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2014年4月27日
3日目 台南(台江国家公園、安平)
張君が朝から車を出してくれ、まずは虱目魚粥(シュームーユーヂョウ)で知られる人気店阿堂鹹粥(アータンシエンヂョウ)へ。
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昨夜の虱目魚皮湯に続いてサバヒー料理だが、サバヒーは白身の魚で非常に美味い。朝から大混雑で、行列ができている。ここで昨夜自宅に戻っていた蔡君も合流する。
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車で水仙宮市場に移動する。朝からにぎやかな生鮮市場だ。日本ではあまり知られていないサバヒーも売っている。
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市場の中にも廟があるのが台湾らしいところだ。
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市場から西に延びる路地は神農街と呼ばれ、古い建物が数多く残っている。港でもあった5本の運河が流れる地区の中心地で、商業の中心として栄えた場所だ。
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神農街の西端に、薬王廟(全台開基藥王廟)がある。台湾で最初の薬王廟として1685年に建立された歴史の長い薬王廟だが、今は1986年に建て替えられた近代的なものとなっている。
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駐車場所への戻りは、三郊鎮港海安宮、風神廟を経由し、接官亭などを進んでいく。
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写真の接官亭は清の時代に文武官僚の送迎に使われた場所だった場所だ。
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車で移動し、西羅殿牛肉湯へ。牛肉湯以外にも何品か頼んで、早めの昼食にする。気さくなおばさんが営む食堂で、張君たちの馴染みの店かと思ったら、ここも有名店だった。
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そして台南市の中心部から離れ、台南市安南区と七股区にまたがる台江国家公園へ移動する。四草大衆廟と呼ばれる新しい廟の前に車を停めてまずは廟を見学する。
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台江国家公園は、総面積約50平方キロメートルにも及ぶ大湿地で、これを堪能するにはボートツアーに参加せねばならない。張君たちがツアーの時間も調べてくれていたので、さほど待たずにツアーに参加することができた。まずはマングローブの水路を進む。
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開けた場所では伝統的な仕掛け漁をしている。南インドでチャイニーズフィッシングネットという名で広まっている仕掛け網だが、中国では見たことがなかった。これが台湾にあるとは知らなかった。
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潮が引いてきた干潟にはシオマネキがたくさんいる。
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保護区で保護されているクロツラヘラサギも無事に見ることができた。夏はシベリアなどで過ごす渡り鳥で、日本でも九州や沖縄には来ているらしい。
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牡蠣養殖のイカダもたくさんあり、昨日食べた蚵仔煎を思い出す。
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伝統的な囲い網を仕掛けている様子を見ることもできた。
約70分のボートツアーを終えて、四草(シーカオ)砲台に立ち寄る。1840年、アヘン戦争の時代に清が対英国を想定して建てた砦の跡だ。
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車で四草大橋を渡り、安平(アンピン)老街に移動する。そしてまずは名物豆花の名店安平同記豆花(トンジーアンピンドウフア)店へ。豆花は大豆から作る豆腐よりも柔軟なゼリー状の食品のことで、中国北部でよくある豆腐脳と同じもの。豆腐脳は大好物なので、当然ここのもおいしく感じる。
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そして朱玖瑩故居を訪れる。元財政部塩務総局局長だった朱玖瑩氏は書家でもあり、現在ここは書の展示館となっている。訪問客が自由に書を書くコーナーがあり、妻が日本語で書を書いていた。
朱玖瑩故居は、隣接する徳記洋行と呼ばれる洋館とその裏にある樹屋がセットとなっている。徳記洋行も素晴らしいが、やはり面白いのは樹屋。19世紀に建てられた邸宅が、長い年月のうちにガジュマルの木に覆われてしまい、樹家と呼ばれている。
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長年廃墟だった建物だが現在は見学用の木桟道が2階にまで作られて、中を見学できるようになっている。
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安平古堡は、1624年に建設された台湾で最も古い城堡だ。オランダが台湾統治の拠点として作った要塞である。1662年にオランダを打ち破った鄭成功は、ここを安平城と改名の上、引き続き統治の拠点とした。1683年に清が台湾を支配し、台湾の都をここから台南へと移すまでの間は、この安平が台湾の首都だったのだ。現存の洋風建築物は1930年に日本により建設された建物で、今は安平の歴史を紹介する資料館として利用されている。
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安平老街は、オランダ時代に造られた、台湾で最も古いとされる商店街で、今は人気の観光スポットだ。当然ここでもいろいろな食べ物屋が並んでいる。まず食べたのは韭菜合子(ジウツァイホーズ)、ニラのお焼きだ。
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そして花生捲冰淇淋、なんとピーナツとアイスクリームを巻いた春巻きだ。意外においしいが、普通にアイスクリームと別々に食べても同等以上に美味しいかな。
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車で台南の中心部に戻ってきて、これまた台南名物である蝦仁肉圓(シャレンバーワン)のお店へ。美食の都の名物料理は本当にどれもうまい!
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本日は、蔡君の家に泊めてもらうことになっており、この後、彼の家へ移動する。家族の皆さんに挨拶し、荷物を置いたら、蔡君一家の皆さんとともに海鮮火鍋屋さんへ。今回の旅は友人達のおかげで本当に美食三昧だ。
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鍋だけでなく、一品料理を色々頼んでくれている。中でも炒鱔魚(ツァーシェンヒー)=タウナギの炒め物が特にうまい。これも台南名物だそう。
21時半頃、蔡君の家に戻り、お茶を入れていただき、デザートを食べながら、いろいろと話をする。
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本日も充実した長い一日だった。