首都アディスアベバと人類最古の化石 

(エチオピアの通貨:1ブル13.0円でした)




エチオピア、アルバミンチのブンナベッドで、朝4時起床。

ほとんど寝ていないような、うっすらと寝たような…
電気の流れていないアルバミンチの街では、当然真っ暗。

昨日寝る前に、出発仕度は万端に、すぐに宿を出られるようパッキングを完璧にしておいた。
寝るときは、翌日に着る服を着て寝るから着替えも要らない。

だから、朝起きてろうそくを灯し目覚ましをしまい、歯をみがいてお化粧をするだけで、
あっという間に出発準備は完了しました。


このクレイジーな街、アルバミンチを出てやっと首都アディスアベバに向かえる!!
部屋を出た先は、当然漆黒の闇だが、アディスアベバに向かうことを思うと、足取りは軽い。

昨日4時間もさまよい続けたアルバミンチのセカラ地区だけあって、
真っ暗闇でマグライトの光1つだけでも、不思議なくらいサクサクと歩けます。
バスターミナルの門はまだ閉まっています。人々がわらわらと集まっています。
アルバミンチのバスターミナルは巨大なので、バスの数が多い分人も多いんですよね。
私は、押し合いへしあいの中でしたが、隙間をくぐって前方へ行くことができませんでした(++;;

インターネット情報では、

『エチオピアのバスは外国人を優先的に乗せる』


という情報があったにも関わらず、


ぜーんぜんそんなことナイッ!!(怒)




座席が満席になってしまってはバスに乗れなくなってしまうので、
私は、人ごみの中で焦る気持ちを募らせながら、
まだ満天の星がまたたいている暗闇の中、落ち着きなく開門を待っていました。


*


5時過ぎになって、門があきました。

昨日のバスの停車位置はバッチリ覚えています(^.^)v
私は全力疾走でバスに向かって走り、1番乗りでバスに乗り込むことができました。やったー(*^▽^*)


私は昨日、助手席に座っていたので、風景をたくさん楽しむことができました。
えーっと今日はどこに座ろうかな。。。今日の答えは、もちろん最後部席です!!
今度は一番後ろに座って、バス車内の様子を楽しみましょう(*^o^*)

バスに乗って、後ろ座席に行こうとしたら、他のバス客が
前があいているよ。何故おまえは後ろにいくんだ、理解できないぞ』って言ってきました。
私は、『うしろ、たくさんあいてるじゃん』って答えます。

そうして返ってきた答えが、『オークレイジー


・・・それはどーゆーこと!? ( ̄o ̄)?

・・・その答えは、あとでマグニチュード7の地震となって返ってくることを、今は知る由がありませんでした・・・


*


6:00、定刻どおりにバスは出発しました。

これでアディスアベバに行けるのね  。・°・(>_<)・°・。(号泣)

エチオピアの一人旅を無事に終えられる実感が出てきたことに、心から嬉しく思っていました。
窓からはチャモ湖、アバヤ湖など、豊富に水をたたえるアルバミンチの自然が目に入ってきます。
アルバミンチは、現地の言葉で「40個の泉」という意味なのです)
まさに、アフリカの大地溝帯の上を走っているのです。
でも私は、昨日の最悪な出来事に神経が束になってぶち切れて「もぬけの殻」になっていました。
バスの風景を見ながらも、腑抜け状態で座っていました。

*

9:15、バスはアフリカの大地溝帯に沿って北上し、やがて名の分からない街に停車しました。





どうやら食事下車のようです。

でも私は、昨日の最悪な出来事に神経が束になってブチきれていて、何を食べる気力も失っていました。
バスのみんなが下車するので、私もこのバスから降ります。
車内はゴミ溜め場と化しているので、少しいい空気を吸いたいと、「もぬけの殻なりに」そう思いました。


この街は、なんとも言えないどろどろした雰囲気があります。
私は、レストランに入るほど食欲はないし、
今日は昨日よりも長いバス移動なのトイレが近くなってはいけないと思い、
道端のおばさんが売っているバナナを2つ買って、バス車内に戻りました(0.5ブル、6円)。
今日の朝ごはんは6円で完了です。
う~ん、相変わらずエチオピアの旅は安いねぇ。

