ユーレイルパス旅


今回の世界旅では、パリで1週間滞在したのちに、15日間のユーレイルパスの旅に踏み切りました。

ユーレイルパスは、次の20ヶ国の鉄道が乗り放題となるチケットです。
→オーストリア、リヒテンシュタイン、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、モナコ、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルグ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スウェーデン、スイス。

ヨーロッパ諸国を費用や時間をかけすぎずに効果高く訪問することができます。
そして、長期旅行の中で「いろいろなスタイルの旅をしたい」という希望の一端を叶えてくれます。

■私達の旅の行程
ユーレイルパス15日間
(都市名の数字は地図と対応しています。○h△mは○時間△分のこと。)
●1日目(9/12):訪問国2(フランス、スイス)
1パリリヨン駅→2ジュネーブ:3h5m
2ジュネーブレマン湖クルーズ:1h5m
●2日目(9/13):訪問国4(スイス、リヒテンシュタイン、オーストリー、ドイツ)
2ジュネーブ→3チューリヒ:2h46m
3チューリヒ→4ブックス:1h5m
5シャーン→6フェルトキルヒ:25m
6フェルトキルヒ→7リンダウ:47m
7リンダウ→8ミュンヘン:2h28m
8ミュンヘン発夜行泊
●3日目(9/14):訪問国2(ドイツ、オーストリー)
8ミュンヘン→9ウィーン:7h5m
9ウィーン→10ニュルンベルク:4h57m
10ニュルンベルク夜行泊
●4日目(9/15):訪問国3(ドイツ、デンマーク、スウェーデン)
10ニュルンブルク→11オーデンセ:10h55m
11オーデンセ→12コペンハーゲン:1h36m
12コペンハーゲン→13マルメ:37m
13マルメ→12コペンハーゲン:40m
12コペンハーゲン→14ハンブルク:4h38m
14ハンブルク夜行泊
●5日目(9/16):訪問国1(ドイツ)
14ハンブルク→15マインツ:8h40m
ライン河下り(15マインツ→16アンデルナッハ):6h55m
16アンデルナッハ→17ケルン:1h12m
17ケルン→18デュッセルドルフ:24m
●6日目(9/17):訪問国2(ドイツ、オランダ)
18デュッセルドルフ→19アムステルダム:2h11m
19アムステルダム→20ロッテルダム:2h40m
20ロッテルダム→20ロッテルダムロンバルダイエン:8m
21ユトリヒト→18デュッセルドルフ:1h48m
●7日目(9/18):訪問国3(ドイツ、ルクセンブルグ、ベルギー)
18デュッセルドルフ→22ルクセンブルグ:4h5m
22ルクセンブルク→23クレルボー:51m
23クレルボー→24トロワビヤルジュ:11m
24トロワビヤルジュ→25リエージュ:1h35m
25リエージュ→17ケルン:1h24m
17ケルン→18デュッセルドルフ:29m
●8日目(9/19):訪問国3(ドイツ、ベルギー、フランス)
18デュッセルドルフ→17ケルン:38m
17ケルン→25リエージュ:51m
25リエージュ→26ブリュッセル:55m
26ブリュッセル→26ブリュッセル南:4m
26ブリュッセル南→1パリ北駅:1h9m
1パリオステリッツ駅発夜行泊
●9日目(9/20):訪問国3(フランス、アンドラ、スペイン)
1パリオステリッツ駅→27ロスピタルプレランド:9h39m
28レイダ→29マドリッドアトーチャ駅:2h17m
29マドリッドアトーチャ駅→29マドリッドチャマルティン駅:21m
29マドリッドチャマルティン駅発夜行泊
●10日目(9/21):訪問国2(スペイン、ポルトガル)
29マドリッドチャマルティン駅→30リスボンサンタアポローニャ駅:9h25m
30リスボンカイスドンドレ駅→31ベレン:10m
31ベレン→30リスボンアルカントラマール駅:3m
30リスボンアルカンタラ駅→30リスボンサテリオス駅:7m
30リスボンサテリオス駅→32シントラ:23m
32シントラ→30リスボンローマアレエイロ駅:41m
30リスボンローマアレエイロ駅→30リスボンオリエント駅:10m
30リスボンオリエント駅→30リスボンサンタアポローニャ駅:10m
30リスボンサンタアポローニャ駅→33コインブラB駅:2h5m
33コインブラB駅→33コインブラA駅:4m
●11日目(9/22):訪問国1(ポルトガル)
33コインブラA駅→33コインブラB駅:4m
33コインブラB駅発夜行泊
●12日目(9/23):訪問国2(ポルトガル、スペイン)
33コインブラB駅発夜行→34イルン:12h35m
34イルン→35サンセバスチャン:20m
35サンセバスチャン→36トロシャ35m
36トロシャ→37ツマラージ:36m
37ツマラージ→35サンセバスチャン:1h7m
35サンセバスチャン発夜行泊
●13日目(9/24):訪問国1(スペイン)
35サンセバスチャン→38バルセロナサンツ駅:10h1m
38バルセロナサンツ駅→38バルセロナカタルーニャ駅:4m
38バルセロナフランサ駅→38バルセロナサンツ駅:13m
38バルセロナサンツ駅→39フィゲレス:2h36m
39フィゲレス→40ポルトボウ:30m
●14日目(9/25):訪問国3(スペイン、フランス、モナコ)
40ポルトボウ→41セルベル:4m
41セルベル→42ニーム:3h9m
42ニーム→43アレス:35m
43アレス→42ニーム:35m
42ニーム→43マルセイユ:1h45m
43マルセイユ→44ニース:2h36m
44ニース→45モナコモンテカルロ:22m
●15日目(9/26):訪問国4(モナコ、フランス、イタリア、スイス)
45モナコモンテカルロ→46カンヌ:58m
46カンヌ→45モナコモンテカルロ:56m
45モナコモンテカルロ→47ヴァンティミル(仏名):30m
47ヴェンティミリア(伊名)→48ミラノ中央駅:4h8m
48ミラノ中央駅→49ドモドッソラ:2h41m
49ドモドッソラ→50ストレーザ:17m
50ストレーザ→49ドモドッソラ:27m
49ドモドッソラ→2ジュネーブ:2h23m

