2人の世界旅 日々の記録

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マダガスカル>2008年10月25日(Sat)
アンボシャリ行きカミオンバス→アンタニムラ→アンブブンベ→アンボシャリ
:: 旅534日め : 世界旅82ヶ国め : 和人216ヶ国め : あづさ103ヶ国め ::

■悪路とマラリアとの戦い
左右に、上下に、悪路は私たちを乗せたカミオンを強く大きく揺さぶります。その揺れは、今までアフリカの多くの国を移動してきたにもかかわらず、これからもきつい厳しい移動の思い出として筆頭格に残りつづけるでしょう。特にあづさは、マラリアを思わせる40℃の急性発熱と頭が割れそうなほどの頭痛と戦っています。

深夜もカミオンは走り続けます。ガツンと体に衝撃がぶつかると、うとうとしていても目が覚めてしまい、そして、「ああまだ走っている」と虚しくなる。空が暗くても、薄明るくなってきても、大地震のような揺れは続きます。

やっとカミオンが停まった・・・朝5時すぎ、名を聞くとアンタニムラAntanimoraという村のようです。バスから降りた直後、まっすぐ歩けない自分を自覚しました。高熱なのに絶えずあんな大揺れの中で耐えてきたのでは、平衡器官ももはやノーマルには働かないということでしょう。

野で隠れてトイレを済ませ、あとは、おばちゃんの切り盛りする路上の食堂の椅子に座っていました。

アンタニムラ

抗マラリア薬は効いているとは思えるのですが、熱はあります。立って歩けないので散策などとてもできないのですが、路上の椅子に座っての、人々の生業(なりわい)を、ゆったりと見ることができました。

コーヒーを大量に布で濾し、砂糖を溶かして魔法瓶に入れる少女たち。あとでそのコーヒーは商売の品になります。魔法瓶に入りきらなかったコーヒーは、子供たちが分け合って飲んでいます。子供にコーヒーは毒なんて言って日本人は子供への飲用を避けたがるけれど、ここではそんな概念はないみたい。みんなすくすくと育っていますもの。それでいいのかもしれませんね。

鶏は「アクー」と呼ばれ、マダガスカル料理には欠かせない食材です。お店のおばちゃんが「今日はこれをさばく」と決めたものを、実際にさばくのは少年たちの仕事のようです。首を切り、羽をむしり、毛を焼き、その手つきは、大人顔負け、の一歩手前くらい。もう少ししたら一人前になれそうよ。

あづさがマラガシー(マダガスカル語)で「インナユン?(これは何?)」と聞いて「ボクボーク」と可愛い名前が返ってきたのは、まんまるの可愛い揚げパンです。揚げ物は危険だからでしょうか、ちっちゃい子ではなく、中学生?高校生? くらいの少女の担当みたい。

そんな感じで、このアンタニムラ村では、素朴な朝仕事の生業を、ずっと眺めていたのでした。高熱の身でも、これぞ旅って思える、旅のときめきを感じる時間は過ごせます。

■アンボシャリ到着
午後になり、私たちを乗せたカミオンはアンボシャリAmboasaryに到着しました。このカミオンの終着地はフォールドーファンFort Dauphinですが、私たちはベレンティーBerentyの最寄りであるこの町で下車します。フォールドーファンには何の用事もないのだからここで降りてよいのです。

下車してまず思ったこと。「ああこれでベレンティーロッジに行ける・・・」

首都アンタナナリブAntananarivoから南部アンボシャリまで、片道何日かかるかすら分かっていないのに(移動手段が毎日ではなく何曜日にあるのかすら分からなかったためです)、人気のあるベレンティーロッジに泊まるためには早いうちからの予約が必要なのです。いろいろを考慮し、27日の予約を入れたのですが、移動手段が不確実なマダガスカルですから、アンボシャリに到着したときには、本当にほっとし、今まで入っていた力が薄れるような思いを感じました。

結局、このマグニチュード6カミオンには32時間乗っていました。脳みそ、どこか融けてそうです。高熱ということもあり、和人が宿を探してくれました。バス下車地点から100mそこそこの距離なんですけど、宿に着くまでが遠く感じられました。

近所の子供がわいわいと覗き見にくるようなスカスカ造りの水浴び場で水シャワーを浴びて、あづさは布団に入って寝ました。水を浴びたばかりなのに体は熱いし、何より頭が痛い・・・脳みそ、やっぱりどこかやられてしまったのかも?

和人はその後の時間、日記を書いたりしていたようです。

ベレンティーロッジの予約は明後日ですが、本当なら明日行きたい。でもでも、本当の本当なら、個人で訪問することが禁止されているところに予約が取れたので、いまさら変更の電話でもして「やっぱりダメです」なんて言われたら元も子もないですよね。それ以前に和人は始終「寝とけ!」と言い続けますし。

そういう相談などをし、明日は動かず、「あづさ寝る日」と決まりました。
本日の旅
行動 :アンボシャリへ移動
朝食 :ボクボーク(丸い揚げパン)、カフェ(濃くて甘いコーヒー)/アンタニムラの路上ごはん屋、Akoho sauce(アクーソス、鶏のトマト煮込み)、Vary(ファーリ、ごはん)、Rano vola(ラヌフラ、おこげ茶)、Yaourt maison(自家製ヨーグルト)/アンブブンベの食堂
昼食 :Potikena(プティケーニャ、ひき肉そぼろ煮)、ファーリ(ごはん)、Rano vola(ラヌフラ、おこげ茶)/アンボシャリの食堂
夕食 :ミサオ(カレー粉で風味をつけた野菜入り炒めスパゲティ)、千切りキャベツサラダ、カレー味野菜炒めサンド/宿
宿泊 :ビラアナースVilla ANA's

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旅情報
1アリアリ=0.056円

*アンボシャリの宿
宿は少ない。確認できたのは2軒で、うち1軒は開店休業状態?を思わせるもの。泊まった宿はバス乗降所(食堂も並ぶエリア)から東(大橋と反対方向)へ数十m。