エチオピア旅行記
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エチオピア100Q
タイ100Q
●●●● ローカルバスでアルバミンチへ ●●●●
(エチオピアの通貨:1ブル13.0円でした)
朝4時半起床。ジンカのホテルの部屋にろうそくを灯す。
手に持っている1枚のエアチケットを眺め、決断する期限がやってきた。
ジンカから首都アディスアベバへのフライトチケットを持っている。
これを使えばジンカからアディスアベバまで2時間で到着できるのに。。。
私は最初、『訳の分からない旅をしたい』と思ってエチオピアに来た。
多分、エチオピアを陸路で移動しなければ、私は100%後悔し続ける。
地べたを歩き、エチオピアの泥臭さをもっと見たい。
そう確信する気持ちが100%だった。
私は、最後に大きな深呼吸をした。
行くしかない。
覚悟を決め、リュックを背負う。
*
ジンカの街は、夜明けに電気が通っていない。
日の出の時間までまだ時間があるので、外は真っ暗。
多分、日本のどこにいても味わえないほど、真っ暗。
真っ暗闇のうちにホテルを出て、マグライトを持って、バスターミナルへと歩く。
ぐにゃ~(汗)
・・・途中、牛フンを踏みつけたりしながら。
靴底をズリズリと引きずって牛フンを落としながら、ズリズリと歩いていく。
くっそー。。。(シャレではない)
真っ暗闇の中、浮かびあがるのは、マグライトが指す自分の数m前方だけ。
えーっと・・・バスターミナルはどこの角を曲がるんだっけ??
真っ暗闇なので、たまに人の気配とすれ違うと、心臓がびっくりする。
昼間と歩く感覚が全く違うけれど、
遠くにろうそく明かりが数点見えるところがバスターミナルだと気づいた。
夜明け前、電気の流れていないジンカの街は、当然何も見えない真っ暗闇。
なのにバスターミナルについてみると、どう考えてもバスの座席数よりも多い人がごったがえしている。
みんなろうそくか懐中電灯をもっているが、その明かりに映るのは黒人さんだけ。
遠くから見ると、そこだけ不気味に黒人さんの顔が浮かび上がるので、心拍数が上がって汗が出てくる。
みんなが押し合いへし合いしている中、
肌の色が違う女が1人で割り込んでいくことは、かなり勇気が要る。
私は、人の間にわずかに出来た隙間をこそこそ~っと入り込んで、少しずつ前方へ割り込んでいった。
(結局割りこんでるじゃん)
しかしこの行為、かなり危ない。
エチオピアでは多分懐中電灯も高級品なので、ろうそくをともす人が多い。
服が燃えるかもしれないのである。
ろうそくを持った人たちの隙間をくぐるようにして、人だかりの前方によっこらしょと進んでいく。
誰かが押してくると、服に火がつくんじゃないかと恐怖(◎◎)
バスの乗車が始まると、乗客はこぞって席取り合戦です。
ジンカで停まっているバスは1台だけだから、みんなのターゲットは1つだけ。
「外国人は優先的にバスに乗せてくれる」という情報があったけれど、
ぜーんぜんそんなことありゃしない(▼▼)!!
私はギュウギュウの押しくら饅頭合戦の状態で、
かなり早めにバスに乗り込むことに成功したのでした。
バスの中・・・
うげっ。
汚いし、クサイ・・・><。
分かりやすい言葉で言うと、ゲロくさいのである。
それに、何というか、乳製品のような醗酵臭がただよっている。
乳製品のような醗酵臭は、エチオピア人の体臭だと、あとで気づくことになる。
真っ暗闇のバスの中にわらわらと人がいて、互いが持っているろうそく明かりで、
汚い車内はそうとう猟奇なことになっている。
もみくちゃにされながら、運転席へ向かう。
『運転手さん、グモーニン。昨日お話したAzusaです。
昨日私はあなたに助手席に乗ることを伝えたので、ここに座らせてね』
と言い、運転手を丸め込んで、助手席にいた人を立ち退かせることに成功。
6:30、空が白んできた頃、バスは順調に出発しました。
なんと、私以外全員が男性だった。うおー、何か間違ったことが起こるんじゃないのか?
・・・ちょっとすごい車内の様子はこんな感じ。
なまじ助手席に座ってしまったばかりに、男全員の注目の的になっている私なのでした(ーーゞ
私がリュックから何かを取り出そうとしたり、水を飲んだり、
ちょっとでも何かをすると、バス内がザワっとなるんです。こわ。
すごいですよね、この視線・・・
*
バスはガタガタした土の道を走ります。
なのにみんなその道を「ハイウェイ」と言っているのが面白い。
ハイ、これがエチオピアのハイウェイです(^^ゞ
8:00、昨日ハマル族の集落から帰ってきたときに寄ったカイアファールの街を通過。
なんだか懐かしいなって思いながら、通過するとき手を振ってくれる子供に手を振った。
*
景色がすごーい♪
おんぼろバスはのろのろしたスピードで進みます。
私は助手席に座っているので、前方も横も、風景をたーっくさん楽しむことができました(*^o^*)
(でも車内は40℃くらいになっていて、暑いです)
9:15、バスはウェイトの街に到着しました。
ウェイトの街は、昨日ハマル族の集落として訪れたトゥルミの街に似ていて、
大変に素朴な、土の匂いがする街でした。
ドライバーに聞くと、『ごはんタイムだよ』ですって。
ヘンピな街なのですが、それもまた旅ゴコロを誘います。
私は、ビニール袋など大事でない荷物を助手席に残し、リュックを背負ってバスを降りました。
かやぶきの屋根は、レストランスペースのようです。
厨房のような土間のようなところで、『何か食べたい』と伝えたら、
『今日はカイワットだけだよ』って言われました。
私は、カイワット(8ブル、104円)とアンボ(天然炭酸水のボトル、1ブル、13円)を
持ったのはいいのですが、
・・・さて、どこで食べましょう・・・
私が、1人でぽつーんと立って、きょろきょろと周りを見ていると、
『一緒に食べよう』と私を呼んでくれるグループがいました。
嬉しかった~。
写真の左(手をのばしている人)が私です。
やっぱりインジェラはみんなで食べると美味しいね~(*^^*)
カイワットは真っ赤な色をしたスパイシー煮込みです。
もうっ、写真の色からして美味しそうでしょう!!
これを、胃液のような味の醗酵クレープ『インジェラ』と一緒に手づかみで食べます。
カイワットをインジェラの上にザバーとたらし、インジェラをちぎってカイワットをつまんで口に運ぶ…
ヤギの肉を使った真っ赤な煮込み。バルバレという香辛料の辛さも利いていて
今回の旅で食べたインジェラのナンバーワン☆の味でした。
健康爛漫のエチオピアの大地で育ったヤギだからでしょうね。
胃液味って言うけど、醗酵して酸味が出ているぶしゅぶしゅ湿ったクレープ状の食べ物。
日本でも酢飯を食べることだし、主食が酸っぱい分には抵抗がありません。
美味しいね~~~ホント、オイシイ!!
なんたって、この色!!いかにも美味しそうなブラボーカイワット☆です。
だけどインジェラの欠点は1つ。サイズが大きいんです。
インジェラの直径が50cmもあるので、私は私を同席させてくれたみんなに2/3をプレゼントしました。
ということで、朝ごはんも100円でお腹いっぱいです。
これだけカイワットが美味しいと、喉から手が出るほどビールを飲みたくなるのですが、
今日は1日かけてのバス移動なので、トイレが近くならないよう、我慢しました。
*
ウェイトの街を9:45出発。
バスは素晴らしい緑の風景の中を走ります。
人々の様子が少しずつ変化していきます。
少しずつ耕作にいそしむ人々の姿が見えるようになり、
もっとバスが進むと、Tシャツを着ている姿が当たりまえになります。
昨日まで、ムルシ族やカロ族という未開の人々に出会ってきたばかりなのに。。。
そんな人々の姿の違いから文化の連続性を目の当たりにする。
高台からはアフリカの大地溝帯の風景を目の当たりにしながら、
ほんと、人も自然も、ここエチオピアはすごい国だと実感する。
ところで私は、事前に、エチオピア人はバスの窓を開けないと聞いていたけれど、
そんなことはない。
はっきりと全開!