バナナは極めて美味しかったですよ。
農薬がなく、太陽と水が豊富なエチオピア。日差しをたっぷり浴びて育ったんだな~って分かる味でした。


ところでここは、首都が近づいているだけに、物乞いをする人が多いことに驚きました。
何もレスポンスせずにいたら、石を投げられました(幸いぶつかりませんでしたが)。

その恐怖が、余計に私をバスの中でもぬけの殻にさせました。
早くエチオピアから脱出したい・・・

考えるのはそのことばかりになりました。


*


バスは再び9:45に出発しました。



ここから、最後の地獄が待ち構えていました(泣)


アスファルトで舗装されているというのに、
昨日までの土の道は快適だと思わさせられるほどの悪路だったんです。

アスファルトに巨大な穴が無数にあいている。
バスが穴にはまると、容赦なくドカンと縦揺れが起こる。

もともとバスがおんぼろで、クッション性も何もない、ボロボロバス。

暴れ馬に乗る騎手のごとく、前の席の背もたれにつかまる手だけが支えとなり

体はバスの宙を容赦なく舞う。




ガッタンガッタン






















ドカンドカン

(◎◎)ひゃああ

















ドッカーーーーン!!

















・・・こんな繰り返しで、頭がクラクラする。

ドッカンという振動のたびに、脊椎変形が起きそうだ。


ガッターン

アイタタタタタ・・・・><。


背骨の骨の1つにヒビが入ったかもしれない。。。と本気で思うほどの激痛が腰に走る。


しかも、最後尾に座っているのが、地獄のもとでもある。


エチオピア人5人と私。最後尾に座る6人は、バスの揺れがひどいときには、

垂直方向に体が投げ出されて天井に手をつくほどだった(事実!)。

暴れ馬に乗るかのごとく、マグニチュード7級の縦揺れを繰り返すバス。




↓女性が天井に手をつき、男性が『ワキャッ』と悲鳴をあげている図




↓みんな、何かにつかまらないとやってられない図





頭が痛い。

吐き気がする。

胃から内臓が飛び出してきそう。

背骨が潰れそう。

お尻が砕けそう。





た・・・耐えるんだ!!私!! ><。




*


12:00、耐え抜いてシャシャマネ通過。

バスは、シャシャマネを過ぎると、ややよくなった道を進んで行きます。
途中、何度か青空トイレ休憩のためにバスが停車します。
停車したところを狙って、地元の子供たちが、食べ物などを売るために窓の外からアピールしています。
バス車内の客は座ったまま、窓越しに物品とお金を交換するシステムになっています。

私の近くに座っていた女性は、『コロは美味しいわよ。あなたもいかが?』って、
窓の外で穀類を売っている少年を呼びつけてくれました。

コロ』とは、数種類の穀類やナッツを炒ったものです。
両手の手のひらいっぱいたくさん買って0.1ブル(1円)でした。

 ←これはほんの一部。

私の海外旅行歴の中で一番安いおやつですが、お味はとってもいいんですよ。
香ばしさがたまりません。ビールも飲めそう(*^.^*)




バスは、走り続けます。
ときどき、アスファルトに大きく開いた穴にはまって、バスをダイナミックにジャンプアップさせています。




ドカーーーーン!(轟音)







キキキキキーーーー(急ブレーキ)












プッスン(停車)


( ̄o ̄;;; おいおい(汗)

















私が我慢しているうち、タイヤがパンクしました。

私が座っている座席の真下のタイヤでした。

そんな・・・そんなクッション性のないタイヤの上に座っていたのね、私(TT)

かわいそうな私、かわいそうな私の背骨(TT)



急遽修理のためにバスが止まってよかった。
痛めつけられた背骨とお尻と、シェイクされて軟化した脳みその休息タイムです。

*

ところでエチオピアはどこまでいっても不思議な国です。
パンクして停車したところは、肥沃な緑が広がるのどかなところなのに、
どこからか村人がタイヤを持ってくるんですよ。
周囲にはタイヤがあるような場所がないのに、どこからともなくタイヤ登場。
不思議ですね~。