■まとめ
15日間のユーレイルパスで、訪問国数15。
→フランス、スイス、リヒテンシュタイン、オーストリー、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、オランダ、ルクセンブルク、ベルギー、アンドラ、スペイン、ポルトガル、モナコ、イタリア。
パスで乗った列車は70回(その他別途支出でメトロ等は何度も乗っている)。
パスで乗った船は2回(レマン湖、ライン河)。

夜行列車7泊、友人宅4泊(ジュネーブ、デュッセルドルフ)、宿1泊(コインブラ)、その他2泊(モナコ、ポルトボウ)

■感想
ユーレイルパスの利点は、主要鉄道もローカル線も乗り放題、という点にあります。主要鉄道で大都市を巡れば、ミラノのドゥオーモ、ケルンの大聖堂、バルセロナのサグラダファミリア、ウィーンのオペラ座など、観光の“大御所”を外さずに見ることができます。また、ローカル線で旅をすれば、そこは一転してのんびりした田舎ムードがあったり、ツーリスト向けでない純朴なカフェで地元の食事を楽しめたりもします。

夜行列車を利用すれば、寝ている間に次の都市に到着するから朝一番から観光開始!と、実は宿代の節約よりも時間の節約が有難いです。

今回、本当ならばイタリアの中にある小国(サンマリノ、バチカン)も訪問したかったのですが、スペインのバルセロナを旅程に組み込むとどうにも夜行移動が組めず、難しかった。また、スペインから日帰りでポルトガルと思っていたのですが、訪れてみるとポルトガルがとても良かったので、もっとポルトガルにいたくなり、結果的にポルトガル滞在が長くなったのです。おかげでポルトガル地方都市からスペイン北部周りでバルセロナに行くことになり、その結果スペイン北部のバスク人のお祭りに偶然出会えるなど、良い思い出でいっぱいです。