エチオピアの高原の道を窓を開けて走るのは、実に気持ちいい。
超のろのろなので、カメラで車窓を撮影しても、いつもほど揺れないからきれいな写真が撮れます。
だんだん人々の暮らす姿に文明がかげるようになる様子が見えるようになってまもなく、
12:40、バスはコンソの街に到着しました。
ドライバーは『ドリンク休憩だ』といいます。
私も、ゴミ溜め場のような車内から出て気持ちよいエチオピアの空気を吸いたいと思いました。
しかしうかうかしてはいられません。
私が水など買っている間に発車されては一貫の終わりだから。
ドライバーに、『また戻ってくるからね。私が助手席に座るまで絶対に出発しないでね』と言うのですが、
それでも不安で、全部の荷物を持って(といってもリュック1つだけど)、下車しました。
バスが止まったのは、コンソの街の中心地です。
といっても、十字の角に簡素な建物がポツンとあるだけの場所。
しっかしなんなんでしょーねー、エチオピア人ってば。
砂糖水に群がるアリ、ライトに群がる蛾を連想するかのように、
バスが止まるとバスの周りにあっという間に人々の黒い人だかりができる。
荷物を全部持ってきて・・・ちょっと正解(u_u)
バスから下車したみんなは、その人だかりのすきまでめいめいに立ちションをしています。
いいな~~(ため息)。こういうときばかりは男の人が本当にうらやましい。
私は幸いにもトイレ欲求がなかったのですが、もしトイレが近い女だったら・・・
エチオピア人100人ギャラリーに囲まれて用を足す・・・
非常~~に恐ろしい見世物になっていたと予想されまする。。。
*
十字路の角にあるお店は、水を売っている様子だったので、ミネラルウォーターを購入しました。
『ハイランドウォーター』1L5ブル(65円)。
うっ・・・この水は・・・
うまい。
あまり飲みすぎるとトイレに行きたくなるので、
美味しいミネラルウォーターのほとんどをバスに持ち込んで、少しずつ飲んでいくことにしました。
*
13:10 コンソ発。
暑い車内(気温40度)、そして臭い車内ではあるけれど、
みんなが窓を開けているおかげで、結構快適です。
助手席に座っているので、景色を180°にわたって見ることができ、なかなかいいもんです。
車窓を移り変わる景色を楽しみながら、時折シャッターを切りながら。。。
*
バスが進むと、電線が見えてきました。
もっともっとバスが進むと、やがて道がアスファルトに変わりました。
・・・そう。この、道がアスファルトに変わる瞬間が、アルバミンチの街に突入する瞬間でした。
正直言って、アルバミンチの街に突入し、アスファルト舗装の道を見たとき、
『ああ、私のエチオピアの旅は、終わった』って思いました。
でも本当は、ここアルバミンチがクライマックスだとは、今は知る由もありませんでした。
*
アルバミンチは、シェチャ地区という高級エリアと、セカラ地区というダウンタウンに分かれています。
シェチャ地区は外国人向けホテル、ネットカフェ、レストランなどがある日本人が宿泊しやすいタウン。
そしてセカラ地区は、そうでないタウンです。
ジンカからバスに乗ってくると、まずバスはシェチャ地区に入り、
そのまま5kmほど走ってセカラ地区のバスターミナルで降客します。
私たちを乗せたバスは、15:30、セカラ地区のバスターミナルに到着しました。
*
さってと。
バスを降りるとそこにはエチオピア人がたむろしていて、
リュックを背負ってバスを降りた私に『どこ行くの?』って聞いてきました。
私は普通に、『明日のチケットを買いに行くの』と言います。
男どもは、『チケットならあの建物で買えるよ』って教えてくれたので、
私は『Thank you.』と言ってその建物の窓口に行きました。
?
最初私の周りにいた男どもは5、6人だったのですが、だんだん数が増えて、
私の後ろを20人くらいの男がぞろぞろ歩いています。
『ふーん、みんな暇人なのね~』と、私はそう思うだけでした。
チケット窓口で、『明日のアディスアベバへ行くチケットを下さい』と言うと、
窓口おじさんは『全部売り切れだよ』って・・・。
ガーン( ̄□ ̄;;;;
気を落とした私は、バスターミナルの敷地内に座り込み、地球の歩き方とネット情報の写しを眺めました。
アルバミンチから直接アディスアベバに行くことができなければ、どこかの街まで行くバスチケットを買って、
そこから乗り継いでアディスアベバに行かなければならないし、リミットはあと2日しかありません。
情報を見ながら、うーん、うーん、あーでもない、こーでもないと悩みます。
でもって、悩む私の周りには、すでに男が30~40人もうろちょろしていて、
『お前、チケット買えなかったんだってな(ぐへへ)』とか、
『チケット持ってないのか、俺も持ってないけどな(ふはは)』とか、
いらんお世話ばかり焼いてきます(怒)。
こいつら・・・(▼▼)!!
結局私は、乗ってきたバスに戻りました。
そうです。30~40人ものストーカー男がついてくる中で、です(涙)。
バスに戻ったのは、ドライバーとチケットマンに相談するためです。
私は目に涙が浮かぶのを我慢して、ドライバーに打ち明けました。
『あの建物の窓口で、明日のアディスアベバ行きのチケットがないって言われたんです。
でも私は絶対に絶対に明日アディスアベバに行かなければならないんです。
私はどうやったら明日のバスチケットを手に入れることができますか(涙)・・・』
そうすると、ドライバーとチケットマンがアムハラ語でこそこそ話をしたあと、
チケットマンが手書きのバスチケットを私に渡してくれました。。。
嬉しい。。。
私は、46ブル(598円)をチケットマンに支払い、
明日のアディスアベバ行きのチケット、すなわち、エチオピアの最後の移動手段を確保しました。
もう、このときの安堵感は、本当に忘れられません。
*
アルバミンチのバスターミナルを出ると、舗装されていない荒れた土の道があり、宿や店が並んでいます。
でも、アフリカの町という感じで、異国の気配がただよっています。
街には大音量でエチオピアン演歌が流れていて
それもまた異様な雰囲気を作っています。
私はまずは明るいうちにセカラ地区を歩き、宿が見つかればそこに身を置こうと思っていました。
私がバスターミナルから出ると、さっきからずっと私に話しかけてくるムカツク男がぴったり横を歩いてきます。
更に数人の男が私の後ろを囲み、その後ろに50人くらいの男がついてくるんです(涙)
『僕は君が好きだよ』
『君が疲れているならその荷物を持つよ』
『君が行くところに僕も行くよ』
『お腹がすいているなら僕とごはんを食べよう』
『僕はお腹がすいているから君を食べよう』
・・・なんなんだよ~~~(TT)(涙)
ストーカーに、『君はこれからどこへ行くの?』と100回1000回聞かれるのがうざくなってきたので、
地球の歩き方に載っている適当なホテルの名前を出し、『○○ホテルよ』と嘘の行き先を答えました。
そうしたら、道をすれ違うおじさんから、『○○ホテルはあっちだぞ』、
道端に座っている男から、『○○ホテルはあっちだぞ』、
道路沿いのショップの店員から、『○○ホテルはあっちだぞ』って・・・
・・・知れ渡ってるじゃーーーん(▼▼)!!
そうして私はとりあえず、バスターミナルを出て数十メートル歩き、
セカラ地区の中心部の交差点?と思えるようなところにきました。
中心部と思われるだけあって、店がいくつもある分、ふらふらしている男どももどっさりいます。
男どもにからかわれ、私の周辺からピッタリ離れないストーカーヘッドには執拗に声をかけられ、
私の精神はどんどん参ってきます。。。
ほんとーに恐いんですよ(泣)
見知らぬアフリカの汚い町で、女一人で歩いていて、拉致される寸前の状態で歩き続ける恐怖。。。
そうして私はともかく自分自身がクレイジーな異常精神になり、
男どもに『ついてくんじゃねー(▼▼)!!』とガンつけて、
そのままセカラ地区のジュースショップに逃げ込みました。
流石に数十人の男どもは、店の中までは入ってきませんでした。
エチオピア。女1人旅だったため、男どもがストーカーのようについてくる。
(※多分ストーカーは前1/3くらいで、残りの2/3は興味本位客なんだろうけれど)
醜い・・・なんて醜く汚らわしい街なんだろう・・・。
私はこのアルバミンチの街に、冗談でなく本気で殺意を抱きました。
ただでさえ8月のエチオピア・・・暑いのに、気が狂いそうです・・・。
*
セカラ地区で入ったジュースショップは、店員が8~9歳くらいのガキんちょでした。
子供が親の手伝いをしているんでしょう。
ガキんちょは素直で無垢で、おかげで店内はまあまあ落ち着ける・・・救いです。
私がここで頼んだのは、マンゴーとアボカドのフレッシュジュース。
ミキサーにかけたマンゴーとアボカドのとろ~り感が2層になっていて、極上の美味しさです。
アボカドをジュースにするなんて飲んだことがなかったので、
これがビールジョッキサイズでたっぷり入って2ブル(26円)は、
おやつを兼ねてお腹いっぱい、何より安いっ(*^.^*)
添えてあるライムを絞ると、更に美味しくなって、ちょっと癒されました。
マンゴーとアボカドのジュースを飲む間、私は日記を書いたりメモを整理したりしていました。
それは本当は、ストーカーから離れる時間を稼ぐためでもありました。
30分くらいお店にいたでしょうか?
