:: 旅1187日め : 世界旅198ヶ国め : 和人243ヶ国め : あづさ207ヶ国め ::
■大事件と大怪我と
今日は実質マウントハーゲンの初日です。ここで旅行会社支配人をやっているスワジランド人友人のドゥウェン兄さんは、何故かチャーリーという愛称で呼ばれているので、私たちも以降チャーリーと呼ぶことにします。で、チャーリーが旅行会社の男性職員のエラウィさんという人をガイド兼セキュリティーとしてつけてくれたので、3人で町歩きが始まりました。
そして、5分?10分? しないうちに、斧と鎌(あの死神がよく持っているようなやつ)を持った3人組みの男性に囲まれて、白昼堂々、という言葉の通り、舗装道路の、人通りも車の通りも多いところなのに襲われてしまいました。のどかな山あいの町を歩いていて、しかも変な路地なども歩いていない。みんなが普通に往来するところなのに。あまりに事態が豹変しすぎてあまりよく覚えていないのですが、次の記憶は持っていた物の取り合いです。でも、ガイドは頭部を強打され(あとで頭がへこんでしまった)、和人は暴行されて刃物を突きつけられ、あづさは引きずられ、結局刃物を幾つも持っている相手の勝ち。たぶん数分で、負けてしまいました。
走って逃げる犯人を追いかけようにも、周辺にいる人も悪人かもしれないから、怖くて人のいるところに突っ込むことができません。
でもこの町、セキュリティー(警備員)が車で巡回しているようで、しかも日常茶飯事の対応らしく「あとでお金と引き換えに盗られたものは返ってくる」と、いったん私たちとガイドを車に乗せて、滞在している旅行会社オフィスへ戻りました。
強盗をして、お金と引き換えに引き渡すのは、この地域の常套手段のようです。「お金の引き渡しに犯人と会話する暇があるならさっさと手錠かけて警察に突き出せばいいのに!」と日本人なら思ってしまうのに、ここは外国だし、先進国の常識を考えることが無駄。おとなしく、理不尽な外国の習慣に従うしかない。しかし、経済状態がめちゃくちゃで外国から来た私たちだって物価が高くて戸惑うパプアニューギニアだけに、貧困層の暮らしは劣悪なのだろうとおもんぱかる余地は確かにある。
ちなみに怪我はあづさが一番ひどいです。日本大使館に連絡したら重傷判定もらうだろうなーと思えるほどの。
とりあえず日記に書き残せるのは、後から聞いた話も含めて、こんなところです。物事を順序通りに覚えていないので。
ガイド兼セキュリティーとして私たちの警護に来てくれたエラウィもショックを隠せないようです。私たちは彼を好きになれそうな感じがしていたし、日本語を勉強中のエラウィも私たちのガイドができることが嬉しかったようで、「今日はタウンウォーキングがてらマーケットに行って、明日は僕の故郷の村で僕の奥さんが作るムームー(パプアニューギニアの伝統料理)を食べよう」と、やる気満々でいてくれました。涙が出るほど、わくわくするほど、楽しい計画がいっぱいでした。でも、あづさが大怪我をしたこともあり、最優先事項は治療です。
誰が何を言わなくても、楽しい計画は消えました。
出血が止まって初めて、怪我したところ(胸部、右足、頭)が痛いと気づいた。
外に出なければ、セキュリティーの完璧な旅行会社オフィスのある敷地内にいれば、事故も事件も多分ない。
何をしてもつまらないし、何を考える思考もない。ぼーっとチャーリーの家で、一人っきりでマインスイーパー(単純なパソコンゲーム)してるのが、一番楽になれる。
こんな部屋で。
このまま何もしないで。
マウントハーゲンの旅が終わっていったほうが、楽なんだろうか。
もうずっと何もしなくていいや。
ちょっと寝た。布団に血液や漿液(血液の赤くない部分の液体)がついた。ごめんなさい。
でももう何も考えない。
おやすみなさい。
次いつ起きられるか。分からない。
本日の旅
行動 :マウントハーゲン滞在
朝食 :トースト、ビスケット、コーヒー/家
昼食 :トマト玉ねぎレモンソテー入りオムレツ/チャーリーの家
夕食 :Fish & Chips(フィッシュアンドチップス、白身魚のフライとフライドポテト)、ビール、レタス玉ねぎアボカドトマトチーズ入りサラダ/チャーリーの家
宿泊 :旅行会社の職員宿舎
旅情報
1キナ=33円
*在パプアニューギニア日本国大使館
住所:1st & 2nd Floor, Cuthbertson House, Cuthbertson St., Port Moresby, NCD, Papua New Guinea
電話: (+675) 3211800
FAX : (+675) 3200972