マルタやギリシャの旅を残しているので、その中間にあるイタリアを訪問する機会は無理なく後日に残せると思ったのも、今回ポルトガルやスペインを優先した理由の1つです。また、スペイン南部はモロッコ入りやジブラルタル入国のために確実に通るので、こちらも後回しとしました。

ところでヨーロッパの地図を見れば分かりますが、ドイツは9つもの国と国境を接しており、まさに“欧州の長野県”的な存在です。ユーレイルパスを使って様々な国を旅すると、ドイツ出入国回数はおのずと多くなります。今回はデンマークの後、ドイツ北西部の都市デュッセルドルフの友人宅を訪問することができたので、ここからオランダ日帰り旅行やルクセンブルク日帰り旅行などを体験できました。

大きな観光地も、名の知られない小さな町も、15日で15ヶ国分、とてもとても楽しめました。
ユーレイルパスの旅を選択し、本当に有意義なあっという間の15日間を過ごせ、大満足です。

■参考:ユーレイルパスとは
ヨーロッパは鉄道網が発達しています。町から町へは鉄道がつながり、また近年ではフランスTGVやドイツICE、スペインAVEなどの高速鉄道により格段と移動速度が速くなっています。ユーレイルパスは、次の20ヶ国の鉄道が乗り放題となるチケットです。近年ではルーマニアもユーレイルパス適用国となり、その利用区域は東欧にも進んでいることが伺えます。
→オーストリア、リヒテンシュタイン、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、モナコ、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、ルーマニア、スペイン、スウェーデン、スイス。

ユーレイルパスには15日間パス、21日間パス、1ヶ月パスなどがあるので、行きたい国や行きたい街の数から自分に合ったものを選ぶことができます。

利点は移動費の節約。ヨーロッパは鉄道運賃が高く1区間30ユーロ(約5000円)や50ユーロ(約8000円)などという料金体系は珍しくなく、ヨーロッパを数ヶ国旅するだけで、移動費は莫大なものになってしまいます。また、ヨーロッパでは主要都市間で夜行列車が走っています。昔ほど数は多くないとのことですが、夜行列車に合わせて日程を組むと、宿代を節約することもできます。

また「ユーレイルボーナス」として各国が様々なサービスを提供しています。例えばスイスのレマン湖クルーズが無料になったり、ドイツのライン河下りが無料になったり、ルクセンブルクでは路線バスが無料になったりという具合です。ユーレイルボーナスを上手に組み入れると、鉄道三昧から更に旅の楽しみが膨らみます。

注意点もあります。本来ユーレイルパスとは、ヨーロッパ諸国側が外国人旅行者の利便を図るために企画されたものなので、原則としてヨーロッパでパスを購入することはできません。旅の途中でユーレイルパスを購入したい場合は販売窓口を調べる必要があります。私達はパリのガルドノード(Gare du Nord、パリ北駅)で購入しました。日本でならば旅行代理店などで購入できます。

また、全ての車両が無料で乗り放題というわけではなく、高速鉄道や寝台車両など、一部は追加料金(サプリメント)が必要になったり、予約必須車両では予約料金が必要です。予約必須かどうかは、時刻表やインターネットなどで調べられますし、駅インフォメーションで問い合わせもできます。トーマスクック時刻表(ヨーロッパ鉄道の総合時刻表)が手元にあるといつでも調べられて便利ですが、ヨーロッパでは英国以外で購入するのは困難です(パリで一番大きな本屋でも売っていませんでした)。

ユーレイルパス公式サイト:≫http://www.eurail.com

26Sep2007