* 中国茶・青茶 *
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中国茶は、醗酵の違いから6大分類に分かれ、さらに花の香りを楽しむ花茶があります。
総論は≫こちらのページで紹介しています。

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<特徴>
青茶は半醗酵茶です。

何故か日本では、青茶と言わずに烏龍茶と呼ばれます。
でもペットボトルで売られている烏龍茶は、青茶の中でも醗酵度の高いものを使用しているので
『烏龍茶=キツイお茶』と見られがちです。

でも、青茶には、そんなイメージから遠くはなれた、繊細で軽やかなお茶も多いので、
中国茶のスタートアップには、醗酵度の低い青茶が適していると思います。

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青茶は半醗酵茶です。
半…とはいっても、醗酵度は15%~70%と、お茶によってかなり分かれています。
醗酵度0の緑茶に近いものから完全醗酵の紅茶に近いものまでさまざまです。
つまり、青茶って、一言では言えないお茶なんですね。

青茶の製造工程は複雑で、発酵をゆっくり進行させ、一気にそれを止めるのだそう。
それは、香りを最大限に引き出すための製法ですから、
青茶には他のお茶にはない甘い香りや素晴らしい香りが生まれます。




<代表的な青茶>(●は私が飲んだことのあるお茶です)
産地 右は醗酵度の目安です
福建省武夷山産
いわゆる
『武夷岩茶』
鳳凰水仙(ほうおうすいせん)高い
●武夷水仙(ぶいすいせん)高い
●鉄羅漢(てつらかん)高い
●水金亀(すいきんき)低い
毛蟹(けがに)低い
●黄金桂(おうごんけい)低い
中国本土の
他の青茶
●鉄観音(てつかんのん)中度
●鳳凰単叢(ほうおうたんそう)低い
台湾の青茶 ●東方美人(とうほうびじん)高い
木柵鉄観音(もくさくてつかんのん)高い
●凍頂烏龍(とうちょううーろん)中度
●金萱茶(きんせんちゃ)低い
●阿里山高山(ありさんこうざん)低い
●梨山高山(りさんこうざん)低い
●文山包種茶(ぶんさんほうしゅちゃ)低い

注)醗酵度は、あくまで目安です

<岩茶(がんちゃ)とは>
よく、武夷岩茶(ぶいがんちゃ)という言葉を聞きます。
これは中国福建省の武夷山(ぶいさん)の岩場に生育する茶木で作られることに由来しています。
したがって、武夷岩茶という単品があるのではなく、
武夷岩茶には数百種類から数千種類ものお茶が知られています。

このうち、
大紅袍(だいこうほう)、鉄羅漢(てつらかん)、水金亀(すいきんき)、白鶏冠(はっけいかん)
を、四大岩茶としています。

大紅袍(だいこうほう)は年にごくわずかしか採れない幻のお茶なのだそう。
例によってまがいものも出まわっているそうなのですが
一度は本物の中の本物を飲んでみたいものです(*・・*)

四大岩茶以外には、老君眉、肉桂、黄観音、半天妖などの種類があります。
水色(すいしょく)や香りは様々で、幅広さを感じます。



<鳳凰単叢とは>
(注:本当は木へんに叢と書くのですが、ここでは叢と表記しています)

鳳凰とは産地の山の名前です。
桂花香、宋種、黄枝香、蜜蘭香、芝蘭香などの種類がここに含まれます。
多くの品種に『香』の文字がつくことからも分かるように、フルーティーな香りが身上です。



<鉄観音とは>
とても知名度が高いお茶ですね。
安渓鉄観音や観音王があります。
お花のようなすっとした香りがします。






<淹れ方>
青茶は香りが引き立てられるよう複雑な工程を経て完成されたお茶です。
なので、小さめの茶器を使って淹れ、いつも淹れたての香りを楽しむようにします。

青茶は沸騰したお湯を使って淹れます。
1煎めから3煎めまでは30秒ほど蒸らしていただきます。
4煎め以降はもっと時間をかけないと抽出されにくいようです。
10煎~15煎も淹れられるので、お徳!
(煎は回数を表わす単位です)

台湾の茶館のおばさんのお話では、
『青茶は、2煎めと5煎めが美味しいのよ』ですって(*^.^*)

青茶は10煎~15煎も淹れられる点が嬉しいです。
『今日はもういいわ』って思ったら、茶壷ごと冷蔵庫へ入れておけば翌日も楽しめます。

また、青茶は、醗酵度が低いものなら洗いは要りません。
(洗い:最初の1煎めを捨てること)



<私感>
私が最も好きな中国茶は、何といっても青茶です!

醗酵度の低いお茶が好きなので
台湾産の阿里山や金萱、梨山が何よりお気に入り♪

日本でペットボトルで売られている烏龍茶は、
水仙などの醗酵度の高い青茶を使っています。
でも、高山茶など醗酵度の低いお茶は、
鮮やかな味わいと香りの点でまったくの別物です。

東方美人茶など醗酵度の高い青茶は、
ペットボトルの烏龍茶に通じる味わいなので
昼食後の午後のお茶に合います(^^)v




このように、青茶は、醗酵度の違いによって味や香りに違いがあるので
とっても奥が深く、楽しめるお茶だと思います♪


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その他のお茶の各論は、各種ページでご紹介。

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