お店を出ると、先ほどのストーカーヘッドはいなくなっていました。(涙)
*
今日は日本から離れて5日目、そろそろ電話でもしようかな。
国際電話となると、ダウンタウンのセカラよりも、高級地区のシェチャに行ったほうがいいかな?
アルバミンチの街には、青い車体のワゴン車(ミニバス)がシェチャ地区とセカラ地区を往復していて、
『タクシー』と呼ばれています。
私はそのミニバスに乗り(1ブル、13円)、シェチャ地区に行こうとしました。
でも、シェチャ地区のテレフォンセンターで『どこに電話をかけるの?』と聞かれて、
私が『日本』って言うと、『だめだめ、高いから』ってお断り。
・・・ガルルルル(▼▼)!!
こっちは金もってんだぞ、金払えるぞ、金を出すから電話をかけさせてくれ(TT)!!
・・・という激怒の気持ちをこらえながら、柔和に交渉する。
でも、ダメなものはダメって言われてしまった・・・。
それじゃあ、と思って、ネットカフェを探す。
シェチャ地区に1軒しかないというネットカフェを探すのは簡単でしたが、なんと接続落ち。
使えなーーーい ><。
やばい、陽が傾いてきた。
こんな猟奇な街で女一人が暗い中を歩くなんて、それは死を意味するかもしれない!!!
私は夕陽の光でオレンジ色がかってきた街で、もう一度ミニバスに乗り(1ブル、13円)、
悪魔のセカラ地区へ戻りました。
私はテレフォンセンターを探すために、セカラ地区の道路沿いの店の店員に尋ねて回りました。
(店員に聞くなら、そいつがストーカーのように後をつけてくる可能性が低いと思ったから)
しかしミニバスに乗っていた男性が私の後をついてきたんです。
あちこち歩く私のぴったり半径2m以内にいる。。。
そして、町中に『こいつ、電話をかけるらしいぞ』と言いふらして歩いている。。。
ともかく電話がある店を聞いては行き、断られたらまた別のテレフォンセンターを探し、の連続で、
また私の後ろには50人くらい(いや、100人はいたかも)のストーカー軍団が
ぐへぐへと笑いながら磁石にくっつく鉄クギ状態でつきまとっている。
ようやくたどり着いた何軒目かのテレフォンセンターで、
窓口のおねえさんに『国際電話をかけたいのですが』と言うと、
横についてきた男が『国際電話をかけたいらしい』と勝手に復唱している。
窓口のおねえさんが『料金は○分で○ブルです』と言うと、
男は『料金は○分で○ブルだってよ』と勝手に復唱している。
こいつ・・・(▼▼)!!←殺意
でも、でも、私はやっと国際電話をかけることができたんです(涙)
全荷物を背負いながら3時間も歩き続け、心がズタズタボロボロになりながら、電話をかけた。
(カメラやレンズ、三脚があるので、荷物はかなり重かった・・・)
電話をかけ終わったら支払いをします。3分で38ブル(494円)でした。
ストーカー男は『俺のおかげでお前は電話をかけることができたんだから金を出せ』と言います。
頼んでないっつーの。
男の金をくれ攻撃を無視し、いよいよ陽が落ちかけたアルバミンチのセカラ地区に出ました。
やばい・・・まだ宿も見つけていない・・・
この街は長くいればいるほど嫌な思いをします。
怖い。
不安でたまらない。
怖い、怖い、怖い・・・。
一刻も早くこの街を出たい。
でも宿に泊まるしか方法はない。
本当は高級シェチャ地区に泊まればこんな怖い思いをすることもないと思うのですが、
明日早朝真っ暗なうちに、セカラ地区からバスが出発するので、
私は5kmも離れたシェチャ地区に泊まるわけにはいかないんです。
分かってはいるけれど、こんな気が狂うセカラにいたくない・・・><。
怖い目に遭いたくない。
もう誰にも声をかけられたくない。
こんな狂った街にいること自体、本気で苦痛です。
東洋人、長身、女性、1人歩き、良くも悪くも引き立つ顔をしている、の5点フルセット。
女1人旅だったため、男どもがストーカーのようについてくる。
同じようにリュック1つ背負って歩いている白人バックパッカー(オヤヂ)が
誰にも声をかけられることなくスタスタとアルバミンチの街を歩いている姿は、
悔し涙が出るほどうらやましかったです。
私は、宿を探して歩きました。
しかし宿に向けて歩き、大通りから小路に入ると、
ストーカー男の一人が、執拗に私のそばから離れなくなりました。
怖い!!
それでも、私はもうどうすることもできません。。。
『ついてこないでよ』
『あっちへ行ってよ』
『私に寄らないでよ!』
『私と一緒に歩かないでよ!!!!』
・・・私は、英語とも宇宙語とも日本語ともつかない狂った言葉で男どもにわめき叫びたてています。
そんな中、地獄のアルバミンチで私を助けてくれたのは、
教会で見かけるような格好をしているシスターのおばさん達でした。
私が、英語とも宇宙語とも日本語ともつかない言葉で男どもから逃げようとしているとき、
シスターが「何があったのですか」と声をかけてくれたんです。
そのお慈悲に、私はもう声が出ない。
泣きそうな顔で悔し涙をこらえながら、小さく首を横に振る。
なのにシスターは再び「何があったのですか」と優しく声をかけてくれるんです。
「・・・あの男が、私が歩く後ろを歩くんです、本当に恐くて恐くて・・・」
小さな声で、シスターに打ち明ける。
私に声をかけてくれたシスターは、残り2人のシスターに
「○×△%+□¥・・・(多分アムハラ語)」と声をかけると、
3人のシスターが更に近くにいた女性たちを呼び寄せ・・・
そして次の瞬間・・・
男どもをボコボコにしてくれた。
なんと、女性一団が男どもを取り囲み、服を脱がせ、腕をしばってくれたんです!!
「あなたは早く行きなさい」というシスターの声がかかると、
私は泣きたくなるのを我慢しながら、頭を下げて逃げてきた。
本当は声を出してお礼を言わなければならなかったのだろうに、私にはその声が出なかった。。。
*
この街はストーカー天国でした。
日が暮れそうになった頃からは治安が本当に怖くなりました。
話しかけられ方が明らかに異様で、治安の悪さを直感します。
「これ以上歩いたら拉致される!!」
本気でそう感じるようになるほど周囲が暗くなってくると、
私はフラフラと塀のある敷地に逃げこみました。
何故そこに入ったかというと、塀があって、仕切られている、
そんな構造に安心を求めたからでした。
敷地内にはベンチがあって、女性が何人かおしゃべりをしていたました。
男に声をかけられるのを待っている娼婦でした。
女性に『ここは宿ですか?』と聞くと、『Yes』の返事が!!
ここに泊まればいい。。。
私は、すぐ宿の人に『今日泊まれますか?』と聞きました。
『18ブル(234円)の部屋があるよ』と言われた途端、
私は地面に崩れ落ちるようにしゃがみこんでしまいました。
泣いてはいなかったんですが、悔し涙をこらえて、
悔しさのあまり地面に手を叩きつけるように崩れ落ちたと思います。
これ以上この最低な街を歩かなくてもいい。。。
4時間もの間、電話とネットと水と宿を探してさまよい、
すべての荷物を背負って男どもを振り払いながら逃げ歩いたアルバミンチの4時間は地獄でした。
でも、地面に崩れ落ちる私に椅子(丸太の切れ端)を差し出してくれたエチオピア人、
優しさが身にしみました。。。
私は、部屋を案内してもらいました。
コンセントがあったので、デジカムを充電できるかどうかチェック・・・・でもガッカリ。
電気が通っていないコンセントって、何なんだよおおおおおお (TT)
私はそうダダをこね、宿泊料18ブル(234円)を8ブル(104円)にまけてもらいました。
私は朝イチでジンカからバスに乗ってきたので、今日は一度もトイレに行っていません。
だから、部屋に荷物を置いて、自前の南京錠で部屋に鍵をかけたら、まずは共同トイレに行きました。
・・・・。
逃走(スタタタタ)
↑ファイナルファンタジー風に。
尿意もひっこみました。
トイレには、茶色い軟体が山のように積まれています。エチオピア人の人糞です。
ポットン式トイレであるはずなのに、ポットンの穴からはみ出て溢れんばかりの茶色い人糞。
うえっぷ(>mm<)
しかもその人糞の山の横がシャワースペースになっているんですよ!!
