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■コーカサスの旅の始まりへ
「コーカサス」、それは、カフカス山脈に沿う地域を指します。山脈より北を北コーカサス、南を南コーカサスと呼びます。北コーカサスはロシアの構成地域(チェチェン共和国、北オセチア共和国、アディゲ共和国など)ですが、南コーカサス3国は独立国(アゼルバイジャン、グルジア、アルメニア、いずれも旧ソ連)となっています。
イランからコーカサスを経てトルコへ行くとなると、イラン→アゼルバイジャン→グルジア→アルメニア→グルジア→トルコ、という順序で訪問するのが、スムースです。グルジアを2度旅することになるのは、アルメニアとトルコ間の国境が開いていないためです。
ということで、前置き、例によって長くなりましたが、今日からは南コーカサスの旅のスタート地点として、アゼルバイジャンへ。
昨夜イランの首都テヘランTehranから乗ったバスは、朝5時半頃イラン北部国境のアスタラAstaraという町に到着しました。朝が早すぎたのでしばらくバス車内で寝ていると、バスのおじさんに追い出されてしまいました。ちえ。
外は大変に厳しい寒さです。先月までアフリカにいたのに、なぜ今極寒のアゼルバイジャンへ行くのか・・・? 長旅ではすべての国でベストシーズンを狙うなんて無理なんですけど、もうちょっと何とかならなかったのかと、反省点もちらほら。
最後のイラン式チャイ(紅茶)を飲んだら、タモジェニ(イミグレーション)に並びます。
「タモジェニ」っていう言葉に、「ああ、また、ロシア語圏にやってきたんだなあ」と、世界旅2ヶ国目カザフスタンや、3ヶ国目ロシアの思い出が蘇ってしまいました。あの頃は、まだ世界を知るスタートをきったばかり。思い出すと懐かしいことがいっぱいあります。
イラン側イミグレーション、難なく通過。そして歩いてすぐのところにアゼルバイジャン国境があり、乗ってきたバスが入ってくるのを冷たい風の吹く屋外で延々3時間も待ったのでした。
「さーむーいーーー!」 ←ずっと心の中で叫んでいた。だって極寒なんだもの(苦笑)
アゼルバイジャン側の入国検査は、どうやらバス貨物のせいで時間がかかったみたいです。
さて国境を出発したら、とたんに風景が変わりました。「旧ソ連」っていう感じの家並みが続きます。石造り、レンガ造りの、・・・何というか、北の国の絵本に出てくるような風景がふっと目に飛び込んでくるんですよね。またしばしば町の看板にロシア語が見られ、これまで続いたアラブ諸国やイランとは全く違う旅が始まるのだと、わくわくしてきました。
写真は途中下車で立ち寄った食堂です。夜行バスは疲れるけど、食事休憩では、アゼルバイジャン人おばさん(写真左)や、パキスタン人おじさんたち(写真右)と共に、楽しくお皿を囲めました。
なお、イランではストイックにスカーフを巻いて髪を隠していたおばさんが、イラン出国と共に途端に髪を出すようになったのが、印象的でした。
アゼルバイジャンはカスピ海(大洋ではなく、陸地に囲まれた塩湖)に面した国で、また産油国としても知られています。カスピ海に要塞のように浮かぶ油井や海岸を網羅する石油パイプラインなど、さっそくアゼルバイジャンらしい光景にも出会えました。
今日の集着地は、首都バクー(英:Baku、ア:Baki)です。バクー到着の時点で夜7時、そこから安い宿を探し回ったため、一息ついたらもう遅い時間となりました。観光は明日から頑張ります。
本日の旅
行動 :アゼルバイジャン入国、バクー到着
朝食 :チャイ(紅茶)、ナン(薄いパン)/アスタラ(イラン側)の食堂
昼食 :Dorga(ドルガ、チャイブイタリアンパセリディル香菜などのハーブとごはんつぶが入った温かいヨーグルトスープ)、Bors(ポーシュ、羊肉多めのキャベツにんじんが入ったトマトシチュー)、Sarati(サラト、赤キャベツ酢漬けとラディッシュのサラダ)、ショーシュ(ヨーグルト)、チョレーチ(パン)、チャイ(レモンの入った紅茶)/マサレの食堂
夕食 :Toyuq(トユーク、鶏のロースト)、Baliq(バルーク、白身魚の内臓を取ったまるごと唐揚げ)、Tursusu(トルシュ、キャベツの酢漬け)、ピーヴァ(ビール)、チョレーチ/バクーのカフェ
宿泊 :ジャヌブホテルCanub Hotel
旅情報
1アゼルバイジャンマナト=134円
*イランからアゼルバイジャンへの国境越え
国境名はどちら側もアスタラ。私たちはテヘラン-バクーの直行バスを使い、イラン側アスタラには午前5時到着、午前7時にバスから降ろされ、午前8時頃にタモジェニ(イミグレ)が開き、出国手続きはスムースに行えた。しかし徒歩でアゼルバイジャン側国境へ渡ると極寒の中(2月下旬)約3時間も外で待たされた。待った原因はバスの貨物チェックに時間がかかったためで、チェックが早く終わったバスの乗客は短時間の待機で済んでいる。もしテヘランから国境アスタラ行きのバスに乗り、アゼルバイジャン側から別のバスに乗るようにすれば、国境での長い待機はないだろう。なおアゼルバイジャン側には両替商がいないので、余ったイランリアルはイラン側のアスタラの町で再両替しておこう(イミグレの目の前に両替屋多数)。