2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ブルネイ>2010年09月29日(Wed)
★バンダルスリブガワン→クアラルラー国境(ブルネイ側)→クアラルラー国境(マレーシア側)→リンバン国境→バンガル国境→ラブ国境→ラワス国境→ラワス
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■ブルネイから陸路で出国
早いですが、今日はブルネイを出国してマレーシアに戻ります。マレーシアから来るときはラブアンLabuan経由で2つの船を乗り継いできましたが、そうなると旅人心としては、当然陸路での出国にこだわりたくなりますよね(*^.^*) 行きも帰りも同じ道だと面白くないから。

ただ、マレーシアのコタキナバルKota Kinabaruで情報を集めても、ネット情報をあさっても、安く早くに陸路で抜ける方法が、見つからないんです。明後日コタキナバルからフィリピンのマニラManilaに飛ぶチケットを持っているので、遅れは厳禁。途中でバスがなかなか来なくて飛行機に乗り遅れ・・・なんていう事態だけは避けなければならないのに。あ、もちろんお高い直行バスに乗れば良いんですけどね、やっぱりローカルさも楽しみながら移動してみたいです。

昨日バンガルBangarに行って、奥地でも道路の状況が良いことや、通る車の様子から「最悪でもヒッチハイクはできそうだ」と判断し、今日は全陸路で、途中刻みながら首都BSBからコタキナバルへ向けて移動することに決めました。ちなみに途中どこかで1泊することになるでしょう。どこになるのでしょう。それも分からないままの出発です。

まずは、ブルネイを内陸側から出国するために、首都バンダルスリブガワンBandar Seri Begawan、略称BSBからバスに乗ってクアラルラーKuala Lurah国境へ。歩いてすぐマレーシア側の同名の国境に着き、入国手続きを終えたら、目の前の町に出ます。町といっても「タウン」があるわけでもなく、ぽつぽつとお店が並んでいるだけ。肝心のバスなどは停まっていません。

そのお店、びっくり。
どの店もデカデカとビールの看板を掲げているのです。料金を聞いたらわーーすごく安い!!! マレーシアはイスラム教徒が多くお酒が飲めても料金が高いのですが、ムスリムの戒律などどこへやら、ここは免税価格でお酒が飲める場所だったのです。

お店でお酒を飲むおじさん・・・テーブルの上にはボトルが20本(^^;; 昼間から飲みすぎです。そのおじさんに、「バスなら午後に来ると思う」と言ってもらえ、続いて「私は仕事で今からブルネイに行くのだが、帰りにここに寄るからトラックに乗せてあげるよ」とも言ってもらえました。おじさんはラワスLawas在住とのこと。今日1日で確実にラワスに着けるのならば明日はほぼ間違いなくコタキナバル空港に間に合います。私たちは喜んでその提案を受け入れ、おじさんが戻ってくるまでここでビールを飲んで待つことにしました。

■ブルネイ人の大事な町
お昼時でもあったので、2人で2品のお料理と、缶ビールを2本注文しました。ここは瓶ビールよりも缶の方が安いです。国教がイスラム教であり、すなわちコーランの教えが法律にもなっているブルネイでは特別なところに行かないとお酒を飲むことはまず出来ません(しかも外国人の持ち込み量にも制限がある)。ビールを飲むのは久しぶり♪ しかも免税価格でやす~い♪

オープンエアの食堂ですから、心地よい風に吹かれ、気持ちよい午後を過ごせます。やがて、出所不明の冷えたビールが、次から次へと私たちのテーブルに並んでゆく・・・おつまみも・・・

あーれー\(^▽^)/\(^▽^)/ナンだか分かんないけど、嬉しいゾー!!

