2人の世界旅 日々の記録

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ハイチ>2009年10月04日(Sun)
カパイシェン→ミレ→サン・スーシ城→シタデル→サン・スーシ城→ミレ→カパイシェン
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■アンティルのパリ
カパイシェンCap Haitienの町。ああここもだ。道の上にゴミが積もり、その山を、時に人があさり、時にブタがあさっている。雇用状況がよくないのか、暮らし方がアフリカ式なのか、路上で日用品や食糧の小売販売をする人々が多い。

1つだけ気になったことがある。

・・・あのおばちゃんが、少しだけスプーンにとって小分けにして売っている白い粉は、なんだろう・・・


さて今日は、世界遺産に登録されている城を訪問しようと思います。我が儘王様がフランス軍の再侵攻を恐れ、とても攻め入れられないような山の上に城を構え、食糧と武器を備蓄していたところ、その王の死(自殺)までやっぱり一度も攻められることなく、いまだに砲丸の山が残されているというところです。

ところでこの国の大きな問題の1つに飲料水問題があります。国民の半数しか飲料水を口にすることが出来ず、残りの国民は、感染症の原因菌を含む水を飲んでいます。水道水も飲むに耐えない質です。この国の新生児死亡率は高くその死亡原因の第一位は下痢、生きるための基盤として必要な水が侵されているので、こういう社会現象を引き起こしているのです。なお、お金を捻出できる人はボトル詰めまたはバッグ詰めされたピュアウォーターを買っていると、そこまでは以前の日記にも書きました。

水道水が飲めないとなると、私たちは水分が不足してしまいます。「沸かしたら大丈夫かな」と思ったのですが味が悪くてそれもだめでした。今朝、カパイシェンの町で井戸水に行列を作る人々の姿を見ました。「そっか!水道水がだめでも井戸水がある!」と、朝は井戸水を分けてもらって水分補給してから、移動を開始しました。

観光の拠点となるのは、ミレ(Milet)の町です。タプタプ(小型トラック改造の乗合)を降りたらすぐ入り口です。ふもとにある城は「サン・スーシ城」と呼ばれます。そこを簡単に観光したら、私たちはついてくるガイド志望者を振り払いながら、私たちは目指す山上の要塞「シタデル・ラフェリエール」へ向けて歩きました。

ふぅ・・・さすがにしんどかったです。片道5km、往復で10kmとなる山道。
地元の人が「馬を貸すよ」と商売家たっぷりに近寄ってきますが、私たちは利用しませんでした。

山上の要塞「シタデル・ラフェリエール」。

ハイチ

我が儘王が造らせただけあり、規模は壮大です。建造中2万人が命を落としたといわれています。内部には砲台が何基もあり、庭には砲丸が山積みになったまま錆びています。

城のてっぺん(屋上)に上ってみましょう。今日はウルグアイ人やチリ人のUN(国連組織)軍団がレジャーで来ているみたい。フランス語圏のハイチでスペイン語だらけって不思議な気分です。

「ラシーマラモンターニャ!」・・・城のてっぺんからすがすがしく叫ぶウルグアイ人の声。シーマは最高峰(日産シーマの名の由来でもあります)、モンターニャは山という意味。「山のてっぺんだぜっ」と、彼らは連呼して喜んでいるのですね。あづさも混ぜてもらって「ラシーマラモンターニャ」と言いながら彼らと喜び合いました(^^*
眺め最高なんだもん♪

お城まわりには、はっさく、グアバ、みかんの木が生えていて、今日のお昼ごはんは登山で疲れた体にビタミンを補給するもぎたてのフルーツたち♪

壮大な要塞観光は、当時の王、当時の状況のことも考えてしまうと、寂しい気持ちで観光していたように思います。ここは寂しい城なのだと。でもここは、ハイチに来たら是非見に来て欲しい、素晴らしい観光名所でもあると思いました。


カパイシェンの町に戻りました。
宿で迎えた夜、あづさの体が、ものすごく熱い。

どうしようもなく体が熱くて、さっき洗濯したばかりの濡れたTシャツを首からお腹にかけて全面乗せて、扇風機の風に当たり、体を冷やし続けます。それでも熱くて、熱を測ったら38℃を超えていました。

空気、食べ物、飲んだ水、シャワーの水・・・何かに悪い菌が入っていたのでしょう。全身の熱さとしびれと違和感は、まるで敗血症(菌が血中を流れること)を連想してしまいます。朝いっぱい飲んだ井戸水が悪かったのかなあ・・・、そういえばゴミだらけの土壌には有害成分がいっぱい染み出て当然だしなあ(後から気付いてしまった)。

なお、宿で、水道のある場所で気づきましたが、朝不気味に路上で売られていた白い粉は、次亜塩素酸カルシウム(いわゆるさらし粉)でした。水の殺菌剤として使います。路上でその粉が売られ、水道のある場所にその使いかけが置いてあったということは、やはりここでは水道水さえ雑菌入りということなのでしょうか。
本日の旅
行動 :サンスーシ城、シタデル日帰り観光
朝食 :カフェ(脂の黄変したミルクと砂糖と塩を入れた不気味な味のコーヒー)、アボカドマヨ乗せパン/カパイシェンの路上
昼食 :グアバ、はっさく、みかん/要塞の周り、要塞の上
夕食 :Spaguetti(スパゲティ、トマトピューレ絡めスパゲティーにレタス玉ねぎ、鶏トマト煮のソース、アボカド、揚げ鶏を乗せたもの)/カパイシェンの路上ごはん屋
宿泊 :オテルシューシューHOTEL CHOU CHOU
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旅情報
1グールド(グー)=2.4円

*サンスーシ城、シタデルへの行き方
カパイシェンの町で、ミロ村(Milot)またはミレ村(Milet)へ行くタプタプ乗り場を探す。「シタデルに行きたい」と尋ねてもよいだろう。私たちは地元の人に尋ねた。ガソリンスタンドが発着場になっている(ドミニカ国境行きバスが出る場所と同じ)。ミレまでタプタプで1人15グー、所要50分。下車地点からシタデルのふもとの入り口は近く、入場料を払ってから入山する。入場料は10US$だが、頑張ってグー払いで交渉したらなんと400グーになった!