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■世界旅229ヶ国目、パキスタン
今日は、いよいよパキスタンへ向かう日!
今日の移動は長い。
昼食を食べられない長い移動となることは分かっています。
だから、早起きをして、朝食をしっかりと食べて、移動に備えましょう。
可愛いウイグル少女がウェイトレスとなる食堂で朝ごはん。彼女が話す言葉はウイグル語でした。ここ塔什库尔干(タシュクルガン)は本来タジク人の、パミールの町とされるところですが、今では漢族(中国主要民族)やウイグル人なども多数住んでいるようです。
朝食後、まずは中国出国のためのイミグレーションへ向けて歩きました。イミグレーションは10時半にオープンし、出国検査の前に、1人225元の、パキスタンはススト国境までのバス料金を支払させられます。そしてバスは13時に出発。
車窓から見えるは常時曇りがちな風景ばかり。「絶景のカラコルムハイウェイ」として旅行者に人気を博してきたはずの道でも、見えるものは鼠色の空と茶色い山肌だけ。私たちはタジキスタンの風光明媚なパミールハイウェイを通って来た直後ですから、あまりいい感じには見えません。古い用済みの寝台バスは狭くて寝心地も悪く、あまりテンションが上がらないままパキスタン側ススト国境に到着しました。もう夜7時前ですから、ここが今日の移動の終点となります。
ここ数年で、パキスタンの治安が破竹の勢いで悪化していきました。それと関連があるのかないのか、少なくとも私たちがこの世界旅を始める頃は世界各地の大使館で難なく取れていたパキスタンビザは、近年、居住国でなければ取れなくなってしまいました。つまり、私たちの場合だと、東京でないとビザが取れません。
しかし、ここススト国境だけは例外です。各国にあるパキスタン大使館がビザを発給しなくなった現在でも、ススト国境では即座にビザを発給してくれる・・・、有り難いことです。
私たちのパキスタンの旅の重要人物をご紹介しましょう。
昨日の宿探しの時点から私たちと合流し、昨夜は4人部屋を3人で借り切って意気投合している「哲っちゃん」という男性です。話を伺うと、パキスタンに来たくて来たくて、インドやUAE、その他、可能な限りの場所でパキスタン大使館に足を運ぶも全て取得不可と言われ、最後につかむ藁として、このスストに来ています。
哲っちゃんは、素晴らしい人、尊敬できる人。そして彼は、その後私たちのパキスタンの旅のほとんどを一緒に過ごすことになっていきます。
今日は更に、同じバスに乗っていたフランス人夫妻とも更に意気投合。夕食をご一緒しました。フランス人が「ロンプラ(Lonely Planet、英語ガイドブック)に載っているこの宿がいいわ」というので、その宿に行き、5人で3部屋にチェックインしました。
イスラム教徒が多い国なので、外出したり外食しているのは、男性が多い。
パキスタン服を着る人々の声、山から吹く風の音、埃っぽさ、砂っぽさ、食堂から漂うカレー粉の匂い・・・
ああ・・・でも、本当に来れた。パキスタンに来れた。
私たちは、このパキスタンで「世界旅229ヶ国目」となりました。そしてもうすぐ帰国。だからここは「夢」を持ってきた最後の国。その異国風景に、今までの苦労が洗われる気持ちすら感じます。
私たちも、パキスタンのビザが他の場所で取れなくて、最後の頼みの綱でスストに来ているのは、哲っちゃんと同じだからです。
『青い実はじけた』
緒形哲生さんの世界一周ブログを、ここにご紹介します。
≫
http://ameblo.jp/t2o-gatti/
本日の旅
行動 :塔什库尔干からスストへ移動、中国出国、パキスタン入国、ススト観光
朝食 :モモ(小麦粉を発酵させた中国蒸しパン)、セイ(羊肉と野菜トマトの汁だく炒め物)、チャイ(緑茶)/塔什库尔干の食堂
昼食 :なし(移動していた)
夕食 :チキンコルマ(鶏肉スパイシーカレー、チャパティー(薄焼きパン)/スストの食堂
宿泊 :
旅情報
1中国元=13円
1パキスタンルピー=1.04円
*ススト国境で取るパキスタンビザ。
事前の手続きは一切要らない。写真1枚。無料。バスを降りたところがイミグレーションオフィス、発給の所要時間は30分くらいだった。