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■マダガスカル最終日です
長かったマダガスカルの旅。なんたって、22日間もの時間を割きましたから、今までの旅のペースからすると、やっぱり長いなぁと感じてしまいます。旅していても長いなぁと思ったけれど(特に、目的を達成してしまったムルンダバのバオバブ野宿以来、今日までが長い!)、こうして旅日記を書いていても、長い!! 書いても書いてもまだマダガスカル終わらないよっ(笑)
でもね、今日がマダガスカル最終日です。明日はマイヨットへ行く飛行機に乗ります。
あづさは、今まで食べたマダガスカル料理のことなどを、豪邸のメイドさんにいろいろと質問したくて(メイドさんはもちろん地元の主婦です)、今日はこの豪邸にいることにしました。
実は和人は、大きな問題を抱えています。マダガスカルを旅しているとき、背中を虫に喰われました。虫刺されだけならマダガスカルを旅するほぼ全員が体験することなので良いのですが、そのとき雑菌が入ったのか、日に日に紅斑が広がり、内部に膿がたまり、隆起が著しくなってきました。
で、和人はアンタナナリブAntananarivo市内まで出て、日本大使館の医務官を訪問し、薬をもらって帰ってきました。治るにはかなり時間がかかるようですし、「これでは治らないかもしれないからそうなかったら病院で入院だよ」という言葉をもらったほど、かなり深刻な状態のようです。
和人はさらに、市内で明日の空港行きバスについても調べてきてくれました。写真はタナの街。鉄道駅だそうです。
■マダガスカルの旅を終えて
マダガスカル到着の日の日記にも書きましたが、あづさにとって、この国の旅の魅力はあまり感じられず、事前の期待度はどうも低い国、というのが正直なところでした。事実来てみると、ぼったくりもうそつきもいっぱいいるし、かなりこの国の初期からげんなりしていたのが本音です。物価が安く人々の収入の少ない国ではつまらない手段で金を得る人が尽きないのは、仕方ない。そんなしょーもないことを真剣に受け止めては苦しいだけだと分かってはいるけれど、それを気持ちよく思うはずがない。
そんな思いを、最初に消してくれたのが、人々の笑顔でした。写真館のページでも、人々の笑顔がいっぱい出てきます。マーケットで野菜を切り売りする女性、麻の葉から繊維を取る女性、麻の繊維を編む女性、薪を運ぶ少女、・・・みんな、外国人(私)がカメラを向けているのに、カメラではなく私に笑顔を返してくれます。カメラを持っていなくたって、多くの人が笑顔で接してくれるのです。私は、ただの通りすがりなのに、ちょっと振り向いてみただけの外国人に、みんなが微笑みを見せてくれる・・・フィアナランツォFianarantsoaにいるあたりから、ちょっとこの国の旅を頑張ってみようかと思えるようになってきた。
私は、“マダガスカルにしかないもの”を最大限に楽しみたいから、ワオキツネザルのしっぽとおそろいのマフラーを用意してベレンティーBerentyへ行き、バオバブ街道で野宿するという無謀な計画を立て、マダガスカルにその2点の夢を持ち、その夢をつかもうとしていました。
私の夢は、どんなにマダガスカルにいたとしても、それらが叶えられる2日に集約されていたのです。
そして、その夢に届きました。
誰に理解してもらえなくても、特に目新しいことじゃないと言う人がいたとしても、私には、ものすごい達成感のあることなのです。誰に自慢したいということでは決してなく、自分の気持ちの中の小さなスペースで感じる、自分が1人で泣くだけの達成感。
何故泣けるのか?・・・マラリアだけでも苦しいのに肺炎も合併してしまい何をやっても治らなくて真剣に死ぬ覚悟なんか始めてしまい、荒れた悪路での全身強打の超長時間移動は苦しみだけの時間であり、ついでに言うと鼻水が滝のように出る中で食べるカニは時間が経つほどにしょっぱくなっていき、ひょっとしたらろくなことがなかった22日間だったかもしれない。
あ、でも、マダガスカルに行ってみようかなと思っている人がこれを読んでいたら、私は「是非行ってきてよ」って言うと思います。国内線も発達しているから辛い移動は余裕で回避できるし、食べ物も美味しく物価も安く、一部ボリボリだけど人は良いし、なにより“マダガスカルにしかないもの”の魅力がある。日本とはいろいろなことが違うから日本人の旅には良い所だと思う。
さて、初めてマダガスカルへの旅に興味を持って10年、夢みる2日は10年に比べたら短いけれど、自分の中で泣けるくらい達成できた。・・・辛いこと続きだったマダガスカルの旅だから、終わってみるとあの旅のすべてが輝いている。旅した22日間も夢見た10年間もすべて輝いていると思える。
夢と辛さのあとの達成。
そんなマダガスカルに、思い残すことなど、あるわけない。
明日はマイヨット。・・・さあ行こう! これからも新しい国々へ!
本日の旅
行動 :アンバトベ滞在、アンタナナリブ日帰り
朝食 :昨日の夜のサラダ、バゲット/グウェナウェルおばさんち
昼食 :バゲット、チョコレート/グウェナウェルおばさんち、Yaourt maison(自家製ヨーグルト)、肉まん、マサガ(生ガキ)、Soupe Chinoise(スープシノワーズ、かんすいなしの白メンに具を乗せておき、客の注文が入ったら中華スープを注ぐ)、グアバジュース/アンタナナリブの路上ごはん屋、Omby(オンビ、牛肉のトマト煮込み)、Vary(ファーリ、ごはん)、Rano vola(ラヌフラ、おこげ茶)、スープ/アンバトベの食堂
夕食 :ライス、豆のミキサースープ、チキンのピーナツマスタードのクリーム煮、Yaourt maison(自家製ヨーグルト)/グウェナウェルおばさんち
宿泊 :グウェナウェルおばさんち
旅情報
1アリアリ=0.056円
*マダガスカルの国名の由来
「マラ(山)」+「ガシー(人)」、つまり山の人っていう意味だったのですね。でももともとは海を渡ってたどりついた海洋民族の国です。