒く影となるモアイ像の、そのコントラストあふれる風景が見事でした。ちなみに、空は徐々に明るくなっていき、真っ赤クライマックスを経て、白く明るくなっていきます。その「真っ赤クライマックス」の時刻は朝8時6分でした。同じ時期に渡航する予定がある人の、参考になるでしょうか?


さて今日は、イースター島一周の残り2/3を歩きます。でもアフトンガリキからアナケナまでの間は特にモアイなどもない道なので、1時間ほど歩いたところで見つけた車をヒッチハイクしました。ツーリストではなく地元のレンジャーたちの車で、途中車窓から見えるピピホレコ(昔部族間の境界線をなしていた石積みの遺跡)について紹介をしてくれました。

10:07 アナケナAnakena。
私、ここ好き! プカオ(赤い石でできた「髪結い」)をきちんと乗せたモアイが4体並んで立っていてかっこいい! モアイの背中には独特のレリーフが彫られていますし、モアイの土台にもモアイが使われるという、面白いものを見ることができます。

さて、ハンガロアHanga Roa村からここに来るまで30km弱。相当歩いたし、水も減っています。アフトンガリキやラノララクといった大御所の観光も無事済ませられていますし、もうここからヒッチハイクで村に帰ったほうが安全かもしれません。でも、さきほどヒッチハイクに応じてくれたレンジャーさんが、「テネモスマス」(僕たちはいっぱい持ってるから)と言って大きなペットボトル(1.5L)の水とりんごをくれたんです。嬉しくて、しかも水が増えたから、「島北西部」を歩く元気とやる気が出てきました(*^.^*)

11:19~ イースター島、島北西部。
ここは断崖絶壁の海岸沿いを歩く、風景の美しいトレッキングルートです。ハンガロアからのトレックツアーも、馬を使ったホースライディングツアーなども出ています。ただ個人で20kmの道のりを歩くとなると、そこには小川の類は1つもないので、十分な水を持って臨まないといけません。地球の歩き方の地図にはこのルート上の見所が載っていないので、日本人でここを歩く人は少ないみたいですが、伝統住居の遺跡や、倒れたモアイ群、そして鳥人伝説を裏付けるレリーフなどがあります。ただ、何かあっても、水不足で苦しくても、這ってでも車道に出なければならない厳しさもあります。ここは車が通ることのできない道なのだから・・・。

お天気は最高に良くて、すかっと晴れ渡っています。海もきれいですし、石も緑も皆きれい。12時すぎには鳥人伝説のレリーフを見つけ、私たちは持っている食糧と水を少しずつ消費しながら、この絶景トレッキングを、ひたすら歩いて進んでいきました。途中にぽっこりモアイが出現したりする、そう、ここはスペシャルな観光地イースター島の、なのにツーリストがあまり来ないルート。

写真は船形住居の遺跡です。何故船かというと、大昔にここに船で流れ着いた人はその船をさかさまにして住んでいて、その名残で、この形の住居が作られていたのだそうです。基礎部分しか残っていないのは、その上は木や草などの、朽ちる素材だったのだと思われます。

チリ

炎天下だから、暑いです。20kmのうち、最後の数kmは歩くのも嫌になりましたけど(笑)、最後のほうでは地元ポリネシアンの、馬を使った耕作風景を見せてもらえたりもし、最後まで水を尽きさせることなく、無事に、車道に到着、そのままアフアキビまでたどり着ました。

17:40 アフアキビAhu Akivi。
モアイはかつて部族集落の守り神だったので、集落の方向を向くように、つまり海に背を向けるように立っています。その例外がアフアキビで、ここにある7体のモアイは何故か海に向いて立っているから不思議です。7体のモアイを立てた人々は海際に住んでいたとか・・・? 本当のことは分かりません。

18:02 アナテパフAna Te Pahu。
村に戻る車をヒッチハイクしたら、彼らはアナテパフを観光してから帰る2人組みでした。それは私たちにもラッキーなことで、自動的に見所の1つへ連れていってもらえることになりました。アナテパフにはここは延々続く地下洞窟があります。洞窟の入り口は地表レベルより低く、入り口周辺には強風が吹かないことから、バナナの栽培も行われてきたそうです。

18:38 ハンガロアHanga Roa。
夜7時前、無事にハンガロア村へ戻ってくることができました。本当に、島一周、できたよ。すごい、頑張ったー! 今日は朝から歩き、午後は更に約20kmの道を6時間かけて歩きました。そして60kmの周遊を無事に終えることができました。イースター島で頑張れたっていうこと、頑張ろうと決めたことを本当に頑張れたことがものすごくすがすがしくて、やったー!と快哉を叫びたいほど嬉しいです!!

