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■ハイチの首都観光
ハイチ人の民家に泊まった感想を少し書いておきましょう。
ナターシャの家はハイチの上級家庭で、「昔はフランス人の邸宅だったのかな」と思われるような、古いながらも基礎土台がしっかりした石組みで、床も壁もしっかりしています。食事などはメイドさん(ハイチ人)が作っています。家具も調度品も揃っており、そもそもインフラ(生活に必要な公共サービス)の整備が整っていないハイチですから、水洗トイレまでついているのは、ハイチの中では相当すごいことなのだろうと思います。また、ADSLなどの仕組みも導入されているようで、ナターシャは長いLANケーブルを私たちが寝る場所(ソファベッドが置いてあるリビング)まで引いてくれました。
ちなみに、水道の水もありますが、その水は飲用に足るものではないようで、何ガロンもの大きさがあるボトル詰めされた水を備えています。
今日は、ハイチ人のメイドさんが作ってくれた朝食をいただいたら、首都ポルトープランスPort-au-Prince観光に出ました。
独立英雄広場、ナショナルパレス、大聖堂といった、きれいな場所や美しい建造物もあるものの、ひょっとして最大の見所といえば、そのきれいな残像を打ち消す汚いゴミの街、そしてそこで生きる人々の生業かもしれません。
この写真で、人々が歩くところには、ビニールなど“土に還らないゴミ”が踏まれてペシャンコになって何重もの層になっているんです。うーん。
あと、個人商店(道に屋台のようにいろいろな売り子が連なっている)の多さが目立ちますよね。写真で言えばパラソルの数、異様に多いです。この光景が広大な範囲で続くのです。雇用状況が良くないから自分で商売をしていかないと生きていけない、ということなのでしょうか。
もちろん、治安が悪いということにも十分気をつけて、活気あるアフリカンブラックな街を歩いていました。働く人々の姿は、やっぱり素敵ですね。
「ここはアフリカに似ていますか?」と聞かれたら、あづさの答えはNOです。ポルトープランスを幾つか見終えてアフリカを思い出すと、あんなにゴミゴミとした巨大なマーケット街でも、しっかり作られた建物が並ぶ光景は、今まで見てきたアフリカの風景とは重ならないのですね。人々が着る服もお洒落な洋服だしね。あと、すっごく思ったのが、「路上ごはん屋が使い捨て容器を使うこと」です。アフリカだと、見た目洗面器のようなプラスチックの皿(≫
こんなかんじ)におかずを盛るのに、ハイチはこんな点だけ他のカリブ海の国(リッチな国々)の真似をしている。なのにゴミ処理業がないから町には使い捨て容器がいっぱい、当然その中にある食べ残しも腐ってくるし、とにかく多量のゴミを生んでいるのですよ。これ絶対良くなーい。
昼食のあとは、バスに乗ってペチョンビルPechon villeに向かいました。ポルトープランスに隣接した町。あまり人ごみがなく、その分町もきれいでした。ちょっとほっとしました。しばらく町歩きをしたら、そのまま歩いて今いる家へと戻りました。
さて、こんなに散々なハイチの旅ですが、「ハイチ旅行、どう?」って聞かれたら、あづさは「結構好きかも」って答えるかもしれません。マゾとかそういう気質はないと思うのですが・・・だって、旅って、日本とかけ離れた場所に来るほど、旅に出た気持ちになれるものじゃない?
ここに来たからこそ見える世界の一面がある。「こんな国があるなんて」と驚くことができる。世界の色々なものに出会いたいという旅人心は確かに満たされる。
ちなみに、国民がやっていることは、世界の先進をひた走る日本人とあまり変わらない気もします。大便小便などの用を足したらその後のことは他に任せきり。要らないものはどんどん捨てて、再利用できるものだって捨てちゃう。日本人はビニールゴミいっぱい出すでしょ、ハイチ人もいっぱい出します。日本とハイチが違うのは、その処理業者、処理システムが配備されているかどうかという点なのです。
ハイチを旅して思いました。もし日本に処理業者や処理システムがなければ、日本だってあっという間にハイチ状態になってしまう。だって国民がやっていることは、同じなんだもの。
ハイチの状態を見て、日本人のゴミやし尿処理業者への依存が強すぎることを感じてしまった。だから、日本で再び暮らすようになったら、当たり前のことの復唱ですが、ゴミを出さない暮らしを強く心がけなければいけないなと思いました。
ともあれ環境状態の劣悪さから、環境問題を考えさせられた今日の一日。もう日記には書きませんが、ダイオキシン問題、POPs問題(かなーりヤッカイな国際的ゴミ問題、と思ってください)、活性汚泥、etc。めちゃくちゃ環境衛生の事柄が頭をよぎりました。
そんなポルトープランス滞在は続きます。
本日の旅
行動 :ポルトープランス観光、ペチョンビル観光
朝食 :トマトスクランブル入りホットサンド、オレンジルイボスティー/ナターシャ姉さんち
昼食 :mayi kole(マイコレ、シナモンとスパイス風味の挽き割りコーンのかゆ)、ソスプワトン(インゲンなどの野菜のトマト煮)/ポルトープランスの路上ごはん屋
夕食 :ごはん、豚肉の野菜炒め煮、フライドチキン、トマトソース、ソスプワノワ(黒豆つぶしなめらかスープ)/ナターシャ姉さんち
宿泊 :ナターシャ姉さんち
旅情報
1グールド(グー)=2.4円
*水に注意
ハイチでは、飲用に適した水道水を得られる人口は国民の約50%しかないそうだ。それでもその水道水すら飲用に適さず、金銭が捻出できる家庭はボトルに入ったピュアウォーターを買っている。路上マーケットや食堂レベルの店では、出される飲食物は飲用に適さない水道水から作られていると思ったほうがよい。町ではビニールバッグに入ったピュアウォーターが1つ3グーや2グーの価格で売っている。ちなみにジュースはジ、かき氷はフレスコールと言うが、購入は気をつけて。