これを最悪と呼ばずになんと呼ぶんでしょう(泣)
私は、屈辱感に近い感情を押し殺し、尿意を押し殺し、部屋に戻りました。
シャワーが浴びられないことが分かると、確保するべきものは、水です。
ちょっと恐かったけれど、もう一度宿の敷地から出て、
一番近いところにあるスタンド式のお店で、水を買いました。
500mLペットボトル×2本、1Lペットボトル×2本。合計14ブル(182円)。
明日も1日中気温50度のバスに乗るのだから、このくらいの水は買っておかなくちゃ。
次に私は、エチオピアン演歌が流れる怪しい酒場に行き、
男と女が怪しくたわむれるその酒場で、椅子に座り、食事を摂ることにしました。
ちょっと恐かったけど。でも音楽が流れる陽気な雰囲気があることは救いだったように思います。
今日あるメニューは、『インジェラキットフォ』だけなんだそうです。
さばきたての牛肉をコロコロステーキ状にして、例の醗酵胃液味クレープのインジェラ、パン、
おかわりし放題の牛テールスープつきで、なんとお値段6ブル(78円)!!!
なーーーんて安いディナーなんでしょう!!!
牛サイコロステーキが最高に美味しくて、テールスープを吸わせたインジェラも美味しくて、
あまりにビールが進む味なので、ベデレスペシャルという銘柄のビールの500mLビンを注文。
こちらも5.5ブル(71円)。やっすい!。
美味しい食事。しかもやっすーーい。
道路とは塀で仕切られているという安心感が何よりビールを美味しく飲ませてくれました。
*
食事が終わって食後のビールを飲んでいるとウェイターが男を2人連れてきました。
『今夜あなたとプレイしたいと言っている』
がるるるるっ。ふざけんな(▼▼)!!
あっさりお断り。キッパリ。
折角の美味しい食事気分もすっかり冷め、また私は部屋に逃げ込んでしまいました。
*
壁と天井とベッドだけがあるような宿。
ほんと、壁と天井があるだけマシ、という、ただそれだけの造り。
床は土が見えるほど粗くレンガが敷いてあるだけで、
レンガの隙間から雑草が生え、ムカデやゴキブリが出てくるような部屋なのです。
(土が出ているおかげでハエ取り線香は立てやすい、苦笑)。
ベッドは間違いなくノミや南京虫がいるに違いない。
またベッドにダニアーススプレーを念入りに吹きつけ、サバイバルシートをかぶせ、
ガムテープでベッドに固定し、そうしてベッドの上に、荷物を降ろしました。
今日は、気温50度近くまで上がるバス車内で1日かけて移動し、
ほこりっぽいアルバミンチの街を4時間も絶えず歩き続けた。。。
いくらなんでも汗を流したい。
土の上に粗くレンガを敷いただけのホテルの部屋は、
床に虫が平気で行列を作っている。
だから、部屋の中を水びたしにするのも平気。
それなら、部屋で水をかぶってしまおう。
だってエチオピア人の人糞の山と共にある共同シャワーを使うわけにはいきませんもの。
私は、一念発起しておんぼろ部屋で、窓と扉に内側から南京錠をかけて、裸になりました。
貴重なミネラルウォーターですが、1Lボトルを開封。
まず300mLほどを頭からかぶる。セミロングの髪を濡らし、髪を洗う。
顔にしたたる水がしょっぱかったとき、
「なんでこんな惨めなことをしてるんだろう」と思った。
「なんて惨めな格好なんだ・・・」
と、思わず涙が出てきました。
(でもその1秒後「だってエチオピアだし」と思うと滅入る気分が少しだけ回復した)
そのまま頭からしたたるしょっぱい泥水で体を洗った。
次は500mLほどを頭からかぶり、同じ作業を繰り返す。最後は残り全部を頭からかぶった。
たった1Lの水で、シャワーが完了。
あとはサラサラパウダーシートで、体の水をふきとると、肌がサラサラして楽になった。
髪の水をタオルで拭き取り、明日着る服を寝巻き代わりに着て、
ベッドの枕元にデジカムをセットして、自分を映す。
今日の感想を述べるわけだが、腐った街アルバミンチの文句ばかり。
でも私は、その映像に次のコメントを残している。
「本当はアディスアベバへのチケットを持っていたけれど、
それを使っていたら、今日のこのアルバミンチの街には出会えなかった。
ほんっっとーーーに男が最悪の街だけど、
こういうエチオピアを見れたことはよかったと思う。
・・・でも、行きを飛行機にしてよかった。
こんな旅が往復だったら、本当に耐えられなかったかも。」
*
ところで、ふと部屋のすみに目が行くと、
洗面器が1つ転がっていた。
ま・・・まさか!!!( ̄□ ̄;;
部屋の中で尿意を催した人のために、エチオピアの宿には洗面器が置いてある、
という情報は、インターネットから得ていたのだが・・・。
おそーるおそーる、洗面器を覗いてみる。
・・・・・。
うえっぷ(>mm<)
黄色い液体が入っているよ~~~~(おぇ~)
どこの誰のか分からないおしっこが入った洗面器と、
ゴキブリ、ムカデ、アリの行列と共に、私は1泊をすごす。
なんて惨めなんだろう。。。
天井や壁を歩くアリや虫の行列を見ながらそう思った。
私は、情けなさのあまり、気分が滅入ってしまった。
通電が切れたあとの部屋は真っ暗で(当たり前か)、
私はろうそくを灯し、ダニだらけの布団に入るわけにもいかず、
ウインドブレーカーを着て、サバイバルシートに横たわって、
ろうそくの炎が消えた10時に寝た。
しかし、考えたくない洗面器のことが、どうしても気になってしまう。
もしアリンコが洗面器にタッチして、そのまま私の足にタッチしたら・・・
そんなことばかり考えてしまいます ><。
*
夜12時すぎ、私はトイレのために起きました。
いくら鉄の膀胱(笑)を持つ私でも、朝4時から20時間一度もトイレに行かないなんてすごい。
夜になると電気がつかないアルバミンチの宿なので、そろそろ皆寝ただろうと思って部屋の外に出ました。
部屋の外って言ったって廊下じゃないよ。扉を開けたらもう外なのだから。
こんな夜中になるまでトイレを我慢していたのは、くっさーくっさートイレを使いたくなかったから。
さて、夜空の下で野グソだわ~(失礼、だってホントだもの)
と思って部屋を出たら、突然男に声をかけられたんです。
「Where are you going!?」
おーい、男よ。
私の部屋の前にずっといたんかい(▼▼)!!
・・・トイレ気分もひっこんで、私は逃げるように部屋にかけ戻ってしまった・・・
*
エチオピア、そしてこのアルバミンチの街。
『訳の分からない旅をしたい』という想いがマックスに叶えられた1日だった。
でもこんな辛い旅なんて、もう嫌だ。
早くエチオピアから脱出させてくれ!(ToT)
(なお、夜中の3時にもう一度外に出て、私は23時間ぶりに夜空の下でトイレをすませることができたのでした)
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(エチオピアの通貨:1ブル13.0円でした)
朝4時半起床。ジンカのホテルの部屋にろうそくを灯す。
手に持っている1枚のエアチケットを眺め、決断する期限がやってきた。
ジンカから首都アディスアベバへのフライトチケットを持っている。
これを使えばジンカからアディスアベバまで2時間で到着できるのに。。。
私は最初、『訳の分からない旅をしたい』と思ってエチオピアに来た。
多分、エチオピアを陸路で移動しなければ、私は100%後悔し続ける。
地べたを歩き、エチオピアの泥臭さをもっと見たい。
そう確信する気持ちが100%だった。
私は、最後に大きな深呼吸をした。
行くしかない。
覚悟を決め、リュックを背負う。
*
ジンカの街は、夜明けに電気が通っていない。
日の出の時間までまだ時間があるので、外は真っ暗。
多分、日本のどこにいても味わえないほど、真っ暗。
真っ暗闇のうちにホテルを出て、マグライトを持って、バスターミナルへと歩く。
ぐにゃ~(汗)
・・・途中、牛フンを踏みつけたりしながら。
靴底をズリズリと引きずって牛フンを落としながら、ズリズリと歩いていく。
くっそー。。。(シャレではない)
真っ暗闇の中、浮かびあがるのは、マグライトが指す自分の数m前方だけ。
えーっと・・・バスターミナルはどこの角を曲がるんだっけ??
