2人の世界旅 日々の記録

■チャビン遺跡観光
チャビンChavin遺跡が作られたのは、紀元前８００年から１２００年の間と推定されています。実に３０００年も前の文明の跡、長くの間、「南米アンデス文明の始祖」とされてきた、歴史上極めて重要な遺跡です。

ペルーアンデスでは、今から１万年前から狩猟採集生活の幼稚な文化段階から、やがて農業が始まって、土器や織物が作られるという３段階を経てきました。そして３０００年前に形成された、非常に優れた文化が、チャビン文化なのです。

（※カラル遺跡はこの１０～２０年の間に発掘され、研究と調査が現在も進められているもので、５０００年前にペルーに文明があったことがこの遺跡の発見により確実視されています。カラル遺跡が見つかる前までは、今いるチャビン遺跡が南米アンデス文明の始まりとされていたということです。この２日後、１月７日に私たちはカラル遺跡を訪問しています。）

チャビン遺跡はチャビン村の中心から歩いて５分ほどという便利なところにあります。入場料を払って中に入ると、遺跡の規模はそんなに大きくなく、丘のふもとをぐるっとまわるように歩くと、祭事場のような広間に到着します。川がすぐ近くを流れており、この水が、当時ここに暮らしていた人々の生活用水になっているのだと思いました。

広間の三方を、丘（中は遺跡）と遺跡が囲っています。大神殿は５階建てです。そしてここへ続く道には石段や石の門があり、跡から遺跡職員の説明で知ったのですが、黒い石と白い石を使って、ツートンカラーとなるように作られています。



何しろ、カラル遺跡が発見されるつい近年まで、これが南米最古の文明遺跡とされてきた。とにかく古いものだけあって、造りの精巧さよりも、「よく３０００年も残ってきてくれたね！」と言いたくなるような古い素朴な造りのほうが印象的です。

さて、神殿内部に入るところがあるので、私たちも入ってみました。入り口は２つあって、左の内部は回廊のみ。でも右の入口を入ると、内部には、ジャガー（またはプーマ）の顔が掘られた、トーテムポールのように背の高い柱に光が当たっていて、その輝き方に本当に心を奪われました。これはこの遺跡一番のお宝かもしれません。外が素朴な造りだっただけに、神殿の中にこれほど素晴らしいものがあるなんて予測もしなかっただけに、感動しました！

チャビン遺跡は、神殿の外壁に、ジャガー（またはプーマ）の顔を掘った石がはめ込まれていました。それはチャビンの象徴でもありますが、現在外壁には石の顔は１つしか残っていませんでした。

でもチャビン村外れにある遺跡出土品を集めた博物館に行くと、その顔を掘った石が何点も展示されていて嬉しかった。この博物館は新しいもので、日本の援助で建てられただけに日本語の説明文があり、勉強になりました。

世界中どこに行ったって遺跡見学は楽しいものですが、たいてい、価値ある出土品は撤去されて博物館に展示されているものです。だから、遺跡と博物館が近くにあるなら、両方訪れるのが絶対良いと思います。


さあ、チャビンを出て、次はどこに行こうかな。

遺跡の中に貼ってあった地図を見ると、チャビンよりも北にあるワリHuarriというところが良さそうです。ワスカラン国立公園至近で、この町から歩いてナショナルパーク観光ができそうです。

ただその地図１枚を見て、何も知らない、ガイドブックにも乗っていない町ワリへ行くことを決めました。お天気は雨も降るようなどんよりとしたものだったけれど、ツーリスティックではないワリの町は素朴なペルーの良さがいっぱいありました。

チャビン遺跡は大満足でした。次はここワリで、美しい山や湖を堪能できるといいのですが、明日は晴れるでしょうか。