パキスタンで美味しいカレーに出会え、幸せです。カリー(≫
こちら)やコルマ(≫
こちら)よりもよりスパイシーな、パキスタンの魅力溢れるカレーです。写真はチキンカライなのですが、鶏肉を使うときは野菜の水分だけ、水を加えずに作る、それほど旨みがぎゅっと詰まっているのです。色も濃いよね。Kadaiはウルドゥ語、Kalahi(Karahi)は英語、調理に使う浅い鉄鍋のことらしい。
豆を使ったカレーです。イスラム教徒が多いパキスタンでは菜食主義者が少なくて肉好きの方が多いのですが、そのかわり、宗教上「食肉とされるときに所定の祈りを捧げられ、所定の捌きかたをされた肉」でないとハラルミート(食べていい肉)にならない。そんな肉がないときなどは、ダールは強い味方です。
パキスタンでは、「カリーは水分が多くて香辛料マイルド」、「コルマはとろみがあってスパイシー」、「カライはもっとスパイシー」というような認識でいる人が多い。写真は、ビーフカリーです。この店では味出しにトマトをよーく油炒めしているので、赤い色をしています。
パキスタンでは、「カリーは水分が多くて香辛料マイルド」、「コルマはとろみがあってスパイシー」、「カライはもっとスパイシー」というような認識でいる人が多い。写真は、コルマの中では水分が多くてしゃぱしゃぱしていましたが、店主曰く「コルマ用のマサラ(ブレンド香辛料)を使っているのでこれはカリーではなくコルマ」とのお話でした。
パキスタンでは、「カリーは水分が多くマイルドで、コルマは水分が少なくスパイシー」という認識が多いなか、そういう尺度を外れて、「野菜だけの煮込み」は味付けにかかわらず「サブジ」と言います。ほうれんそうを主体とした緑色のサブジや、大根のサブジ、野菜数種類を使った「ミックスサブジ」などがあります。肉類はやはり値段が高いので、サブジは庶民の強い味方なのです。
キーマまたはキーマカリー ...パキスタン
ひき肉を使った煮込み料理、キーマと言います。マサラ(ブレンド香辛料)を使うので、日本人はキーマカレーと言いますね、パキスタン人もキーマカリーと呼ぶ人もいます。菜食主義者の多いヒンドゥー教・インドでは野菜みじん切りを使ったキーマカリーも多いけれど、イスラム教・パキスタンではみなさん肉好きなので、キーマはひき肉カレーです。
グーシュトゥは「肉」という意味。肉を使えばグーシュトゥと言うことができますが、コルママサラ(香辛料)を使うと、例えばマトンコルマといったように独自の名称がついてしまうので、私が出会ったグーシュトゥは香辛料抜きの、油、トマト、玉ねぎ、塩の、彼らの基本調味料といえる味付けで煮込まれた物が多かったです。アフガニスタンのグーシュトゥ(≫
こちら)によく似てる。
スィクケバブ(奥)、チキンティッカ(手前) ...パキスタン
ケバブは串(スィク)に肉(牛肉やマトン)を刺して炙り焼きにしたものです。チキンティッカは鶏肉を香辛料(ティッカマサラ、通常赤い)に漬け込んで串焼きにしたもの。パキスタンでは骨つき鶏肉で問題なしです。なお「スィク教徒」(インドでターバンを巻いた人)のスィクとは発音が違うので、厳密に使い分けるときは、ケバブのほうを「スィークケバブ」と伸ばし気味に発音すると完璧です。
ダウドまたはダウロ ...パキスタン
アフガニスタンのオシュ(≫
こちら)や、イランのアシュ(≫
こちら)と同じもの。イラン-アフガン-パキスタンと並ぶラインに同じ料理があるのですね。スープに具と麺(最近は輸入スパゲティー使用)を入れて調理した「煮込み麺」です。ダウド(ダウロ)は北部フンザ地方の呼称で、首都イスラマバードでは英語で「ヌードルスープ」としてファストフード的人気があるのだそうです。
私はビリヤニはペルシャ発祥説支持派、つまり、アフガニスタン方面からアジアの交通動脈にてパキスタン、インドへと伝わったという説です。パキスタンのビリヤニは必ず肉入りで(沿岸部では魚もあるらしい)、スパイスは粉だけでなく粒も入れるスパイシーさが身上。さらに、肉と米を途中まで別鍋で調理し、最後に層に重ねて仕上げるなど、技巧の細かさが美味しさに表れています。
マイルドに香辛料を抑えた炊き込みご飯。肉はあってもなくてもいいのですが、肉が入ると別途紹介するビリヤニ(≫
こちら)と区別が難しいことがあります。ビリヤニと違う点は、肉と米は一緒に炊き込み、香辛料を控えめにしている、という人が多いです。
チャワルは、パキスタンの米料理の中で最もシンプルなもの。ただ水で炊いただけの白米のこともあるし、玉ねぎの油炒めを作ってから米と水を加えて炊き込みご飯にしたものもありますし(写真がそれです)、マサラ(香辛料パウダーミックス)を加えて、まるでドライカレーのように炊き上げたチャワルもあります。チャワルはウルドゥ語(公用語)で米という意味です。
チャパティ(左)、ナン(右) ...パキスタン
チャパティは鉄板の上で薄く焼いたシンプルパンで、ナンはイーストや塩、卵などが入りタンドール(釜)焼きにしたもの、とよく言われます。でもナンを鉄板で焼いたりすることもあるし、更には「ロティ」という、チャパティと同義のようで、チャパティやナンの総称的に使われたりする用語もあります。人々の暮らしに密着するこのテのパンは、それだけに人それぞれの定義があるようです。
ブルスシャピック ...パキスタン
これはパキスタン北部、フンザの伝統料理です。ブルス=白チーズ、シャピック=チャパティ、薄焼きクレープ状パン。チャパティに白チーズに玉ねぎやミントのみじん切りを混ぜたものを乗せ、チャパティを重ね、アプリコットオイルを塗り、チャパティを重ね、白チーズハーブミックスを乗せ・・・と繰り返してミルフィーユ状にしたものです。これは非常に美味で優雅で、おすすめです。
ヤクニまたはヤフニ ...パキスタン
シンプルなスープを、ヤクニまたはヤフニと言います。写真は鶏のゆで汁やにんにく、玉ねぎをベースに作った美味しいスープです。
フンザウォーター ...パキスタン
桑の実を使って作る代表的密造酒です。イスラム教徒にもお酒を飲む人もいるものですね。むしろこういう美味しいお酒が、いかに彼らに愛されているかを伺い知ることができますね。フンザは今回私たちが訪問した、パキスタン北部のカシミール地方の名称です。泡盛のような、クセのない中にコクのあるような、旨い酒でした。
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