真っ暗闇なので、たまに人の気配とすれ違うと、心臓がびっくりする。
昼間と歩く感覚が全く違うけれど、
遠くにろうそく明かりが数点見えるところがバスターミナルだと気づいた。
夜明け前、電気の流れていないジンカの街は、当然何も見えない真っ暗闇。
なのにバスターミナルについてみると、どう考えてもバスの座席数よりも多い人がごったがえしている。
みんなろうそくか懐中電灯をもっているが、その明かりに映るのは黒人さんだけ。
遠くから見ると、そこだけ不気味に黒人さんの顔が浮かび上がるので、心拍数が上がって汗が出てくる。
みんなが押し合いへし合いしている中、
肌の色が違う女が1人で割り込んでいくことは、かなり勇気が要る。
私は、人の間にわずかに出来た隙間をこそこそ~っと入り込んで、少しずつ前方へ割り込んでいった。
(結局割りこんでるじゃん)
しかしこの行為、かなり危ない。
エチオピアでは多分懐中電灯も高級品なので、ろうそくをともす人が多い。
服が燃えるかもしれないのである。
ろうそくを持った人たちの隙間をくぐるようにして、人だかりの前方によっこらしょと進んでいく。
誰かが押してくると、服に火がつくんじゃないかと恐怖(◎◎)
バスの乗車が始まると、乗客はこぞって席取り合戦です。
ジンカで停まっているバスは1台だけだから、みんなのターゲットは1つだけ。
「外国人は優先的にバスに乗せてくれる」という情報があったけれど、
ぜーんぜんそんなことありゃしない(▼▼)!!
私はギュウギュウの押しくら饅頭合戦の状態で、
かなり早めにバスに乗り込むことに成功したのでした。
バスの中・・・
うげっ。
汚いし、クサイ・・・><。
分かりやすい言葉で言うと、ゲロくさいのである。
それに、何というか、乳製品のような醗酵臭がただよっている。
乳製品のような醗酵臭は、エチオピア人の体臭だと、あとで気づくことになる。
真っ暗闇のバスの中にわらわらと人がいて、互いが持っているろうそく明かりで、
汚い車内はそうとう猟奇なことになっている。
もみくちゃにされながら、運転席へ向かう。
『運転手さん、グモーニン。昨日お話したAzusaです。
昨日私はあなたに助手席に乗ることを伝えたので、ここに座らせてね』
と言い、運転手を丸め込んで、助手席にいた人を立ち退かせることに成功。
6:30、空が白んできた頃、バスは順調に出発しました。
なんと、私以外全員が男性だった。うおー、何か間違ったことが起こるんじゃないのか?
・・・ちょっとすごい車内の様子はこんな感じ。
なまじ助手席に座ってしまったばかりに、男全員の注目の的になっている私なのでした(ーーゞ
私がリュックから何かを取り出そうとしたり、水を飲んだり、
ちょっとでも何かをすると、バス内がザワっとなるんです。こわ。
すごいですよね、この視線・・・
*
バスはガタガタした土の道を走ります。
なのにみんなその道を「ハイウェイ」と言っているのが面白い。
ハイ、これがエチオピアのハイウェイです(^^ゞ
8:00、昨日ハマル族の集落から帰ってきたときに寄ったカイアファールの街を通過。
なんだか懐かしいなって思いながら、通過するとき手を振ってくれる子供に手を振った。
*
景色がすごーい♪
おんぼろバスはのろのろしたスピードで進みます。
私は助手席に座っているので、前方も横も、風景をたーっくさん楽しむことができました(*^o^*)
(でも車内は40℃くらいになっていて、暑いです)
エチオピアの地形について エチオピアは「裸足のアベベ」で有名なマラソン大国。 それもそのはず、エチオピアは、南西部など一部を除き、高山大国なのです。 日々高地トレーニング状態でランニングすることができるわけですね。 下の図は、エチオピア航空のモニター画面です。 エチオピア全体が高山大国である様子がよく分かると思います。 ジンカは南西部の低地にあるのですが、 私が向かう首都アディスアベバは標高の高いところにあります。 私はジンカからアディスアベバまでローカルバスだけで移動したのですが、 『山を越え谷を越え』の状態で、のろのろ運転の連続です。 でも、そんなおんぼろバスに乗っているからこそ、 のろのろ運転から見る車窓は素晴らしい!! アフリカの大地と大地溝帯ならではの光景は、とても素晴らしく感じました。 |
9:15、バスはウェイトの街に到着しました。
ウェイトの街は、昨日ハマル族の集落として訪れたトゥルミの街に似ていて、
大変に素朴な、土の匂いがする街でした。
ドライバーに聞くと、『ごはんタイムだよ』ですって。
ヘンピな街なのですが、それもまた旅ゴコロを誘います。
私は、ビニール袋など大事でない荷物を助手席に残し、リュックを背負ってバスを降りました。
かやぶきの屋根は、レストランスペースのようです。
厨房のような土間のようなところで、『何か食べたい』と伝えたら、
『今日はカイワットだけだよ』って言われました。
私は、カイワット(8ブル、104円)とアンボ(天然炭酸水のボトル、1ブル、13円)を
持ったのはいいのですが、
・・・さて、どこで食べましょう・・・
私が、1人でぽつーんと立って、きょろきょろと周りを見ていると、
『一緒に食べよう』と私を呼んでくれるグループがいました。
嬉しかった~。
写真の左(手をのばしている人)が私です。
やっぱりインジェラはみんなで食べると美味しいね~(*^^*)
カイワットは真っ赤な色をしたスパイシー煮込みです。
もうっ、写真の色からして美味しそうでしょう!!
これを、胃液のような味の醗酵クレープ『インジェラ』と一緒に手づかみで食べます。
カイワットをインジェラの上にザバーとたらし、インジェラをちぎってカイワットをつまんで口に運ぶ…
ヤギの肉を使った真っ赤な煮込み。バルバレという香辛料の辛さも利いていて
今回の旅で食べたインジェラのナンバーワン☆の味でした。
健康爛漫のエチオピアの大地で育ったヤギだからでしょうね。
胃液味って言うけど、醗酵して酸味が出ているぶしゅぶしゅ湿ったクレープ状の食べ物。
日本でも酢飯を食べることだし、主食が酸っぱい分には抵抗がありません。
美味しいね~~~ホント、オイシイ!!
なんたって、この色!!いかにも美味しそうなブラボーカイワット☆です。
だけどインジェラの欠点は1つ。サイズが大きいんです。
インジェラの直径が50cmもあるので、私は私を同席させてくれたみんなに2/3をプレゼントしました。
ということで、朝ごはんも100円でお腹いっぱいです。
これだけカイワットが美味しいと、喉から手が出るほどビールを飲みたくなるのですが、
今日は1日かけてのバス移動なので、トイレが近くならないよう、我慢しました。
*
ウェイトの街を9:45出発。
バスは素晴らしい緑の風景の中を走ります。
人々の様子が少しずつ変化していきます。
少しずつ耕作にいそしむ人々の姿が見えるようになり、
もっとバスが進むと、Tシャツを着ている姿が当たりまえになります。
昨日まで、ムルシ族やカロ族という未開の人々に出会ってきたばかりなのに。。。
そんな人々の姿の違いから文化の連続性を目の当たりにする。
高台からはアフリカの大地溝帯の風景を目の当たりにしながら、
ほんと、人も自然も、ここエチオピアはすごい国だと実感する。
ところで私は、事前に、エチオピア人はバスの窓を開けないと聞いていたけれど、
そんなことはない。
はっきりと全開!
