ウォリジアンにとって最も大事な食材が、豚。島のあちこちの民家の庭では豚が飼育されています。祭りの献上品も豚でした。主な調理法は丸焼きなのでしょう。健康に育てられた豚は厚い脂身こそ旨みなのだと、これを食べて思いました。ちなみにココナッツミルクを絞ったあとのココナッツの実が主な餌で、それもポリネシアン豚ならではの美味しさの素だと思います。
イカとは魚という意味です。今回いただいた魚料理は2つあり、1つは写真のような大きな魚の塩味のみの丸焼き、もう1つは筒切りサーモンのカレー風味ココナッツ煮です。後者はフランス風の影響を受けた味付けかもしれませんね。
鶏もポリネシア諸国ではポピュラーな食材です。写真は内臓と頭と足の先を取った鶏のホイル焼きロースト。
オタとはポリネシアンに共通する、生の魚のマリネ料理です。ウォーリスではレモンマリネにネギが香り付けでくわえられていました。うろこを取っただけの魚(骨は残っている)に切れ目を入れるだけの、豪快なマリネですね。
フェケとはタコの意味で、欧米人が嫌うタコもポリネシア人は大好物です。かるくゆがいたタコを、塩とココナッツクリームでシンプルかつ芳醇に和えていました。
写真左はウフィ、つまりヤムイモです。写真右はカペ、つまりタロイモです。両者の違いは断面を見ると分かります。つまり、ヤムイモは長いもに似て、断面に顆粒(つぶつぶしているもの)が見え、タロイモはサトイモに似て、断面がつるりとしています。どちらもゆでたり焼いたりして食べられる、ポリネシア人の主食です。
メイは英語でブレッドフルーツ、日本語でパンの実、フランス語でフリュアパン。緑の果実を焼くと、中がほっくりおイモさんのようになっています。結構水分を吸うので、煮込み料理やココナッツミルク和えなど、水分の多い料理と良く合います。
これはアジアの文化の融合により作られた、人気のウォリジアン料理です。太めの春雨と肉や野菜(今回は豚肉やキャベツが入っています)を醤油と味の素仕立てで調理した、汁を吸った春雨が美味しい一品です。大人も子供も大好きでよくこれを食べていました。
tarte salee(タフテサレー) ...ウォーリスアンドフツナ
直訳すると「しょっぱいタルト」。食事になるタルトです。小麦粉とオイルを混ぜてタルト台を作り、ツナやネギをいためて卵に混ぜて更に焼く。たったそれだけ。フランス人ニナちゃんが帰宅後の短時間でぱぱぱーと美味しいタルトを作り、「こんなに簡単なんだー」と感激しました。レシピも教わったし作り方も学んだ。あとは日本に帰ったら作ってお手軽テフテサレーを楽しむだけ♪
んー♪おいしい♪ ハマグリやアサリなどの二枚貝から一旦身を取り出して、玉ねぎと共にみじん切りにしてソテーしたあと貝殻に戻し、チーズを乗せてオーブン焼きにした「貝のグラタン」です。流石おフランス系だわ、こういう美味しさを追求した料理があるからこそ、ウォリジアン料理はポリネシアンナンバーワンだと確信させられます。ワインにも良く合う絶品の一品ですよ!
クスクス(粒状パスタ)を使っていますが、フランス人に「これはクスクスではなくタブレ」と言われました。刻み野菜やハーブ(ミントやパセリ)を炊いたクスクスに混ぜ、ビネガー仕立ての美味しいサラダにしました。もとはレバノンあたりの料理ですが、フランス系(つまりチュニジアなどマグレブの影響が強い地域)ではハーブの量がぐっと少ない点に特徴があると思います。味うましっ!
食パンではないパンに具をはさむのが、フランス系サンドウィッチです。フレンチバゲット(フランスパン)も、こういうフォカッチャっぽいパンも美味しいです。
taofagogo(タオファンゴンゴ)、 ...ウォーリスアンドフツナ
トラディショナルな香りが漂う一品。マニオクの粉(キャッサバ芋を乾燥させて、乾燥オカラのように破砕したもの)とココナッツクリームを混ぜて作るもちもちプディング。マニオク特有のもちもちさにココナッツのフレーバー、甘みが良く合います。gは「ng」と発音されるのでタオファンゴンゴと書きましたが、実際の発音はタオファンゴゴのほうが近いです。
ショウガ科の木の根を乾燥させて破砕したものを水で抽出した飲料。向精神薬的作用があり、主に男性の嗜好品として好まれています。ウォーリスでは聖なる儀式でこのカバが振舞われていました。少し苦く、泥の味、美味しくないものなのですが脳がしびれる感覚が好まれているのでしょう。スーパーではバヌアツ産カバが売られており、祭事でなくても常飲されていると思います。
島中にあるココナッツの木から実を取って、写真のウォリジアン少年のようにナタで端っこを落とすと中にある美味しいジュースがいただけます。ジュースはポカリスエット風の味で、暑い気候にぴったりの癒しドリンクになります。ニウごと冷蔵庫に入れておくとなお美味しいです。
フランス領ですから、やっぱりワイン(≫
こちら)。人口の1割がフランス人という国なので、いろいろな種類がお店に取り寄せてあります。ポリネシア人が常飲しているかどうかと言われたら、値段も高いし、あまりそうは思わない。
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