:: 旅165日め : 世界旅39ヶ国め : 和人214ヶ国め : あづさ60ヶ国め ::
■モーリタニアへ行く
私たちは、今日次の選択の答えを出さなければなりません。
1)水曜日まで待ってダウド氏の車に乗って移動する。移動の足はすでに確約済み。
2)今日月曜日に移動を開始する。公共移動方法がないエリアなだけに、どうやって移動するべきか、安い移動手段は果たして見つかるのか。
気持ちは、2。
旅を動かしたい、動きたいという気持ちが、楽な方法である1を上回っていました。
キュビエラおばさんが乗り合いタクシー乗り場を見つけてくれ、料金を交渉してくれることで、やや安い移動手段も見つかりました。タクシーはまもなく出発するとのこと。別れの覚悟はしていて、荷物もまとめていたものの、突然これまでの仲間と別れを迎えることは寂しいこと。優しく、いろいろなことを教えてくれ、私たちの旅を支えてくれたダウド氏、私たちをホリブガの自宅に2泊も招いてくれ、素晴らしいモロッコの体験をさせてくれたモハメッドおじさんと、涙ながらにお別れをしました。
料金は、約束の国境よりも手前のダクラDakhlaでお別れすることで、1人25ユーロの約束から20ユーロへとダウド氏への支払いが変更になりました。4泊5日の体験と移動と宿泊がすべて含まれて1人20ユーロだなんて、本当、ダウド氏の優しさ価格としか言えません。
■しんどかった国境越え
モロッコ・西サハラ側とモーリタニア側の国境は、以下のようなイメージをもってください。
*簡単概略図
Aエリア(モロッコ・西サハラ) |←国境1 (Bエリア:数km) 国境2→| Cエリア(モーリタニア)
一般的に「国境」というと、2つの国の境目を一本線としてイメージしがちなのですが、ここの場合は、国境ポストが2箇所あり、国境間地帯Bエリアがあるのです。私たちが乗った乗り合いタクシーが入れるのはAエリアのみ。私たちは国境1で手続きをして、歩いてBエリアを渡る気マンマンで臨みましたが・・・
国境1のパスポートチェックで、
検問職員:「どうやってモーリタニアに行くの?」
私たち :「まふしゅあぴえ」(歩いて行きます)
検問職員:「車は?」
私たち :「ぬなぼんぱっどぼわちゅふ」(車持っていないんです)
検問職員:「だめ!(パスポート没収)」
・・・ダメだったか・・・。
そうなると、今度はBエリアを運んでくれる車を探さなければなりません。
ここでまた料金交渉とかになっても面倒だし、お金はかからないほうが良いし・・・。
あづさが何台もドライバーに当たって、車に乗せてもらえるよう交渉の連続。
何台も当たって、やっとヒッチハイクに成功。車のナンバーとドライバー名を書いた紙を検問職員に渡すと、出国書類にそのナンバーを書き、パスポートを返してくれ・・・
検問職員:「English is not good. You must speak French in West Africa.」
・・・このおじさん、英語も話せるのですね。
フランス語の単語が出てこないとき英語を混ぜてしまっていた私たちに、もっと勉強しなさいと教えてくれたのでしょう。
私たちはスペイン語を話すおじさんの車に乗って、モーリタニア側国境へと移動しました。
国境間エリアBは、廃車が幾つも幾つも捨てられていて、まるで車の墓場でした。
実はこのあたりは、地雷地帯でもあります。モロッコはモーリタニア国境(国境2)に沿って「砂の壁」と呼ばれる地帯を築き、ポリサリオ戦線を脅かしているのだそうです。砂の壁は、そう思って見ると、怖い地域です。もちろん車が通るところにはもはや地雷はないのでしょうけれど、時折車の轍(わだち)から離れたところに人が立っているのを見ると、地雷は大丈夫かと思ったりもしました。
おじさんが乗せてくれるのは国境2まで。
国境2でのパスポートチェックは難なく終了し、これで一応無事にモーリタニア入国ですが・・・。
ここから再びヒッチハイクの開始です。今日は「あづさ頑張るデー」(!?)らしく、さきほどの続きで、再びヒッチハイク探し。何台目の車でしょう? モーリタニア人に乗せてもらえることになりました。でも、モーリタニア人は、ヌアディブNouadhibouとヌアクショットNouakchottとの分岐点手前で運転休止。あーあ、またここで車を探さなくちゃ・・・。
本日3台目のヒッチハイク・・・もう夕暮れだし、こんなんで今日、宿がある町に着けるのかなあ(ρ_;)
・・・と思っていたら、車が止まってくれ・・・
あーれー?
なんと、1台めのスペイン語のおじさん再登場。
私たちと同じくヌアディブへ行くとのことで、移動の足も安心。
しかも、車中に両替商のおじさんも乗っていて、当面のウギア現金も入手できて安心。
午後3時に国境1に着いてから、ヒッチハイク3台を含め、ヌアディブに到着したのは夜8時でした。
ホント、暑い暑いサハラ越え、しんどくもあるけれど、とっても充実した旅の一日でもありました。
ヌアディブは砂の町、地球の砂漠化を感じる町。
モーリタニアに入り、いよいよアフリカらしいアフリカへと、旅が進んできたことを感じました。
本日の旅
行動 :ダクラからモーリタニアのヌアディブへ移動
朝食 :菓子パン、コーラ/ダクラから国境1へ向かう乗り合いタクシーの中
昼食 :タジン、パン、フライドポテト/国境1にあるレストラン
夕食 :Couscous(クスクス、モーリタニア風で肉と玉ねぎの煮込みかけ)、Vermissele(バルマッサル、細く短いパスタの油絡めに肉と玉ねぎの煮込みをかける)/ヌアディブのレストラン
宿泊 :キャンピングベーデュリブリーエCamping baie du Levrier
旅情報
1モロッコディルハム=15円
1モーリタニアウギア=0.5円
*余ったディルハムの使い方
もちろんモーリタニアで再両替も出来るし、国境近くで両替商人が声もかけてきてくれる。しかし再両替はレートが悪いものなので、できれば、せめて小銭だけでもモーリタニア入国前に使い切りたい。
ダクラ→国境までの乗り合いタクシーは私たちの場合1人150ディルハム。また、国境にはレストランがあり、タジンが30ディルハムから食べられ、スナックなど小額のものも買えるので、そこそこのディルハムはここで使い切ることができる。