ただ私は、昨日のアルバミンチでのこともあり、
すでにこの2日で数日分の精神力をゆうに使いきっていました。
ただバスの中でタイヤ修理の間待つだけなのに、
外に出る気もなく、何を食べる気もなく、水を飲む気すらなく、
本を読むことも、日記を書くことも、映像を撮ることも、何をする気もなく、
腑抜けの状態で脱け殻のように座席に座っていました。

今思うともったいなかったかな。ちょっとは外に出て風景でも写真撮ってきたらよかったかな。
だけど、何をすることもできなかったんです。
何をするのも億劫だったんです。何をするのもうざかったんです。

「早くエチオピアから逃げ出したい」

その想いは、昨日から変わっていません。




*




18:00、バスは予定よりも1時間以上遅れて、首都アディスアベバに到着しました。
12時間のバス旅も、これでおしまいです。



バスターミナルは、ブラックアフリカの雰囲気が満載ですが、もう驚くことはありません。
バスターミナルが出たらマルカート(市場、マーケット)がどーんと広がっているアディスアベバです。
私はマルカートを見てみたいと思っていたので、しばらくマルカートをぷらぷらと歩きました。
でも買うものはなにもありませんでした。

あと私がアディスアベバでやることは、国立博物館へ行って人類最初の化石『ルーシー』に会うことだけ。

また、アディスアベバ発バンコク行きのチケットは、明後日のものを持っています。
「明後日の夜のフライトを、明日の夜に変えてもらおう。」と思って、
私は、タクシーを拾ってエチオピア航空国際線チケットオフィスに向かいました。
エチオピアのタクシーは交渉制です。最初30ブル(390円)を20ブル(260円)で乗りました。

しかし夜6時を過ぎていたため、オフィスがクローズしていました。残念><。
私はオフィスの場所を地図にメモして、明日のオープン時刻を確認し、
次の目的地『エチオピアの温泉』に向かうことにしました。

*

地殻変動が盛んなエチオピアには、温泉が沸いています。
フィルオハホテルに行くと、個室のバスタブつき温泉に入れるんです♪

私はそのままタクシーを乗り続けてフィルオハホテルに向かいました。
ファーストクラス(1等)の温泉にチェックイン(12ブル、156円)。
でも、あと2時間近く待つと言われ・・・
私はそのままフィルオハホテルにチェックインし、
今日はここに泊まることにしました(171ブル、2223円)。
このフィルオハホテルには、温泉以外にもサウナがあるんです♪

私は部屋に入り、ダニアーススプレーとハエ取り線香をセットし、
ベッドに更にサバイバルシートを敷き、荷物を置きました。
そして、ホテルのサウナへ向かいました。サウナ料金は10ブル(130円)です。安いねっ♪



気持ちいい~~~~~♪♪(*^o^*)♪♪

高温サウナの造りは、日本で見るものと同じで、サウナ室の中は木の段々になっています。
ただ、本式に、灼赤色の石炭を焚きくべる方式で、熱い蒸気が部屋に充満しています。
汗がどんどん出てきます。この数日間で体にたまった汚れが全部汗と一緒に出ていきそう!
サウナを終えてシャワーを浴び、ここで石鹸を使って体と髪をきれいに洗いました。

そのあと少々時間を待たされて、やっとファーストクラスの温泉に入れました。



蛇口をひねるとバスタブにアツアツのお湯が出てくる!
体はきれいになっているので、バスタブで足を伸ばして横になり、極楽気分で体をとろけさせていました。
のーんびりのーんびり、45分間の制限時間いっぱいまで熱い温泉につかっていました。

サウナ&温泉あがりに、部屋でビールを1本(5.5ブル、71円)。
気持ちよくてふわふわーです。

もう時間は21:50。
ほんと、このホテルに泊まることができたおかげで、サウナと温泉を堪能できてよかったです。


もう遅い時間なので、ホテルにあるレストランで食事をすることにしました。
朝からバナナとコロしか食べていないので、お腹が減っています。
ところでアディスアベバは標高2400m。とても高地にあるので、寒いんですよね。
寒いので、長袖を着て、ウィンドブレーカーを着ています。