1つ奥のテーブルにいたおじさんと、続いて1つ隣のテーブルにいたおじさんと、更に続いて斜めむこうのテーブルにいた家族が、私たちに次々ビールをくれるんです!!!(ついでにおつまみも!!) 話を聞くと彼らは全員ブルネイ人でした。最初に大盤振る舞いしてくれたのはブルネイの軍人さんとのことです。彼らは、お酒を飲むことができないブルネイ人なのに・・・。


でもね、「イスラム教の国の人だからお酒を飲んではいけないのでは?」と外の人が言うのはNGなこと。戒律をどこまでどう守るかは個人が決めることだから。今を生きるムスリムの中には、断食月にちょっとおやつを食べる人もいれば、髪の毛を出して歩く女性もいれば、豚肉を食べる人もいれば、こうしてお酒を飲む人もいる。もちろんブルネイはコーランの教えが国教であり法律になっているので、国内ではお酒を飲むと犯罪になるのですが、こうして1歩ブルネイの外に出たら、人によってはこうしてお酒を存分に楽しむ、ということなんでしょう。


面白いなーと思ったのは、3種類か4種類くらいの銘柄がある中で、みんな「自分がコレと決めたお気に入り」を、最初にまとめて注文してテーブルに並べるんです。日本人の感覚に照らすと「複数の銘柄の飲み比べを楽しもう」とか、「1本ずつ冷蔵庫から出して常時冷えたものを飲む方が美味しい」という考え方もありますけれど、きっと日常の中でお酒に出会えない彼らは、お気に入りの銘柄がテーブルにずらーりと並ぶ様子も、これまたお楽しみの1つなのだろうと思いました。

ここは、国境線から数百m離れたマレーシア国内だけれども、「ここに来て、最もブルネイ人らしさを見た」とさえ思いました。お酒を飲むことではなく、旅人である私たちに、お金のことなどまったく気にせず大盤振る舞いをする姿に、です。ああなんだか、これぞ、文字通りブルネイのお金持ち。

 ・・・ここは、ブルネイ人の大事な町・・・。

ブルネイのお金持ち

みんな喜んで写真に映ってくれました。彼らは、合法にお酒を飲んでいる良い人たちです。

このお店でビール20本くらい飲みました。飲みすぎです。夕方になり例のおじさんのトラックが戻ってきて、車内でまた5、6本ごちそうになって飲み続け、すっかり酔ってしまったままブルネイのテンブロン地区を抜け、再びマレーシアへ突入。ラワスに着いたらまたおじさんがタップリのビールをごちそうしてくれる。本当に、ここまでビール漬けになったのって、いつ以来でしょう!?

今日はいろいろな意味で良い思い出が出来ました。最後の最後になって「これぞブルネイのお金持ち」っていう姿が垣間見れました。だから、心置きなくブルネイを離れることができました。
本日の旅
行動 :バンダルスリブガワンからラワスへ移動、ブルネイ出国、マレーシア再入国、マレーシア出国、ブルネイ再入国、ブルネイ出国、マレーシア再々入国
朝食 :Nasi Katok(ナシカトック、ごはんフライドチキンテンペ(発酵大豆)とインゲンの炒め物サンバル、バワンゴレン(揚げにんにく))/バンダルスリブガワンの市場
昼食 :Fried mee(フライドミー、焼きそば)、Chicken rice(チキンライス、骨つきゆで鶏を鶏スープ炊きごはんに添えて、ゆで鶏スープねぎ入りを添えたもの)、ビール、キャベツのオイスターソース炒め、サテバビ(豚肉の串焼き)/クアラルラーの食堂
夕食 :Fried fish Sweet and sour(フライドフィッシュスィートアンドサワー、酢豚の豚を揚げ魚に変えたもの)、ごはん、ビール/ラワスの食堂
宿泊 :ベニーおじさんち
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旅情報
1ブルネイドル=78円
1マレーシアリンギット=28.2円

*ブルネイドルとシンガポールドル
ブルネイドルとシンガポールドルは1:1の固定レート。シンガポールでもブルネイドルを使え、ブルネイでもシンガポールドルを使える。コインも使えるとのこと。両方の国の訪問を考えているのなら、1度にキャッシングや両替をすれば手数料節約になる。出国時にお金が余っても気にならない。