エチオピアの高原の道を窓を開けて走るのは、実に気持ちいい。
超のろのろなので、カメラで車窓を撮影しても、いつもほど揺れないからきれいな写真が撮れます。
だんだん人々の暮らす姿に文明がかげるようになる様子が見えるようになってまもなく、
12:40、バスはコンソの街に到着しました。
ドライバーは『ドリンク休憩だ』といいます。
私も、ゴミ溜め場のような車内から出て気持ちよいエチオピアの空気を吸いたいと思いました。
しかしうかうかしてはいられません。
私が水など買っている間に発車されては一貫の終わりだから。
ドライバーに、『また戻ってくるからね。私が助手席に座るまで絶対に出発しないでね』と言うのですが、
それでも不安で、全部の荷物を持って(といってもリュック1つだけど)、下車しました。
バスが止まったのは、コンソの街の中心地です。
といっても、十字の角に簡素な建物がポツンとあるだけの場所。
しっかしなんなんでしょーねー、エチオピア人ってば。
砂糖水に群がるアリ、ライトに群がる蛾を連想するかのように、
バスが止まるとバスの周りにあっという間に人々の黒い人だかりができる。
荷物を全部持ってきて・・・ちょっと正解(u_u)
バスから下車したみんなは、その人だかりのすきまでめいめいに立ちションをしています。
いいな~~(ため息)。こういうときばかりは男の人が本当にうらやましい。
私は幸いにもトイレ欲求がなかったのですが、もしトイレが近い女だったら・・・
エチオピア人100人ギャラリーに囲まれて用を足す・・・
非常~~に恐ろしい見世物になっていたと予想されまする。。。
*
十字路の角にあるお店は、水を売っている様子だったので、ミネラルウォーターを購入しました。
『ハイランドウォーター』1L5ブル(65円)。
うっ・・・この水は・・・
うまい。
あまり飲みすぎるとトイレに行きたくなるので、
美味しいミネラルウォーターのほとんどをバスに持ち込んで、少しずつ飲んでいくことにしました。
*
13:10 コンソ発。
暑い車内(気温40度)、そして臭い車内ではあるけれど、
みんなが窓を開けているおかげで、結構快適です。
助手席に座っているので、景色を180°にわたって見ることができ、なかなかいいもんです。
車窓を移り変わる景色を楽しみながら、時折シャッターを切りながら。。。
*
バスが進むと、電線が見えてきました。
もっともっとバスが進むと、やがて道がアスファルトに変わりました。
・・・そう。この、道がアスファルトに変わる瞬間が、アルバミンチの街に突入する瞬間でした。
正直言って、アルバミンチの街に突入し、アスファルト舗装の道を見たとき、
『ああ、私のエチオピアの旅は、終わった』って思いました。
でも本当は、ここアルバミンチがクライマックスだとは、今は知る由もありませんでした。
*
アルバミンチは、シェチャ地区という高級エリアと、セカラ地区というダウンタウンに分かれています。
シェチャ地区は外国人向けホテル、ネットカフェ、レストランなどがある日本人が宿泊しやすいタウン。
そしてセカラ地区は、そうでないタウンです。
ジンカからバスに乗ってくると、まずバスはシェチャ地区に入り、
そのまま5kmほど走ってセカラ地区のバスターミナルで降客します。
私たちを乗せたバスは、15:30、セカラ地区のバスターミナルに到着しました。
*
さってと。
バスを降りるとそこにはエチオピア人がたむろしていて、
リュックを背負ってバスを降りた私に『どこ行くの?』って聞いてきました。
私は普通に、『明日のチケットを買いに行くの』と言います。
男どもは、『チケットならあの建物で買えるよ』って教えてくれたので、
私は『Thank you.』と言ってその建物の窓口に行きました。
?
最初私の周りにいた男どもは5、6人だったのですが、だんだん数が増えて、
私の後ろを20人くらいの男がぞろぞろ歩いています。
『ふーん、みんな暇人なのね~』と、私はそう思うだけでした。
チケット窓口で、『明日のアディスアベバへ行くチケットを下さい』と言うと、
窓口おじさんは『全部売り切れだよ』って・・・。
ガーン( ̄□ ̄;;;;
気を落とした私は、バスターミナルの敷地内に座り込み、地球の歩き方とネット情報の写しを眺めました。
アルバミンチから直接アディスアベバに行くことができなければ、どこかの街まで行くバスチケットを買って、
そこから乗り継いでアディスアベバに行かなければならないし、リミットはあと2日しかありません。
情報を見ながら、うーん、うーん、あーでもない、こーでもないと悩みます。
でもって、悩む私の周りには、すでに男が30~40人もうろちょろしていて、
『お前、チケット買えなかったんだってな(ぐへへ)』とか、
『チケット持ってないのか、俺も持ってないけどな(ふはは)』とか、
いらんお世話ばかり焼いてきます(怒)。
こいつら・・・(▼▼)!!
結局私は、乗ってきたバスに戻りました。
そうです。30~40人ものストーカー男がついてくる中で、です(涙)。
バスに戻ったのは、ドライバーとチケットマンに相談するためです。
私は目に涙が浮かぶのを我慢して、ドライバーに打ち明けました。
『あの建物の窓口で、明日のアディスアベバ行きのチケットがないって言われたんです。
でも私は絶対に絶対に明日アディスアベバに行かなければならないんです。
私はどうやったら明日のバスチケットを手に入れることができますか(涙)・・・』
そうすると、ドライバーとチケットマンがアムハラ語でこそこそ話をしたあと、
チケットマンが手書きのバスチケットを私に渡してくれました。。。
嬉しい。。。
私は、46ブル(598円)をチケットマンに支払い、
明日のアディスアベバ行きのチケット、すなわち、エチオピアの最後の移動手段を確保しました。
もう、このときの安堵感は、本当に忘れられません。
*
アルバミンチのバスターミナルを出ると、舗装されていない荒れた土の道があり、宿や店が並んでいます。
でも、アフリカの町という感じで、異国の気配がただよっています。
街には大音量でエチオピアン演歌が流れていて
それもまた異様な雰囲気を作っています。
私はまずは明るいうちにセカラ地区を歩き、宿が見つかればそこに身を置こうと思っていました。
私がバスターミナルから出ると、さっきからずっと私に話しかけてくるムカツク男がぴったり横を歩いてきます。
更に数人の男が私の後ろを囲み、その後ろに50人くらいの男がついてくるんです(涙)
『僕は君が好きだよ』
『君が疲れているならその荷物を持つよ』
『君が行くところに僕も行くよ』
『お腹がすいているなら僕とごはんを食べよう』
『僕はお腹がすいているから君を食べよう』
・・・なんなんだよ~~~(TT)(涙)
ストーカーに、『君はこれからどこへ行くの?』と100回1000回聞かれるのがうざくなってきたので、
地球の歩き方に載っている適当なホテルの名前を出し、『○○ホテルよ』と嘘の行き先を答えました。
そうしたら、道をすれ違うおじさんから、『○○ホテルはあっちだぞ』、
道端に座っている男から、『○○ホテルはあっちだぞ』、
道路沿いのショップの店員から、『○○ホテルはあっちだぞ』って・・・
・・・知れ渡ってるじゃーーーん(▼▼)!!
そうして私はとりあえず、バスターミナルを出て数十メートル歩き、
セカラ地区の中心部の交差点?と思えるようなところにきました。
中心部と思われるだけあって、店がいくつもある分、ふらふらしている男どももどっさりいます。
男どもにからかわれ、私の周辺からピッタリ離れないストーカーヘッドには執拗に声をかけられ、
私の精神はどんどん参ってきます。。。
ほんとーに恐いんですよ(泣)
見知らぬアフリカの汚い町で、女一人で歩いていて、拉致される寸前の状態で歩き続ける恐怖。。。
そうして私はともかく自分自身がクレイジーな異常精神になり、
男どもに『ついてくんじゃねー(▼▼)!!』とガンつけて、
そのままセカラ地区のジュースショップに逃げ込みました。
流石に数十人の男どもは、店の中までは入ってきませんでした。
エチオピア。女1人旅だったため、男どもがストーカーのようについてくる。
(※多分ストーカーは前1/3くらいで、残りの2/3は興味本位客なんだろうけれど)
醜い・・・なんて醜く汚らわしい街なんだろう・・・。
私はこのアルバミンチの街に、冗談でなく本気で殺意を抱きました。
ただでさえ8月のエチオピア・・・暑いのに、気が狂いそうです・・・。
*
セカラ地区で入ったジュースショップは、店員が8~9歳くらいのガキんちょでした。
子供が親の手伝いをしているんでしょう。
ガキんちょは素直で無垢で、おかげで店内はまあまあ落ち着ける・・・救いです。
私がここで頼んだのは、マンゴーとアボカドのフレッシュジュース。
ミキサーにかけたマンゴーとアボカドのとろ~り感が2層になっていて、極上の美味しさです。
アボカドをジュースにするなんて飲んだことがなかったので、
これがビールジョッキサイズでたっぷり入って2ブル(26円)は、
おやつを兼ねてお腹いっぱい、何より安いっ(*^.^*)
添えてあるライムを絞ると、更に美味しくなって、ちょっと癒されました。
マンゴーとアボカドのジュースを飲む間、私は日記を書いたりメモを整理したりしていました。
それは本当は、ストーカーから離れる時間を稼ぐためでもありました。
30分くらいお店にいたでしょうか?