レストランで頼んだものは、トマトソーススパゲティ、魚のフライ、アツアツガーリックスープ、ビール。
これで37ブル(481円)です。




でも、ちょっと高山病のケが出ているのか、食べる前はあれほどお腹がすいていたのに、
ガーリックスープをスプーン2、3杯飲んでパスタを少し食べるとお腹がいっぱいになってしまいました。
食欲不振・・・。

出来る限り残さないようにしようと思いましたが、食欲不振症状には勝てず、残してしまいました。
部屋に戻って、洗濯して、デジカムを充電して、寝る準備を始めました。


*


ところで、今頃になって気がついたんですが、部屋にはゴキブリがたくさん。
体長1cmくらいのチビゴキだったので、ダニアーススプレーで20匹ほどやっつたのですが、

それでもまだ数十匹ほどのゴキブリはカサカサカサ…と部屋を徘徊していました。…>_<…


『明日になったら、朝一番でエチオピア航空チケットオフィスに行こう。
もしエチオピア出国が1日早くなることが出来たら、喜んでエチオピアを去ろう。』

壁や天井を縦横無尽にうごめくのゴキたちを見ながら、固く固く決意したものです。

そう思うよね、誰だってこの部屋じゃあ(ーー;



 * * *



翌日朝8:00、エチオピア最後の都市、首都アディスアベバの朝は、

ゴキたちが足の上をカサカサうごめく目覚めから始まりました。

えー、くすぐったいんですけど(^^;;;;;

しかも、今までダニ対策に十分注意し、一箇所もダニに喰われていない私の美肌(ウソ)は、
この一晩で、ダニに4箇所も喰われてしまいました(><)

アディスアベバは標高2400mという高地にあるので、8月だというのに薄ら寒い感じがします。
長袖とウィンドブレーカーを着て、ホテルをチェックアウトして、ホテルの前でタクシーを拾い、
エチオピア航空国際線チケットオフィスへ向かいました。
20ブル(260円)を10ブル(130円)で交渉成立です。

エチオピア航空のチケットオフィスに着きました。
明日夜のバンコク行きチケットを、今夜のバンコク行きに変更してもらった。無料。
新しいチケットをもらったとき、何だか嬉しかった。
エチオピアから1日早く出られることと、バンコクでの滞在時間が1日長くなること。
だから、今日は、夜の出発までに、アディスアベバでやりたいことをやるだけです(*^.^*)


*


エチオピアでは、ミニバスという10人乗りワゴン車が公共の交通機関として発達しています。
いろいろなところを走っていて、しかも運賃が安い!

私はエチオピア航空オフィス前から、繁華街ピアッサ行きのミニバスを見つけ、
ピアッサへ移動しました。1ブル(13円)です。

アディスアベバで活気あるエリア、ピアッサ。
大通りからちょっと外れて中通りを歩くと、明るくて美味しそうなレストランを見つけました。
メニューの「エチオピア料理」の欄にあった、インジェラケッケルを注文しました。



ケッケルとは、骨付きの肉と野菜をスープ仕立てにして、塩とバターとカレースパイスで味付けしたものに、
ミトゥミタという唐辛子の粉が添えてあるものです。
ここに、例の酸っぱいクレープ状の主食インジェラを浸していただきます。

美味しーーーい(*^.^*)

これはいいねぇ。しかも7ブル(91円)です。

朝食後は、エチオピアなので、絶対コーヒーですよね。
濃いローストのエスプレッソ風で、0.9ブル(11円)でした。

私はコーヒーを飲みながら、日記を書きながら、のんびりと過ごしていました。

お店の支払いをするときに分かったのですが、
ここは地球の歩き方にも載っている「Omar Kayaham」というお店でした^^


*


12:00、お店を出て、ピアッサの中心部へ向かいました。
エチオピアの女性が素敵に着こなしているロングタイトスカートを買いました(180ブル、2340円)。
また、エチオピアは、「ラリベラジュエリー」や「アクスムジュエリー」という、金宝飾が有名なので、
ジュエリーショップに行って、ラリベラジュエリー、買っちゃいました(121US$、13552円)♪



