:: 旅1526日め : 世界旅229ヶ国め : 和人245ヶ国め : あづさ234ヶ国め ::
■フンザの谷を目指して
この旅を始めた頃、パキスタンに行けるとは思っていなかった。でも、旅の途中から、パキスタンに行きたいと思うようになった。恐らくそれはイランにいた頃か、イランを出たあと。イランの隣にはアフガニスタンやパキスタンがあるのに、一度に2つの道はとれない。私たちは北のアゼルバイジャンやグルジアへ向かい、コーカサスや中東の旅を選んだからです。
最近、パキスタンに行く旅行者が激減する事態になりました。治安が悪化し、外国人は特に誘拐や爆弾テロの標的となる。そして各国のパキスタン大使館がビザを出さなくなっていったのです。それでも、パキスタンへ行く夢が消えずにいた。インドもアフガニスタンもこの足で訪れこの目で見たのに、その文化の混交をなすパキスタンがからっぽというのは、寂しいじゃないですか。
世界を歩む道はその後も曲折し、そしてとうとう、昨日、念願のパキスタンに入国したのです。夕食にカレーやコルマ -それはまさにパキスタン料理- をすすりながら「念願のパキスタンに来た!」と、感慨深くなっていたのでした。
国境の町スストは1泊だけで、今日の目的地はカリマバードという、旅行者には「フンザ」と呼ばれる町です。
朝、中国から一緒に来ている哲ちゃんと3人でミニバス探し。町の人は「今日は車はないよ」と口を揃えて言いますが、1時間ほど粘っていたら、ちゃんと車は見つかりました。そしてフサニという地点で、下車。ここは、昨年の北部パキスタンの豪雨&土砂崩れの災害により川が堰き止められて出来た湖の端にあたります。
エメラルド色のアッダバード湖は見た目は綺麗でも、これが災害によって造られ、この湖に民家なども水没してしまったのかと思うと、あまりウキウキする場所ではありません。およそ1時間強のボート(有料)は、フンザクルージングとも言える絶景の中を進みますが、あまり写真を撮りませんでした。
下船した地点から少し歩き、通りがかった乗り合いトラックの荷台に乗りました。荷台には既に10人もの人がいる上に、私たち3人と3人分の荷物が加わるので、かなり過酷な移動です。あづさはおじさんに足をギュウウと踏まれ、親指の爪が皮膚から一部乖離し、それは後日、カリマバードに長く滞在する要因の1つになってしまったほどです。
雨が降っていて大変でしたが、3人一緒だと心強いし、無言でも励まされますし、嬉しいですね。
頑張って宿探しも終え、悪天候であっても無事に、1日でスストからカリマバードへの移動を終えることができました。
本日の旅
行動 :スストからカリマバードまで移動
朝食 :ダウロ(ヌードルスープ)、ナン(窯焼きパン)/スストの食堂
昼食 :チキンビリヤニ(鶏肉炊き込みごはん)、トマト、ピヤズ(玉ねぎ)、ビスケット/カリマバードの食堂
夕食 :サブジ(ほうれんそうとじゃがいものカレー)、チャパティー(薄焼きパン)、マトンカリー(羊のカレー)/カリマバードの食堂
宿泊 :ガーデンロッジGarden Lodge
旅情報
1ルピー=1.04円
*アッダバード湖の移動
2010年の土砂崩れで川がせき止められ、フンザとスストの間には災害湖が形成された。迂回する道もないので、移動にはこの湖を船で渡らなければならない。船を運航して一儲けを狙う人が多く、またその彼らが要求する料金体系は「パキスタン人100ルピー、中国人200ルピー、その他外国人500ルピー」が普通になっている。地元の人は大きな荷物があっても100ルピーで済ませているので、ぼったくりに負けず、うまく地元パキスタン人にくっついて、100ルピーで支払いを済ませよう。なおこの船は車や自転車を乗せられるものもある。