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■悲惨なバス移動・3日目
補助席含めても30席にも満たない小さなバスに、どう見ても30人以上が寝る光景は、まるで監獄のよう。
だから、あまり眠れませんでした。
空が明るくなってきても、外は一面の深い霧なので、何も見えません。ここはザンベジ河(ビクトリアフォールズがある河の下流)なので、その雄大な河川の姿は如何なものだろうと、昨夜から楽しみにしていたのに。
この河を車両が越える場合は、車ごと渡し舟(フェリー)に乗ります。そのフェリーは朝7時には運行開始とのことでしたが、どうやら霧が深くて動かせない様子です。でもこの霧がかかるザンベジ河の光景は、神秘的で素敵です。
監獄のような車内は居心地が悪いし、外の霧の風景も素敵なので、しばらく外にいることにしました。あづさはカップとティーバッグを持って、近くの食堂を訪ね、お湯をもらうことにしました。ヤカンの中のお湯はザンベジ河の茶色い水でした。うーん、と思いながらも、「ここの人たちはこの水で生きているのだから私だって大丈夫だよね?」と、根拠の弱い発想から、それでもそこにいた子供とおじさんが沸かしてくれたアツアツのお湯を、ありがとうの気持ちで頂戴したのでした。
私たちは、海外旅行で滅多にミネラルウォーターを買いません。買うときは、他に水を得る方法がなくミネラルウォーターだけが売られている、といったケースのみで、アフリカの水道水も井戸水もカメの中の貯め水も、現地の人が飲む水なのだからと、ごく普通に飲んでいます。最後にミネラルウォーターを買ったのは・・・えーとえーと、・・・あれ?中国? それって旅立ち1ヶ国めじゃん(笑)
朝9時、ようやく霧が晴れました。雄大なザンベジ河には現在大きな橋が建設されている最中でした。無事に河を渡り、そして再び厳しいバス移動を再開し、バスは午後1時すぎに、やっと目的地ケリマネQuelimaneに到着!!
もう、足は、浮腫み(むくみ)を通り越してカチカチでした。バスから降りてまず最初にアキレス腱伸ばしから始めたほどです。マリの首都バマコBamakoからセネガルの首都ダカールDakarまで52時間のバスに乗ったのが、最近までの“単一バス移動の最長記録”だったのですが、それでもそのバスは、国境を越えるときの出入国手続きもあり、途中の休憩ストップもしばしばあり、外に出て足を伸ばし深呼吸をして食事やトイレを済ませる時間がありました。でも今回のマプトMaputoからケリマネのバス移動は、休憩がほとんどない53時間の移動です。実際は朝4時半出発と言われていたのが朝8時半の出発となったため、更に4時間バス車内で拘束されているのです。
“単一バス移動最長記録、57時間!! 記録更新おめでとー”・・・(ToT)号泣
でも、ま、これがモザンビークってやつですわ。
日本から飛行機に乗って海外に行くとき、エコノミークラスの座席に13時間とか座っているだけでも、辛いこと、ありませんか? それを思い出してくだされば、57時間が、どんな地獄か、かけらが見えるでしょうか・・・?
さてケリマネに着いた私たちは心も体もへろんへろんです。でも幸いターミナルの筋向かいが安宿だったので、早速とばかりに朦朧(もうろう)としながらも頑張って部屋に入りました。
嬉しかったことがもう1つ。
南部アフリカに入り、ナミビアの首都ウィントフックWindhoekに着いてからは、旅の容易な“旅行者天国”に来てしまったわけで、安く泊まる宿といえばバックパッカー宿となります。ドミトリー(相部屋)が主体で、共同キッチンや共同リビングがある宿は、欧米人の生活水準に合わせて作ってあります。そのためトイレやシャワーの水準が高いのは良いのですが、そこは、その空間は、明らかに欧米であり、アフリカではありません。
西アフリカや、中央部アフリカの、あのカラリとした黒人宿が懐かしい。「部屋にベッドしかなくてもトイレが野でもシャワーがバケツ冷水でも、アフリカを旅したくてアフリカにいるのだから、アフリカらしいあの宿に泊まりたい!!」・・・ナミビア、南ア、レソト、スワジランド、モザンビークの首都マプトと経て、そういう欲求が募っていた頃、本当に久々に、安かろう悪かろう、でもアフリカらしさが満点の良い宿に出会えました。宿のおばちゃんが食べさせてくれた「ムクワーニ」というイモの葉をどろどろに煮た、いかにもアフリカらしい料理にも、美味しくて涙が出そうだった。
「ああ~、これぞアフリカだ~~」と、妙に安堵を覚えたのは本当の話です。
明日のナンプラNampula行きのバスは朝4時出発だそうです。だから明日は朝3時起きとなります。だから今日は、8時には寝床につきました。
本日の旅
行動 :マプトからケリマネへ移動3日目、ケリマネ観光
朝食 :マヨネーズチーズパン、バナナクッキー、レモングラスブレンドルイボスティー/バス車内
昼食 :ミカータ(とうもろこし粉とバナナと砂糖を練って葉で包んで蒸したもの)/バス車内、フランゴ(鶏オニオントマトのチキンスープ煮)、シマ(とうもろこし粉を炊いたもの)、ビール/ケリマネのレストラン
夕食 :ガリーニャ(鶏の炭火焼き)、アロース(白いごはん)、トマト玉ねぎ煮ソースをかけていただく/宿
宿泊 :サレアミシャンデSale Amichande
旅情報
1メティカル(メティカシュ)=4.6円
*マプトからケリマネへの移動
途中、ベイラやヴィランクロの町を乗り継ぐ方法もあるが、それだとメインルートからの分岐の距離が長く、移動に無駄が出るともいえる。私たちはマプト発ケリマネ行きダイレクトバスに乗った。マプトを朝4時半に出るバスを目指して早起きしたが、実際の出発は朝9時。ケリマネ到着は翌々日の午後、つまりこの中に60時間近くもいた。1人1200メティカル。