その土地の言葉


まだ、アフリカの旅が本格化する前のことでした。

モロッコで共に旅の時間を共有したモロッコ人のダウド氏は、「モロッコは確かにフランス語圏。だけどモロッコの人はフランス語が嫌いなんだ。アラビア語で話しかけてあげてほしい」と教えてくれ・・・その言葉に、開眼の思いがしました。

旅をしているとき、例えば宿のレセプションやバス料金の支払いなどならば、たいていはフランス語や英語で会話ができますが、地元の人との交流はそうはいきません。

路上でごはんを売るおばさんや子供などは、地元の言葉しか話せない人が、多いのです。でも、私たちを生かす糧を供してくれる彼女たちにこそ、「おいしい」「ありがとう」「またね」といった言葉を、その土地の言葉で伝えたい。
Lonely Planet Phrasebooks Africa

アフリカを旅するためにとパリで買ったこの本は、アラビア語、ウォロフ語、ヨルバ語、フランス語といった、使用人口の多いアフリカの言葉が多く載っていて、コミュニケーションの向上に役立ちます。

そうなると、使用人口の少ない言葉は、自分たちで知っていくしかないですよね。

私たちは、その土地に入ったら、フランス語か英語が通じる人から、なんとかして地元の言葉を教わります。そうして、上の本の余白に、その言葉をどんどん書き込んでいきます。

ガンビア東部のマンディンカ語、マリのドゴン族の言葉、ガーナ西部のアカン語、ギニアコナクリのススー語、トーゴとベナンのバタマリバ人の言葉・・・、ベナンにいる現時点までにも、相当いろいろな言語を、使おう覚えようと頑張ってきました。

それでも使う言葉は、「美味しい」「ありがとう」が圧倒的に多く、もうひとつ、「この名前は何ですか?」(その土地の食の名前を知りたいので)が多くなっています。

私たちがもっている、アフリカ言語会話集は、旅が長くなるほどに、言語の数が増えていきます。

これからも、この旅スタイルを、続けていきたいな。
01Feb2008