2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ピトケアン>2010年04月01日(Thu)
ピトケアン行きヨット→バウンティーベイ→アダムスタウン→シップランティングポイント→セントポールズポイント→ビッグプール→ハイエストポイント→エッジ→アダムスタウン
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■絶海の孤島ピトケアンに上陸
今日はお昼ごろにピトケアン到着かなーと思っていたら、朝8時には近海まで来ていました。ヨットから小船に乗り換えて、この小さな島国に上陸しました。上陸にあたってはテントをチェックされました。他国の土が入り込むことを危惧している様子です。

ピトケアン島で滞在する方法は、現時点ではほぼ民家滞在となります。人口は48人程度で、家庭数は20程度。そのうちの数棟が、自宅を宿として使う登録をしています。私たちが今日から泊まるのは、ポーリンおばさんとテリーおじさんの家。彼らは夫婦ではなくて、中年の姉弟です。

宿泊にかかる費用は・・・費用は・・・ドッカーン、なんと1人70US$、2人で140US$とは、そんな高いところ、この旅で泊まったことなーい!! これがピトケアン政府が定めた公定価格なので、どの家に泊まっても支出は一緒。これはどうにも節約しようがありませんね。ただ1人70US$の価格には、全食事と、島内案内と、インターネット環境が含まれているから、まあ良しとも思えます。

あとから知ったのですが、ポーリンおばさんは島一番・・・言い換えればこの国一番(!)の料理上手と評判で、もてなしてくれる料理やおやつはとっても美味しい。ピトケアン料理についても是非いろいろと知りたいあづさには、最良のお宿です。

弟のテリーおじさんは、私たちが到着して、おやつを食べて一息ついたところで早速バギー(3人乗り4輪バイク)を出してくれ、島の見所を案内してくれました。この島の見所の多くは「海がみえるところ」で、あっちに行ってはきれいな海、こっちに行ってはきれいな海を見る連続となります。最も近い有人島から400kmも離れ、地球上のどの国からも隔絶された島は、本当に海が青いのです。海のきれいさでは今まで見てきた海の中で何番目だろう・・・と考えても、その答えは出ませんね。タンザニアのザンジバルのような乳白のエメラルド色の海も、バミューダのような乳白のサファイヤ色の海、マイヨットのような透明度の恐ろしく高い海、バハマのようなアクアマリン色の海。ここはトルコのモスクのような青が濃い海。

ピトケアン

ここは長径5km、短径2kmくらいの丘だらけの小さい島ですが、意外に木や草が刈り込んであって、きれいな印象を持ちました。道は首都アダムスタウンAdamustownの中心部や港付近は舗装されていますが、あとはバギーでも苦労するような泥道が多い。現在島民が舗装拡張を進めています。

島の中心部も本当にド田舎っぽさでいっぱいですが、郵便局と教会と中庭があります。今日はその中庭がマーケットプレイスになっていて、皆で手製の料理やお菓子を持ち寄っては机に並べての販売会が催されています。ポーリンおばさんは得意の美味しいお菓子やおかずパイを売っています。こうやって、この国の人々は、互いに作った料理を分かち合っているのだということが分かります。

島にはショップもあるそうですが、週に3日、それぞれ1時間ずつの営業なのであまり機能しているとは思えません。むしろみんなで持ち寄ったもののほうが、製造と消費の回転が速くて良さそうですね。

このマーケットプレイスで、島民(国民)の大半の人たちを見ることになるのですが、実にそれは高齢者の集会です。実は極度の少子高齢化はピトケアンの切実な問題になっていて、子供(学童)は6人、赤ちゃんに至ってはたったの1人だけ。教科書的に習う「少子高齢化国家」といえば、日本、ドイツ、イタリア、あとはスウェーデンあたりを押さえておけば大丈夫、・・・なんて思っていたのですけどね。赤ちゃんが1人、という現実は、ピトケアンは近い未来に消滅するだろうことを強く示唆しています。

ピトケアンは英領の国ですが、ここと英国は大変に遠く、同じ太平洋に属するニュージーランドとのつながりの方が、経済的にも政治的にも密接です。ニュージーランドは先進国で、分娩出産をニュージーランドで希望する人が多いのだそうです。以前はそうしてニュージーランドで生まれた子供はニュージーランドとピトケアンのどちらにも居住権があった、つまり、行ったり来たりが自由に出来たそうなのですが、近年ピトケアンの法律が変わって、それができなくなりました。そのため若者は豊かで便利な先進国のニュージーランドに出ていったきり戻ってこないのが、極度の少子高齢化を招いているそうです。


いやはや、とんでもない国に来てしまいました。
地球上のどの国からも隔絶された絶海の孤島、人口48人、未来がないかもしれない国家は、知ることの1つ1つが実に面白い。
本日の旅
行動 :ピトケアン行きヨットからピトケアン上陸、島観光
朝食 :オートミール、牛乳、パッションフルーツジュース/船
昼食 :コーヒー、カフェオレ、ビスケット、チキンパイ、trifle(トライフル、カスタードプリンのクリーム乗せ)/テリーとポーリンの家
夕食 :Fish & Chips(フィッシュアンドチップス、魚のフリッターとフライドポテト)、マッシュポテト、アップルジュース、ミックスベジタブルのサラダ、コーンドビーフ、ごはん、パン、パッションフルーツ乗せチーズケーキ/テリーとポーリンの家
宿泊 :テリーとポーリンの家
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旅情報
1USドル=98.9円
1ユーロ=146円

*ピッケニーズ
「日本」はJapan、「日本人」や「日本の」はJapaneseと言うように、「ピトケアン」はPitcairn(発音はピッケンに近い)、「ピトケアン人」や「ピトケアンの」はPitcairnese(発音はピッケニーズに近い)と言います。会話の中で役に立つこと間違いなしです。