:: 旅606日め : 世界旅88ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ108ヶ国め ::
■ソマリアからジブチへ
車中では殆んど眠れずに、夜明けの明かりを迎えてしまいました。足元が窮屈で、体をひねらないと座れない座席での移動は苦痛だったからです。
朝6時、車はアシャーダというところで止まりました。私たちが乗る4駆以外にも、ジブチへ向かう数台の車がありました。私たちよりも早くここに着いた人たちは、ここで仮眠をとっていたようでした。いいなぁ。
簡単な朝食をここで摂り、眠いながらも、再び車は出発しました。そして朝9時、荒野の端に町が見えたと思ったら、そこがソマリア出国ポイントであるロヨアドLowyoado国境の町だったのです。
車はここでストップ。実はこの車は、「ジブチ、ジブチ!」と言って客を呼び込んでいたので、私たちはてっきりこの車でジブチまで行けると思っていました。乗車前も「ジブチまで30ドルね?」と確認をしていたのに、実際はジブチには入らず、ソマリア国境でストップするというのです。「ジブチフランがなくてもジブチシティーDjibouti cityまでは行ける」とばかり思っていたので、なんだかとても残念な気分です。
ソマリア出国も、手続きはあっと言う間。楽しかったソマリアの旅が最後は淡々と終わってしまいました。
ここからジブチ側のロヤダLoyada国境までは徒歩15分くらい歩きました。途中荷物検査もありました。入国手続きを済ませるとき、イミグレーション係官が「ここから町(ジブチシティー)までタダで車に乗れるよ」なんて言います。待機している乗り合いトラックは高い値段しか言ってこないので、もう一度その係官にタダで乗れる車について尋ねてみたら、係官が一台の車をヒッチハイクしてくれたのです。流石軍人パワーです。私たちはその車に乗ってジブチシティーへ無事にたどり着けました。
アフリカの中でもヨーロピアンテイストが強いジブチシティーは、今もヨーロッパ人が比較的多く住む、もとフランス領の国です。
■エリトリアの国境封鎖を知る
ジブチはアフリカ東北部の小さな国で、その首都がジブチシティーです。安宿がないという情報の通り、いまいちな宿でも確かに高い。でも仕方なく、最安だろうと思われる宿に荷物を置いて、和人は両替に、あづさはエリトリアビザを申請しに、別行動で町にでました。
歩いて歩いて・・・かなり遠かったけれど、あづさはエリトリア大使館に着きました。昼すぎの時間だったけれども、ラッキーなことにビザ発給業務の部屋はオープンしていて、あづさはさっそく2人分のビザ申請にとりかかりました。
大使館「どうやってエリトリアに入りますか」
あづさ「オボックObokから車を探して乗ります」
大使館「それは無理です。今陸路では入れませんよ」
あづさ「・・・えっ!?」
昨年、国境付近で戦闘が起こったことによる、国境封鎖でした。
エリトリアは、日本で言えば島根県のような形の国です。北が海、西南東がそれぞれ別の国に接しています。島根県なら、西南東の順に山口、広島、鳥取で、エリトリアは順にスーダン、エチオピア、ジブチ、といった感じ。しかし北の海から入る玄関口となる町(アッサブAssab)は外国人は渡航できない(許可証が降りない)し、西のスーダン側国境も開いたり閉まったりが流動的だし、南のエチオピアとは犬猿の仲で国境全面封鎖、そして残っている東の国境も、戦争のために封鎖されているのです。
和人は町のツーリストインフォメーションで、同じ情報を得ていました。
陸路でエリトリアに入れない。
宿に戻ってから、ふさがれた状況に、かなり悩みました。エチオピアとスーダンに再入国して西から行くか、飛行機で飛んで入るか・・・。でもどういう方法を考えても心が沈むようなものばかりです。
宿の従業員も素行が悪いし、ジブチの水は今まで体験したアフリカの水道水の中でも群を抜いて不味いし、そして次の旅路がふさがってしまっている状態・・・暗い気分のまま1日が終わってしまいました。
本日の旅
行動 :ジブチシティー到着、ソマリア出国、ジブチ入国
朝食 :アンジェーロ(直径20cmほどの小さなインジェラ風、甘い紅茶と砂糖と油をかけて食べる)/アシャーダの食堂、フール(白豆小の薄いトマト煮にカチ(輪切り唐辛子)と油をかける)、ローリ(バゲットパン)/ロヨアドの食堂
昼食 :ハリコー(白豆小の薄いトマト玉ねぎ煮に油をかける)、フール(つぶし白豆薄いトマト玉ねぎ煮に油をかける)、バゲットパン、シャイ(練乳ミルクティー)/ジブチシティーの食堂
夕食 :バゲットパン、チキンスープ/宿
宿泊 :オテルオッセHotel Horssed
旅情報
1ソマリランドシリング=0.0164円
1ジブチフラン=0.55円
*ジブチ-ソマリア国境からジブチシティーへの移動
ロヤダ国境を歩いて越えイミグレーション手続きを終えると、高額な金額を要求する乗り合いトラックが待っている。しかしこの道はヒッチハイクもよくあるらしい。私たちはイミグレーション係官に相談したところ、係官が一台の車をヒッチしてくれ、無料でジブチシティーまで移動できた。所要50分。