そんな感じでショッピングを楽しみながら、足は国立博物館の方向へ向かっています。

途中、13:00、ブリティッシュカウンシルという立派なビジネス施設に寄り、
快適ネット休憩。70分で13.75ブル(178円)。


*


今日の目標は、国立博物館へ行き、人類最古の化石「ルーシー」に逢うことです。
ピアッサから歩いて国立博物館までは遠かったし、上り坂で疲れたけど、何とか到着(++)



早速入館10ブル(130円)を支払います。写真撮影は一切禁止ということで、荷物は事務室に預けました。


ルーシーについて

世界遺産になっている「オモ河」では1902年から化石が発見されはじめ、
そして1979年、古人類学を変える化石が発見されました。

この発見により、人類の発祥はエチオピア、
つまり東アフリカの大地であることが定説になりました。

このアウストラロピテクスは「ルーシー」という愛称で呼ばれました。
私たちの・・・遠いおばあちゃんってことですね(*^.^*)

エチオピアのアウストラロピテクスは、ホモサピエンスとなり、
そして人類になりました。



人類発祥説には、エチオピア説、チャド説、タンザニア説などがありますが、
南アフリカのアウストラロピテクス→250~300万年前
チャドのアウストラロピテクス→300~350万年前
エチオピアとタンザニアのアウストラロピテクス→300~350万年前
ケニアのアウストラロピテクス→400万年前
エチオピアのアウストラロピテクス→450万年前

ということになっているそうです(国立博物館展示パネルより)。

下は、国立博物館の展示パネルに記載されていた文章です。
(写真撮影禁止なので、メモに写し、あとで私が訳しました)



Some 3.2 million years ago, Lucy's body was slowly sinking the mud of the lake. A tremendous process was beginning : some of the bones of this young Australopithecus were to become fossiles, that is resisting destructive time.
約320万年前、ルーシーの体はゆっくり湖の底に沈んでいった。そしてとてつもないことが起こり始めた。若いアウストラロピテクスの骨が、壊れるのではなく、なんと化石になったのである。

This process also occured for tens of thousands other living things in Ethiopia.
そして、エチオピアにある幾万もの他の生物でも、同じことが起こりました。

From their fossiles, palaeontologists can reconstruct their shape, say what they used to eat, in which environment they would live.
そういった化石を調べると、古生物学者は、彼らの当時の姿、彼らが何を食べていたのか、そこはどんな環境だったのかなどをを再現することができます。

They can also tell us who these strange bipeds who lived in Africa were : not quite human but "pre-human" - and still our ancestors.
そしてさらに、アフリカで暮らした風変わりな二本足動物が誰なのかを示してくれます。・・・それは決して人間ではなく「前人間」・・・そして私たちの先祖なのです。

These fossiles remained buried for millions of years.
これら化石は、何百万年もの間、埋まってきました。

It is now time for you to discover them.
今こそ、発見するべき時間なのです。


ルーシーの展示室。

そこには数々のパネル、展示物がありました。
私が訪れたオモ河、オモバレーの歴史と地学と偉大さをたくさん感じることができます。
実際にルーシーの骨(展示物はレプリカですが)を見て、その復元骨を見ました。
ちっちゃい・・・身長1mくらい。

『こんにちは、ルーシー』


なんだかとっても感傷深くなっている私。
ルーシーの骨、最初の人類の骨には、感慨深くさせる魔法がかかっているかのよう。


展示室には椅子が置いてあります。

私はしばらくの間、椅子に座って、ずーっとルーシーの骨を眺めていました。
そして、壁に描かれた、ルーシー生存時代の想像図を眺めていました。

この絵は、私が再現した簡単なボールペン画です(似てないかも)。



背は低く、オランウータンのようにけむくじゃら。
でも彼女は二本足で立ち、手には道具をもつ。
そして、アフリカの大地の中、想いを秘めた表情で空を見上げている。
初めての人類「ルーシー」・・・。