素直にレンタカーとかでさくっと観光していたら、イースター島観光はすごく楽チンです。でもそれでは・・・。首都サンチアゴSantiagoにいたときから、「車でさくっと行ってしまったら、モアイを見る感動は薄いよなぁ」と心配していました。だから、歩くことは嫌いなあづさでも、「スペシャルなイースター島で、モアイと感動的に出会うには?」と自問すると、その答えは、「自分で歩いて、ただモアイだけでなく、島の気候風土その他すみずみまで体感すること」がベストだったのです。そう思った理由の1つには、もちろん「島北西部は車が通れない」、つまり、そこを含めて観光したければ歩くしかない、という理由もありましたし、もう1つ、「モアイが見られるところで夜をずっと過ごしたい」というのもありました。

実際は大したことをしていないのかもしれませんが、「すごい偉業を成し遂げた」達成感で、何と言うか、目標を乗り越えた後の嬉しい気持ちがあふれています。途中で足の裏に出来た大きなマメを針で潰したりしながら、そして最後のほうは歩けなくなってきて(何故か足が前に出なくなる)、それでも頑張って歩き通しました。

イースター島観光はこれでおしまいです。今夜8時のフライトで、私たちはタヒチTahitiに行きます。余ったチリペソが3000円相当くらい。このお金を全部使って、荷物を預かっていてくれた「居酒屋甲太郎」で、ビールとつまみと地物の美味しいお魚で握ったお寿司を食べて乾杯しました。


明日? タヒチにいますよ。
だから今日が、正真正銘、南米の旅の最後です。
南米を離れるのは寂しくないです。
充実の4ヶ月だったから。

11月25日にスリナムに上陸し、今日3月24日にチリを離れるので、本当にジャスト4ヶ月の南米13ヶ国の旅。4ヶ月の南米の旅って丁度良かったなぁ。たらたらと大陸にいるよりも、短く濃厚になった分、旅はいつもスペシャル続き。めりはりがあるどころか本当にスペシャル続きで、めちゃくちゃ楽しかったです。ちょっと忙しいくらいが、旅は良いのです。そして休むときが来たら数日休んだら良い。これって日本で忙しくサラリーマンしてきた(12年頑張りました)人の発想かしら(^^*

スペイン語だって一生勉強を続けていけるくらい学んだし、この4ヶ月では、身に着けたものがとっても多かったと感じています。



明日からタヒチの旅。私たちは、太平洋の島国めぐりへと、旅の舞台を移します。大陸移動と島巡りはまるきり違いますから、旅の変化は大きく、時には困ることが出てくるかもしれません。でも、和人にもいつもありがとうと言いながら、新たな文化、新たな社会をこの目で見に、次は南洋ポリネシアの世界へ踏み出そうと思います。
本日の旅
行動 :イースター島周遊・2日目
朝食 :ミューズリー、ミルク、チョコスナック/アフトンガリキ
昼食 :サラミ、コーヒー/島北西部トレッキング
夕食 :寿司(サーモン、めかじき)、ビール、鶏のから揚げ/ハンガロアの居酒屋、パン、レタストマトコーンチーズサラダ、チーズケーキ、オレンジジュース、ビール、赤ワイン、白ワイン、コーヒー、マッシュポテト、サーモングリル、ナスのラタトゥイユ、カフェオレ、コーヒー/機内
宿泊 :ダビッド兄さんち
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旅情報
1チリペソ=0.18円
1パシフィックフラン=1.06円

*イースター島で安い宿泊
イースター島で安い宿泊は、通常ならキャンプ(ミヒノアというキャンプサイトが村の中にある)か民家宿泊となる。私たちが空港に着いたときは民泊の客引きが誰もいなくて、他の旅行者の話を聞くと、空港にはときどき民泊の客引きが来るそうだ。うまく交渉してみよう。空港カウンターデスクは幾つかアコモデーションを紹介しているが、上記キャンプサイト以外はどれも高かった。