旅して » 旅紀行 » エッセイ »

深夜に空港へ到着したら?

 夜遅く見知らぬ国に到着するのは、非常に嫌なものです。特に自力で宿探しをするバックパッカーにとっては、危険の伴う夜の宿探しはシリアスな問題となります。しかし安い航空券を選ぶと深夜到着便になることが多くなってしまう。友人などに相談された時には、初日はホテルの予約をしておくか、空港のツーリストインフォメーションで相談すれば良いなど、常識的な答え方をしていますが、私自身は基本的にはこのような事はしていません。その時々で対応しています。具体的に今までどうしていたのかを列挙してみますので、自分に合った対応策をお考えください。

 初めての深夜到着となったのはニュージーランド。まだ学生の頃で旅行経験も少なく不安であった。しかし、この時は事前に空港で眠れるという情報を得ており、入国後すぐに聞いていた出発ロビーへ。他にも数人の旅行者がそこで寝袋を広げていたので一安心、熟睡できた。この時の寝心地が良かったので帰国前日も泊まりましたが、その時は私一人。そうなると緊張するので熟睡はできません。
 翌年のフィリピン旅行では定刻でも夜遅い飛行機到着が、ディレイで午前1時頃の到着。ツーリストインフォメーションで宿を聞いてもらったが、高級ホテル以外はこのような時間では連絡がつかず。横になれるような雰囲気の空港ではなく、4時までベンチで待って始発バスで街に出た。明るくはなったが宿探しできる時間ではなく長距離バス乗り場へ行って、そのまま数百キロ北にある目的地へと向った。
 同じ年のメキシコ、またディレイで深夜の到着。最終の地下鉄で街に出たが、安ホテルの入口はどこもがっしりと閉まっており、開いているところを見つけるのに非常に苦労した。荷物を背負って人通りのない深夜の街を歩くのは恐くて、これはかなり悲惨な体験。
 さらに翌年のマレーシア、コタキナバル。前年の経験から街に出るのが恐かったが、タクシーの客引きの感じが良く、空港も締め出されたので、タクシーで街に出た。この時は日の変る前で、時間が早かったせいもあり無事安宿にたどり着く事ができた。
 2年後のバンコック。バンコク発チェンマイ行きの夜行列車に間に合う時間であったので、空港駅から夜行列車に乗った。
 翌年カイロ。時差ぼけがあり、眠くもなかったので朝まで空港で待つつもりであったが、同じ飛行機の日本人夫婦に頼まれて客引きと交渉した。泊まる気のない私が窓口で交渉したためか、非常に安くなり、タクシーで中級ホテルへ行き泊まった。
 またその翌年セントルシア。ここの空港はただの掘っ立て小屋である。唯一の旅行者であった私には、入国係官がツーリストインフォメーション職員を呼び、相談の上、宿とタクシーを指定された。入国時に問題を起こしたくないし、一番安い宿と頼んで指定された宿が、ガイドブックに一番安いと書いてある所だったので素直に指定にしたがった。
 同じ年のサンチアゴ。一度泊まっていたホテルに行って扉をがんがんたたいて、宿の人を起こした。顔を覚えてもらっていたので、入り口を開けてもらっただけ。チェックインは翌日回しで、自分でベッドを見つけてすぐに眠った。実はこの時大事件があったが、その話はまたの機会。
 以降、西サモア、パリ、ダカール、チュニスなどでも深夜の到着となりました。無理して街に出ても大変な事が身に染みてきたのと、無職で貯金がどんどん減っており金をケチりだしたのとで、空港で寝ることを前提に、到着するとすぐに寝場所を探すように今ではなっています。経験上大きな空港なら朝まで待てる場所は簡単に見つかる。しかし横になって眠れる空港は少数派。治安上の問題があるので仕方ないですよね。

 さらに帰国時も深夜到着経験があります。一度は成田。夜間発着制限ぎりぎりの時間に到着したのに荷物が出てこない。待たされた挙句、結局ロストバゲージ。同じ便で荷物がなくなった人と一緒に朝まで飲み屋で過ごしました。そしてもう一度、今度は関空。飛行機のディレイ、ここは24時間空港なので何時でも到着してしまいます。この時はキャセイ航空でしたが、空港ホテルを提供してくれ、ゆっくり休めた。ついつい翌日昼のチェックアウト時間までホテルで過ごしてしまった。

 慣れからか最近は深夜到着がそれほど嫌ではなくなり、それより早朝出発の方が嫌になってきました。しかし我ながら深夜到着があまりに多いので改めて驚いてしまう

Q&Aへ

エッセイ