ルーシーの展示室には私しかいません。

幼少の頃の私は図鑑とか百科事典の類が大好きで、自然と人類発生について興味を持ってきました。
なんだか、幼少の頃に感じた興味の対象が、今目の前に形として見えるんです。
どれだけ時間があっても足りないほど・・・
多分私は何十時間でもこの部屋に居られそうな、それほどにこの化石は偉大かつ神秘でした。


15:40、国立博物館を出るときに、ルーシーの骨の写真が入った絵葉書を買いました(2ブル、26円)。

ところで私の旅の楽しみの1つに「海外のマクドナルド」というのがあります。
いろいろな国のマクドナルドに行くことで、その国らしさを楽しむというものです。
国立博物館職員に、「アディスアベバのどこかにマクドナルドはありますか?」と聞いたら、
「エチオピアにマクドナルドなんてある訳ない。」って言われちゃいました。。。


*


博物館正面で、ミニバスを拾います。来るとき上り坂を20分かかった道のりを戻るわけですが、
帰りは5分でした(0.5ブル、6円)。
そして次に、トモカコーヒーにいきました。



コーヒーは、エチオピアが発祥の地と言われていて、それはつまり、コーヒーの木の発祥地なんだそうです。
だから、エチオピアのコーヒーカフェに行ってみたかったんです(*^.^*)
店内に入ると香ばしいような苦いようなコーヒーの香りがします。
私はマキアートをいただきました(2ブル、26円)。ナイスな味です♪

トモカコーヒーを出るともう夕方でした。
今夜のバンコク行きのフライトは22:50発です。


20:00頃までにはボレ国際空港に到着していようと思うので、
最後の晩ごはんを食べたら、エチオピアとお別れです。

最後は、正統派エチオピアンディナーをゆっくりいただこうと想い、私はギオンホテルに向かいました。
そこの正統派レストランで、豪華インジェラバイヤイナト(26ブル、338円)と、
タッジワインボトル(13ブル、169円)をゆっくりといただきました。



この籐を編んだようなテーブルは、エチオピア伝統のものです。

ゆっくりと食べ、お酒を飲んだら、ホテル内のショップでエチオピア全土の地図を購入(90ブル、1170円)。
そしてホテル前からタクシーで空港へ直行。20時前に空港に到着しました。
最両替、洗髪(初日と同じトイレで、です(^^ゞ)、歯磨きを済ませ、ゲートへ向かいました。

いよいよ、エチオピアともお別れです。


私はエチオピアを離れる最後の映像に、次のコメントを残しています。

『楽しかったし苦しかったし、最高だったし最悪だった。』

本当、これが、今も思えるエチオピアの旅の一番の感想だと思います。






いよいよ私は搭乗ゲートをくぐり、バンコク行きの飛行機に乗りました。

*







飛行機が離陸したとき、もう窓の外は暗かった。



星が出ていた。



長い夢を見た短い旅が終わった。



エチオピア南西部の端っこまで行った。



地球上の最初の人類が降り立った大地に立った。



そこで地球上の最初の人類が見たのと同じ夕陽を見た。



最初の人類、ルーシーに会った。



私の遥かなるおばあちゃん。



地球のみんなのおばあちゃん。



逢いたかった。



逢えてよかった。



星が見える。



何百万年も前にルーシーが見た星。



350万年前の古代の旅。



星を見ると本当にそう思った。



その旅のすべてが、長い夢であるかのような感覚をもった。



飛行機の窓の外に見える星が、350万年前の星に見えていた。



本当にそう見えていた。



今私が見ている星は、私の遥かなる祖先が見ている星。



国立博物館で出会った私の遥かなる祖先は、今幸せにこの星を見ているだろうか。



私は、大事な人と別れるような想いでいた。



マザーアフリカとの出会いと別れ。



この旅のすべてが長い夢を見ていたようであった。



私は、少しばかりの涙を流す。



『アムセグナロ(ありがとう)』



遥かなる祖先とエチオピアにお礼を言う。



飛行機は更に高度を上げて、漆黒の闇を進んでいった。



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