お店を出ると、先ほどのストーカーヘッドはいなくなっていました。(涙)
*
今日は日本から離れて5日目、そろそろ電話でもしようかな。
国際電話となると、ダウンタウンのセカラよりも、高級地区のシェチャに行ったほうがいいかな?
アルバミンチの街には、青い車体のワゴン車(ミニバス)がシェチャ地区とセカラ地区を往復していて、
『タクシー』と呼ばれています。
私はそのミニバスに乗り(1ブル、13円)、シェチャ地区に行こうとしました。
でも、シェチャ地区のテレフォンセンターで『どこに電話をかけるの?』と聞かれて、
私が『日本』って言うと、『だめだめ、高いから』ってお断り。
・・・ガルルルル(▼▼)!!
こっちは金もってんだぞ、金払えるぞ、金を出すから電話をかけさせてくれ(TT)!!
・・・という激怒の気持ちをこらえながら、柔和に交渉する。
でも、ダメなものはダメって言われてしまった・・・。
それじゃあ、と思って、ネットカフェを探す。
シェチャ地区に1軒しかないというネットカフェを探すのは簡単でしたが、なんと接続落ち。
使えなーーーい ><。
やばい、陽が傾いてきた。
こんな猟奇な街で女一人が暗い中を歩くなんて、それは死を意味するかもしれない!!!
私は夕陽の光でオレンジ色がかってきた街で、もう一度ミニバスに乗り(1ブル、13円)、
悪魔のセカラ地区へ戻りました。
私はテレフォンセンターを探すために、セカラ地区の道路沿いの店の店員に尋ねて回りました。
(店員に聞くなら、そいつがストーカーのように後をつけてくる可能性が低いと思ったから)
しかしミニバスに乗っていた男性が私の後をついてきたんです。
あちこち歩く私のぴったり半径2m以内にいる。。。
そして、町中に『こいつ、電話をかけるらしいぞ』と言いふらして歩いている。。。
ともかく電話がある店を聞いては行き、断られたらまた別のテレフォンセンターを探し、の連続で、
また私の後ろには50人くらい(いや、100人はいたかも)のストーカー軍団が
ぐへぐへと笑いながら磁石にくっつく鉄クギ状態でつきまとっている。
ようやくたどり着いた何軒目かのテレフォンセンターで、
窓口のおねえさんに『国際電話をかけたいのですが』と言うと、
横についてきた男が『国際電話をかけたいらしい』と勝手に復唱している。
窓口のおねえさんが『料金は○分で○ブルです』と言うと、
男は『料金は○分で○ブルだってよ』と勝手に復唱している。
こいつ・・・(▼▼)!!←殺意
でも、でも、私はやっと国際電話をかけることができたんです(涙)
全荷物を背負いながら3時間も歩き続け、心がズタズタボロボロになりながら、電話をかけた。
(カメラやレンズ、三脚があるので、荷物はかなり重かった・・・)
電話をかけ終わったら支払いをします。3分で38ブル(494円)でした。
ストーカー男は『俺のおかげでお前は電話をかけることができたんだから金を出せ』と言います。
頼んでないっつーの。
男の金をくれ攻撃を無視し、いよいよ陽が落ちかけたアルバミンチのセカラ地区に出ました。
やばい・・・まだ宿も見つけていない・・・
この街は長くいればいるほど嫌な思いをします。
怖い。
不安でたまらない。
怖い、怖い、怖い・・・。
一刻も早くこの街を出たい。
でも宿に泊まるしか方法はない。
本当は高級シェチャ地区に泊まればこんな怖い思いをすることもないと思うのですが、
明日早朝真っ暗なうちに、セカラ地区からバスが出発するので、
私は5kmも離れたシェチャ地区に泊まるわけにはいかないんです。
分かってはいるけれど、こんな気が狂うセカラにいたくない・・・><。
怖い目に遭いたくない。
もう誰にも声をかけられたくない。
こんな狂った街にいること自体、本気で苦痛です。
東洋人、長身、女性、1人歩き、良くも悪くも引き立つ顔をしている、の5点フルセット。
女1人旅だったため、男どもがストーカーのようについてくる。
同じようにリュック1つ背負って歩いている白人バックパッカー(オヤヂ)が
誰にも声をかけられることなくスタスタとアルバミンチの街を歩いている姿は、
悔し涙が出るほどうらやましかったです。
私は、宿を探して歩きました。
しかし宿に向けて歩き、大通りから小路に入ると、
ストーカー男の一人が、執拗に私のそばから離れなくなりました。
怖い!!
それでも、私はもうどうすることもできません。。。
『ついてこないでよ』
『あっちへ行ってよ』
『私に寄らないでよ!』
『私と一緒に歩かないでよ!!!!』
・・・私は、英語とも宇宙語とも日本語ともつかない狂った言葉で男どもにわめき叫びたてています。
そんな中、地獄のアルバミンチで私を助けてくれたのは、
教会で見かけるような格好をしているシスターのおばさん達でした。
私が、英語とも宇宙語とも日本語ともつかない言葉で男どもから逃げようとしているとき、
シスターが「何があったのですか」と声をかけてくれたんです。
そのお慈悲に、私はもう声が出ない。
泣きそうな顔で悔し涙をこらえながら、小さく首を横に振る。
なのにシスターは再び「何があったのですか」と優しく声をかけてくれるんです。
「・・・あの男が、私が歩く後ろを歩くんです、本当に恐くて恐くて・・・」
小さな声で、シスターに打ち明ける。
私に声をかけてくれたシスターは、残り2人のシスターに
「○×△%+□¥・・・(多分アムハラ語)」と声をかけると、
3人のシスターが更に近くにいた女性たちを呼び寄せ・・・
そして次の瞬間・・・
男どもをボコボコにしてくれた。
なんと、女性一団が男どもを取り囲み、服を脱がせ、腕をしばってくれたんです!!
「あなたは早く行きなさい」というシスターの声がかかると、
私は泣きたくなるのを我慢しながら、頭を下げて逃げてきた。
本当は声を出してお礼を言わなければならなかったのだろうに、私にはその声が出なかった。。。
*
この街はストーカー天国でした。
日が暮れそうになった頃からは治安が本当に怖くなりました。
話しかけられ方が明らかに異様で、治安の悪さを直感します。
「これ以上歩いたら拉致される!!」
本気でそう感じるようになるほど周囲が暗くなってくると、
私はフラフラと塀のある敷地に逃げこみました。
何故そこに入ったかというと、塀があって、仕切られている、
そんな構造に安心を求めたからでした。
敷地内にはベンチがあって、女性が何人かおしゃべりをしていたました。
男に声をかけられるのを待っている娼婦でした。
女性に『ここは宿ですか?』と聞くと、『Yes』の返事が!!
