叉燒河(チャーシューホー) ...香港
香港の母体ともいえる中国広東省ではチャーシューモノが名物料理で(≫
こちら)、香港もその流れを受け継いでいます。また香港の「河(ホー)」は広東の「河(フーまたはハー、≫
こちら)」と同じ、さらにさらにベトナムの「フォー(≫
こちら)」と同じ米の麺です。ホー、フー、フォー、似てるでしょ! 中国とベトナムは接しており、同じ文化を共有しているのだと気づかさせられた料理でした。
三寶湯(サンポウタン) ...香港
名前は「3つの宝が入ったスープ」という意味。雲呑(ワンタン、エビたっぷりワンタン)、鮮牛肉(シンアウロー、柔らか牛肉スライス)、そして鮮陵魚球(シンレンユーカオ、フィッシュボール)が入っています。香港は中国広東省と共に「汁物の旨さ」を得意とし、こういう料理は絶品です。料理名に数字を入れて縁起を担ぐ点も中国と同じ発想ですね。人口の98%が中国人なので当然ですが。
牛肚撈麵(アウトウロウミン) ...香港
香港は麺料理がとにかく美味で、底辺のレベルは中国大陸本土以上でしょう。香港的特色の1つが「撈麵(ロウミン)」即ち「あえそば」です(中国普通語の拌面(バンミェン)、広東語の捞面(ロウミェン)と同じ)。写真は牛肚(アウトウ、牛ハチノスの濃厚煮物)をゆでた麺に乗せ、スープを別添えにしたものです。麺の舌触りを損なわず海鮮醤油味の濃厚な煮汁が麺に絡む、絶品です。
白切雞飯(バチカイファン) ...香港
香港の母体ともいえる広東省でも「白切鸡(パイチチ、bai2qie1ji1)」は名物料理の1つ、香港では同じものが「白切雞」です。このゆで鶏を骨ごとぶつ切りにしたものをご飯と共にいただくのが定番の食し方。これはマレーシアやシンガポールの海南鶏飯(ハイナンチーファン、≫
こちら)やベトナムのコムガー(≫
こちら)の原点となる料理なのでしょう。
豉椒炒田雞(シーチェンチャオディンチー) ...香港
「田雞(ディンチー)」はカエルのこと。香港ではカエルやタニシといった田園風の食材もポピュラーです。カエルの味は鶏肉に似ていますが、脂も少なく身が柔らかい。反面、やや骨が多い。写真のような、カエル肉のぶつ切りにんにく生姜ねぎピーマンを合わせた炒め物が美味しかったです。
豉汁炒田螺(シーザプツァウディンロー) ...香港
「田螺(ディンロー)」はタニシのこと。香港ではタニシやカエルといった田園風の食材もポピュラーです。写真はタニシをたっぷりの豆豉&醤油で汁だくの炒め物にしたものです。爪楊枝で中の身を抜き取っていただきます。
黑椒雞扒飯(ハクチュウカイパーファン) ...香港
「黑椒(ハクチュウ)」とは、香港の母体ともいえる広東省で人気のタレ。黒胡椒の利いた醤油&オイスターソースの風味あるとろみタレです。写真は鶏肉をこの絶品「黑椒(ハクチュウ)」ダレで照り焼きにした、「ブラックペッパー鶏照り焼き丼」です。美味しさに卒倒します。ごはんにも見事に合います。
豆豉蒸魚(タイシーチェンユー) ...香港
魚に調味料をかけて皿ごと蒸す「蒸魚(チェンユー)」は中国料理の得意とするところです。そして香港でも実に美味しい「蒸魚」に出会った。写真は豆豉(豆発酵調味料)と醤油ベースのタレをかけて蒸した魚に、仕上げの唐辛子とねