2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ボスニア・ヘルツェゴビナ>2009年05月02日(Sat)
★モスタル→サラエボ→ベオグラード行き夜行バス
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■首都サラエボ
モスタルMostarからサラエボSarajevoへは、列車を使いました。途中の峡谷風景や湖がきれいです。なんだか眠くてあまり見れませんでしたけど(苦笑)

列車駅を出て何とも無機質な周辺の光景に、あまり感じるものがないまま、街の中心部へと向かい始めました。

ところでね、私たちが持っている英語ガイドブックLonely Planet(今回はEurope on a shoestring版を使用しています)には、地図内の番号と説明の対応表が、「SIGHTS & ACTIVITIES(見所)」や「EATING(食べるところ)」や「SLEEPING(宿)」等に分かれています(それが見やすくて気に入っています^^)。で、サラエボの場合、「ホリデイインホテル」が、「SLEEPING」じゃなくて「SIGHTS & ACTIVITIES」に入っています。これ、どういうことだと思う?

ホリデイインホテルは、見た目は黄色い外壁、10階建てくらいの、ちょっと老朽化している宿です。写真の右に写っているのがそれです。そしてホテルの前は、空港へと続く大通り・・・。

スナイパー通り

それは紛争時より「スナイパー通り」と呼ばれていて、そこを歩く者はセルビア人スナイパー(狙撃兵)によって容赦なく遠方射殺されたそうです。当時ホリデイインホテルには世界各国から報道関係者が集まっていました。スナイパーに狙われながら、死の恐怖を背負いながらサラエボを取材した、命をかけたジャーナリスト達。

すごいね、本当すごいね。そのジャーナリスト魂に、敬服の思いです。涙が出そうです。そして、そのときのジャーナリスト達への尊敬を込めたのか、ホリデイインホテルは、銃撃されてボロボロになった建物でさえ、壊すことなく再建に利用したそうです。そこには泊まっていませんが、もし泊まっていたら、例えば窓からの眺め1つにしても、ぐっと感じるものがあったんだろうなぁ。泣いてるかも私。

市街中心部には、カトリック教会あり正教教会ありイスラムモスクあり。中心地でさえ建物には弾痕があり。200m×300mくらい? の狭い地区に、多宗教国家らしさが並んでいました。「カトリックと正教とモスク」の組み合わせに、見過ごせない史実が隠れています。それは言い換えると「クロアチア人とセルビア人とムスリム人」の組み合わせだからです。昔は多民族多宗教が混在できていたのだなと、サラエボ歩きではそれに気付くと楽しいです。

さて、今日は夜行バスに乗って、次なる国セルビアの首都ベオグラードBelgradeへ行こうと思います。夕方まで、休息を兼ねて、ちょっとお高いレストランで食事&食後のボスニアコーヒーを楽しみながら時間を過ごしていました。さすがオトマン(オスマントルコ)による改宗が進んだところだけあって、心なし、レストラン内装も壷料理も、トルコ料理店に来ているみたいでしたよ。

夜になって向かったのは、ベオグラード行きバスターミナルです。ここへ行くにはまずバスに乗って5km移動しないといけないのですが、その車窓風景も、これまた戦場地帯。

サラエボは、セルビア人、クロアチア人、ムスリムの「3 way war(三者戦争)」やクロアチア&ムスリム連合 vs セルビア人の戦いがあった場所。5km移動した先は、セルビア人地区です。

こういうことです。
 レクチャー ←入れてみた、可愛い?(笑)

    カトリック教会(※クロアチア人はカトリック)
    イスラムモスク(※ムスリム人はイスラム教徒)
     ↓
     ★バスに乗って境界ゆえの激戦地帯を越える
     ↓
    セルビア人地区(※ちなみにセルビア人は正教)
     ↓
    ここからベオグラードへ行く

★の上が「ボスニア・ヘルツェゴビナ連邦Federation of Bosnia and Herzegovina」、★の下が「スルプスカ共和国Republika Srpska」。ボスニア・ヘルツェゴビナという国を、およそ東西(ボ:西、ス:東)に分割する、クロアチア人&ムスリム人と、セルビア人の境でもあります。

ベオグラードは「セルビアの首都」だから、わざわざサラエボから出てスルプスカつまり「セルビア人地区」に行かないとバスに乗れないんですね。当然クロアチア方面へ行くバスは別のところから出ています(上述のホリデイインホテルの近く)。

しかし我ながらすごい! 社会よりも理科を取った人間が、よー勉強してるじゃん最近特に(笑)
帰国したら社会科の予備校講師になれるかも!? ぷぷ。 レクチャー レクチャー レクチャー レクチャー

明日はベオグラード。いよいよベオグラードだ。
歴史に渦を作ったあのユーゴスラビアの首都、ベオグラードへ向けて、バスは夜10時に出発しました。
本日の旅
行動 :モスタルからサラエボへ移動、サラエボ観光、ベオグラード行き夜行バスに乗る
朝食 :Burek(ブレック、パイ生地に具を包んでぐるぐる巻きにした細いものをさらにぐるぐる巻きにして焼いたもの、具は下味つきひき肉ソテー、こしょう風味じゃがいも、白チーズ、ほうれんそう炒めの4種)/サラエボの食堂
昼食 :Sarma(サルマ、米ひき肉のキャベツロール)、Sogandolma(ソガンドルマ、玉ねぎに米ひき肉を詰めて炊いたもの)、Sis cevap(シシチェバブ、牛肉と玉ねぎの串刺し煮込み)、Kuhami krompir(クハミクロンピア、塩ゆでじゃがいも)、Kajmak(カイマック、クロテッドクリーム)、ライス、Bosanski lonac(ボサンスキーロナッツ、牛角切りキャベツにんじん黒こしょうじゃがいも玉ねぎの壷煮)、pivo(ピーヴォ、ビールのこと)、Bosanska kahva(ボサンスカカーワ、ボスニアコーヒー)/サラエボのレストラン
夕食 :パン2種、野菜と魚肉のペースト/サラエボのバスターミナル
宿泊 :ベオグラード行き夜行バス

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旅情報
1コンバーティブルマルク=69.4円

*サラエボで美味しいブレック屋
列車駅の近くにホリデイインホテルがあり、そこを通り過ぎて大通りに出て、市街中心部へ向かう。ホリデイインと中心部の中間あたりに、進行方向右手に小さな食堂が見える(壁にはぐるぐる巻かれたパイ、ブレックを焼く絵が描かれている)。地元の人も車で買い付けにくる人気のブレック屋のようだった。今回の世界旅で各国で食べたブレックの中で一番美味しかったので是非!