ここに泊まればいい。。。
私は、すぐ宿の人に『今日泊まれますか?』と聞きました。
『18ブル(234円)の部屋があるよ』と言われた途端、
私は地面に崩れ落ちるようにしゃがみこんでしまいました。
泣いてはいなかったんですが、悔し涙をこらえて、
悔しさのあまり地面に手を叩きつけるように崩れ落ちたと思います。
これ以上この最低な街を歩かなくてもいい。。。
4時間もの間、電話とネットと水と宿を探してさまよい、
すべての荷物を背負って男どもを振り払いながら逃げ歩いたアルバミンチの4時間は地獄でした。
でも、地面に崩れ落ちる私に椅子(丸太の切れ端)を差し出してくれたエチオピア人、
優しさが身にしみました。。。
エチオピアの安宿について エチオピアの安宿は私たち日本人が一般に「ホテル」という造りではありません。 それはブンナベッドという、女連れ込み宿。 ラブホテルの役割も果たしています。 だから、エチオピアの安宿は大抵お酒を飲む場所がついています。 飲んで女を口説いてそのまま部屋へGO、 という分かりやすい図式になっているのだと思われます。 だから、部屋には、基本的にベッドしかありません。 外から直接入れる6畳程度の部屋は、 壁と天井とベッドがあるだけの、しょぼい造りになっています。 トイレは共同です。 敷地内にトイレがあって、そこに水シャワーも併設されています。 ただそれは・・・(続きを乞うご期待) |
私は、部屋を案内してもらいました。
コンセントがあったので、デジカムを充電できるかどうかチェック・・・・でもガッカリ。
電気が通っていないコンセントって、何なんだよおおおおおお (TT)
私はそうダダをこね、宿泊料18ブル(234円)を8ブル(104円)にまけてもらいました。
私は朝イチでジンカからバスに乗ってきたので、今日は一度もトイレに行っていません。
だから、部屋に荷物を置いて、自前の南京錠で部屋に鍵をかけたら、まずは共同トイレに行きました。
・・・・。
逃走(スタタタタ)
↑ファイナルファンタジー風に。
尿意もひっこみました。
トイレには、茶色い軟体が山のように積まれています。エチオピア人の人糞です。
ポットン式トイレであるはずなのに、ポットンの穴からはみ出て溢れんばかりの茶色い人糞。
うえっぷ(>mm<)
しかもその人糞の山の横がシャワースペースになっているんですよ!!
これを最悪と呼ばずになんと呼ぶんでしょう(泣)
私は、屈辱感に近い感情を押し殺し、尿意を押し殺し、部屋に戻りました。
シャワーが浴びられないことが分かると、確保するべきものは、水です。
ちょっと恐かったけれど、もう一度宿の敷地から出て、
一番近いところにあるスタンド式のお店で、水を買いました。
500mLペットボトル×2本、1Lペットボトル×2本。合計14ブル(182円)。
明日も1日中気温50度のバスに乗るのだから、このくらいの水は買っておかなくちゃ。
次に私は、エチオピアン演歌が流れる怪しい酒場に行き、
男と女が怪しくたわむれるその酒場で、椅子に座り、食事を摂ることにしました。
ちょっと恐かったけど。でも音楽が流れる陽気な雰囲気があることは救いだったように思います。
今日あるメニューは、『インジェラキットフォ』だけなんだそうです。
さばきたての牛肉をコロコロステーキ状にして、例の醗酵胃液味クレープのインジェラ、パン、
おかわりし放題の牛テールスープつきで、なんとお値段6ブル(78円)!!!
なーーーんて安いディナーなんでしょう!!!
牛サイコロステーキが最高に美味しくて、テールスープを吸わせたインジェラも美味しくて、
あまりにビールが進む味なので、ベデレスペシャルという銘柄のビールの500mLビンを注文。
こちらも5.5ブル(71円)。やっすい!。
美味しい食事。しかもやっすーーい。
道路とは塀で仕切られているという安心感が何よりビールを美味しく飲ませてくれました。
*
食事が終わって食後のビールを飲んでいるとウェイターが男を2人連れてきました。
『今夜あなたとプレイしたいと言っている』
がるるるるっ。ふざけんな(▼▼)!!
あっさりお断り。キッパリ。
折角の美味しい食事気分もすっかり冷め、また私は部屋に逃げ込んでしまいました。
*
壁と天井とベッドだけがあるような宿。
ほんと、壁と天井があるだけマシ、という、ただそれだけの造り。
床は土が見えるほど粗くレンガが敷いてあるだけで、
レンガの隙間から雑草が生え、ムカデやゴキブリが出てくるような部屋なのです。
(土が出ているおかげでハエ取り線香は立てやすい、苦笑)。
ベッドは間違いなくノミや南京虫がいるに違いない。
またベッドにダニアーススプレーを念入りに吹きつけ、サバイバルシートをかぶせ、
ガムテープでベッドに固定し、そうしてベッドの上に、荷物を降ろしました。
今日は、気温50度近くまで上がるバス車内で1日かけて移動し、
ほこりっぽいアルバミンチの街を4時間も絶えず歩き続けた。。。
いくらなんでも汗を流したい。
土の上に粗くレンガを敷いただけのホテルの部屋は、
床に虫が平気で行列を作っている。
だから、部屋の中を水びたしにするのも平気。
それなら、部屋で水をかぶってしまおう。
だってエチオピア人の人糞の山と共にある共同シャワーを使うわけにはいきませんもの。
私は、一念発起しておんぼろ部屋で、窓と扉に内側から南京錠をかけて、裸になりました。
貴重なミネラルウォーターですが、1Lボトルを開封。
まず300mLほどを頭からかぶる。セミロングの髪を濡らし、髪を洗う。
顔にしたたる水がしょっぱかったとき、
「なんでこんな惨めなことをしてるんだろう」と思った。
「なんて惨めな格好なんだ・・・」
と、思わず涙が出てきました。
(でもその1秒後「だってエチオピアだし」と思うと滅入る気分が少しだけ回復した)
そのまま頭からしたたるしょっぱい泥水で体を洗った。
次は500mLほどを頭からかぶり、同じ作業を繰り返す。最後は残り全部を頭からかぶった。
たった1Lの水で、シャワーが完了。
あとはサラサラパウダーシートで、体の水をふきとると、肌がサラサラして楽になった。
髪の水をタオルで拭き取り、明日着る服を寝巻き代わりに着て、
ベッドの枕元にデジカムをセットして、自分を映す。
今日の感想を述べるわけだが、腐った街アルバミンチの文句ばかり。
でも私は、その映像に次のコメントを残している。
「本当はアディスアベバへのチケットを持っていたけれど、
それを使っていたら、今日のこのアルバミンチの街には出会えなかった。
ほんっっとーーーに男が最悪の街だけど、
こういうエチオピアを見れたことはよかったと思う。
・・・でも、行きを飛行機にしてよかった。
こんな旅が往復だったら、本当に耐えられなかったかも。」
*
ところで、ふと部屋のすみに目が行くと、
洗面器が1つ転がっていた。
ま・・・まさか!!!( ̄□ ̄;;
部屋の中で尿意を催した人のために、エチオピアの宿には洗面器が置いてある、
という情報は、インターネットから得ていたのだが・・・。
おそーるおそーる、洗面器を覗いてみる。
・・・・・。
うえっぷ(>mm<)
黄色い液体が入っているよ~~~~(おぇ~)
どこの誰のか分からないおしっこが入った洗面器と、
ゴキブリ、ムカデ、アリの行列と共に、私は1泊をすごす。
なんて惨めなんだろう。。。
天井や壁を歩くアリや虫の行列を見ながらそう思った。
私は、情けなさのあまり、気分が滅入ってしまった。
通電が切れたあとの部屋は真っ暗で(当たり前か)、
私はろうそくを灯し、ダニだらけの布団に入るわけにもいかず、
ウインドブレーカーを着て、サバイバルシートに横たわって、
ろうそくの炎が消えた10時に寝た。
しかし、考えたくない洗面器のことが、どうしても気になってしまう。
もしアリンコが洗面器にタッチして、そのまま私の足にタッチしたら・・・
そんなことばかり考えてしまいます ><。
*
夜12時すぎ、私はトイレのために起きました。
いくら鉄の膀胱(笑)を持つ私でも、朝4時から20時間一度もトイレに行かないなんてすごい。
夜になると電気がつかないアルバミンチの宿なので、そろそろ皆寝ただろうと思って部屋の外に出ました。
部屋の外って言ったって廊下じゃないよ。扉を開けたらもう外なのだから。
こんな夜中になるまでトイレを我慢していたのは、くっさーくっさートイレを使いたくなかったから。
さて、夜空の下で野グソだわ~(失礼、だってホントだもの)
と思って部屋を出たら、突然男に声をかけられたんです。
「Where are you going!?」
おーい、男よ。
私の部屋の前にずっといたんかい(▼▼)!!
・・・トイレ気分もひっこんで、私は逃げるように部屋にかけ戻ってしまった・・・
*
エチオピア、そしてこのアルバミンチの街。
『訳の分からない旅をしたい』という想いがマックスに叶えられた1日だった。
でもこんな辛い旅なんて、もう嫌だ。
早くエチオピアから脱出させてくれ!(ToT)
(なお、夜中の3時にもう一度外に出て、私は23時間ぶりに夜空の下でトイレをすませることができたのでした)
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