:: 旅1146日め : 世界旅193ヶ国め : 和人242ヶ国め : あづさ205ヶ国め ::
■ウォーリス伝統の祭り
朝からニナちゃんと3人で、「お祭り」の会場へ行きました。ウォーリスWallis島は小さな島なので、車ですぐ到着。
教会の前の広場、「外」から来た人間がこの「世界」を見たら、誰もが一瞬我を忘れるに違いない。
「うわっ」、思わず声が出た。本当に声が出た。首に穴があけられ、腹から臓物が取り除かれた、焼かれた豚の死体の数に驚いた。
何かの、記録映像だと思った。
記録映像にしては、画像が鮮明すぎるとさえ思う。
素晴らしすぎる・・・。
広場に整然と並べられているのは無数の焼かれた豚。100匹くらいいたと思う。その豚を左右に分けて配置し、中央には巫女のような人が通る列。神主が作る神酒 -それはカバ- を参列客要人に、無数の豚の間を通って運び、振舞っている。
人々は、男性も女性も花飾りをつけ、腰にゴザを巻いている。
自分は今、ポリネシアン3000年の歴史を見ていると、真剣に思った。
それほどに強烈な光景から、今日一日が、始まった。
ウォーリスアンドフツナは、ポリネシア人の国です。知られざる歴史のある国で、実はトンガ人はウォーリスアンドフツナからトンガへ渡ったとされており、歴史あるトンガもその起源はここウォーリスに遡ることができます(更に遡る起源もあるとは思います)。先ほど書いた「腰にゴザやスダレを巻く」点が、見た目も分かりやすいトンガとの共通点です。男性のゴザはトンガと同じ「タオバラ」、女性のスダレはトンガと少し異なり「キエファウ」と言うのだそうです(トンガではキエキエと言っていました)。
ポリネシア人の祭りといえば、トケラウ(≫
こちら)やニウエ(≫
こちら)でも大きなものに出会ってきたつもり。でも、さすがに今日のを見てしまうと、それらさえ素朴に見えてしまいます。あまりに今日の祭りが私たちを圧倒するものであるだけに。
儀式が終わると、観客(他の村の人や在住フランス人が多かった)もひしめく豚の間に入ることができます。写真も自由に撮らせてもらえます。おじさんたち(おそらく村の役員)は、あづさと和人にカバを振舞ってくれました。
観客である私たちも食事を食べられるとのこと。屋内には、「ずらり」という言葉がこれ以上ぴったりなことはないほど、長くつなげられたテーブルに、タッパに入ったおかずが積み上げられています。お皿に盛るのではなく、タッパで積み上げるのだから、目で見る何倍ものご馳走がそこにあるのです!
フランス領ですから、ワインもたくさんあります。でも正直言って、これだけ伝統料理が並べられると、ワインを飲む暇がありません。特に料理の研究を頑張るあづさは、食べ物や料理の名前を聞いて(会話はフランス語になります、久しぶりすぎますが)、メモを取り、そして食べ、味のメモを取る、を繰り返します。尋ねているとおばさんたちは喜んで作り方や味付けなども教えてくれますからメモをとるのが一層忙しい。ちなみにここはフランス領で、フランス風の味を作る調味料はスーパーに普通に売られているからか、料理の味付けがすごくいい。ありふれたポリネシアン料理も、他のポリネシアの国が塩で味をつけるところ、ここではフレンチビネガーを使った絶品マリネとなったりする、ともあれ味付け良し!!ポリネシアンナンバーワン!! とにかく、食べた!食べた!食べた!! ワーイ\(^o^)/
食事の間に無数の豚は撤去され、広間は踊りの場となりました。グループが次々と入れ替わり、伝統舞踊を披露してくれます。全身に色合いの派手な飾りをつけ、それは如何に今日の祭りが重要であるかを示しています。
今日は「サンピーエルSt.Pierre」、ウォーリスがフランス植民地になった記念日だそうです。でもこの祭りはサンピエールの祝いではなく、島に15ほどある村が年に一回行う、村の祭りです。小さな村は合同で1つの祭りを開くので年に15回あるわけではありません。
強烈なカルチャーショックさえ受けた、ポリネシアン3000年の歴史を感じるこんな祭りに出会えて、最高に嬉しい。なんて、幸せなことでしょう。
本日の旅
行動 :バイトゥプ日帰り観光
朝食 :ミルクティー、バゲット、キウィジャム、ショコラスプレッド/ニナちゃんち
昼食 :taofagogo(タオファンゴゴ、マニオクの粉とココナッツを混ぜて作るもちもちプディング)、moa(モア、鶏丸ごとのホイル包み焼き)、メイ(焼いたパンの実)、サラタ(豆野菜ライスのフレンチドレッシングサラダ)、カペ(タロイモ)、ウフィ(ヤムイモ)、ウラ(ゆでエビ)、ゆでインゲンゆでにんじんコーン缶のマリネサラダ、イカ(鮭のココナッツカレー煮)、イカ(大きな魚の丸焼き)、ルー(マニオクの粉とココナッツを混ぜてタロイモの葉で包んで焼いたもちもちプディング、コカコーラ、パイナップルジュース、カロアア(貝玉ねぎみじん切りソテーを貝殻に入れてチーズをかけてグラタン仕立てにしたもの)、フェケ(タコの塩ココナッツクリーム煮)、オタ(生の魚をレモンとねぎでマリネしたもの)、プアカ(豚の丸焼き)、バミー(春雨豚肉キャベツの醤油煮)、ハムロール野菜入り、ポテト卵サラダ、ごはん、赤ワイン、タブレ(クスクスと野菜のフレンチビネガー仕立て)/バイトゥプの祭り会場
夕食 :タブレ、バミー、ウラ、ゆでインゲンゆでにんじんコーン缶のマリネサラダ、メイ、モア、ココナッツアイスクリーム、白ワイン/ニナちゃんち
宿泊 :ニナちゃんち
旅情報
1フラン=1.06円
*ウォーリス島のスーパーマーケット
ウォーリス島には主だったスーパーマーケット(フランス語でスペルマルシェ)が3軒あり、マタウトゥ地区に集っています。またマタウトゥでは土曜日にフィッシュマーケット(フランス語でマルシュディポワッソン)があります。