2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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ケニア>2008年12月16日(Tue)
★ロドワー→カラコル→カタボイ→ロアレンガク
:: 旅586日め : 世界旅85ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ106ヶ国め ::

■いよいよ、不可能ルートへ
私たちが目指す道は、間違いなく、この旅一番の、「挑戦」になるでしょう。それはトゥルカナ湖西岸を北上してエチオピアに入国することです。ナイロビNairobiにいるときに、諸々を考慮してこの道をとることに決めました(詳細は≫11月30日日記参照)。

いよいよ、今日からそのルートへ始動することにしました。でもそうなるとここは先進的なこと(メール送受信とかコピーとか)ができる最後の町でもありますから、雑用もこなさなければならず、出発は遅れました。シェアタク(乗り合いタクシー)が出発した時点で午後3時すぎなので、旅の移動開始時間としては遅すぎる感もありますが、最初の目的地カラコルKalokolまでは車で1時間の距離にあることから、問題ないだろうと踏んでの行動開始です。

でも実は、シェアタクが出発する前に、「ロアレンガクLoarengak(トゥルカナ湖西岸を北に行ったところにある町)に行くトラックは、明日の朝8時にここを通るよ」なんて言う人もいました。その言葉は当てにせずにカラコルに来たわけですが、カラコルに着いたところでも、「ロアレンガクに行く車は、明日の夕方ここを通るよ」と村人は言うのですね。

車が明日来るならば今日はこの町に泊まればよいだけのことなのですが、ちょっと宿探しをして部屋を見せてもらったら、・・・今まで安宿に泊まってきた私たちでも、「ちょっとこれは・・・」と思う部屋。埃をかぶったベッドに敷かれた埃まみれのゴザなど、これではちょっと寝られませんし、シャワーの水も別料金という宿です。

「他に宿、探すかぁ」と、途方に暮れて、あづさが外に出たら、むむ? 日本の国旗が描かれたトラックはっけーん! 会話のきっかけには良いものです。「おじさんこの車ジャパンですね!」なんて声をかけました(後から森首相より日本から寄贈されたものと分かりました)。そこから話を進め、私たちがロアレンガク経由でエチオピア国境まで行きたいことと、良かったら乗せてほしいという希望を伝えると、ドライバーは「ノー」の一点張りです。何回かお願いしても「メリル」と言います。・・・ああ、なるほど、分かりました。殺人強盗団がいるのですね・・・。

食堂内で座っている和人に「エチオピア国境行き見つけたよ!」と報告すると、驚いてくれました。何日ここで車を待つか分からず、またその覚悟も持ってきているだけに、1時間もかからずに車を見つけたことに、驚いてくれたのでしょう。和人と2人でドライバーのところに行き、乗せてほしいことを再度伝えると、ドライバーが「じゃあボスに聞くから」と言ってくれました。私たちにとっては幸いなことに、そのボスは、かつて日本の招聘で日本に2ヶ月滞在したことがある、大変な親日家だったのです。

ボスは私たちの乗車を認めてくれました。ヤッター!! 秘境ルートの最初の関門が、「トゥルカナ湖を北上するトラックのヒッチハイク」だっただけに、しかも最良の条件の車が、カラコルで1時間待っただけで見つかってしまった・・・、「神はこの道を進めと言っているのだ!!」と思いたくなるほど、第一関門は大・大・大成功だったのです!!

こんな高い荷台に乗って、しゅっぱーーつ!

カラコルからヒッチトラック

町を出るとすぐ、萱を半ドーム状に編んだだけの、伝統集落群が続きます。この荷台から、トゥルカナ湖畔の村を眺めるのは素敵です。しかし相当揺れる荷台で、荷物がふっとばないよう苦労している私たちを気遣ってくれたのか、ボスたちは、私たちをその後キャビン(助手席と運転席後部)に入れてくれました。秋葉原に行ってデジカメを買ったり、名古屋で美味しいものを食べたりもしたというケニア人おじさんは、当然私たちと合う会話がいっぱいあり、車中は大変に賑やかとなりました。嬉しかったですね。

途中、夜遅い時間に、カチュグイKachukuiの村に着きました。私たちが疲れたのではないかと気を遣ってくれ、飲み物を買ってきてくれました。

驚いた・・・、目が慣れてくると満天の星空には星がありすぎて、あの明るいオリオン座が、周りの星に隠れて見つけるのが困難だったのです。和人と「こんな凄い星空・・・」と会話をしても、やがて言葉を失うくらい、宝石をちりばめたほどの満天の星空だったのです。

ここは、街灯など一切ありえないアフリカの大地。そんな宝石箱のような天体を見上げ、日本とは違う星座の位置から自分が今地球のどこにいるのかを体感する・・・

   ・・・なんて贅沢な旅なんだろう!

やがてトラックは走行を再開し、夜10時、ロアレンガクのどこかの敷地内に入りました。彼らは雑魚寝をするそうですが、私たちはテントを持っているので、テント泊としました。

今日の夕食は、星空の下、マンゴー1個だけ。

明日、いよいよ、エチオピア国境に到着できるかもしれないのです。そこから先、何km歩いてもいい、「No-man-land」に挑戦する気持ちがふつふつと沸いてきます。だから、少しでもよく眠ろうと、急いでテントを張って、早速に寝袋に入りました。

勝負の国境は、もうすぐそこなのです。
本日の旅
行動 :ロドワーからロアレンガクへ移動
朝食 :チャイ(甘いミルクティー)、アンダジ(揚げパン)/ロドワーの食堂
昼食 :スパゲティー(ゆでめんにニャマ(肉のトマト煮)をかけてスクマ(固い青菜ソテー)を添えたもの)/ロドワーの食堂
夕食 :マンゴー/ロアレンガクの子供基金事務所の庭
宿泊 :子供基金事務所の庭

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旅情報
1シリング=1.2円

*ロドワーからカラコルへの移動
町の中心のガソリンスタンドから南西に50mのところに「ニッサン」と呼ばれるマタトゥ(ミニバス)乗り場がある。シェアタク(乗り合いタクシー)も出ている。マタトゥだけでも1日7~10便ある。シェアタクで1人200シリング、所要1時間だった。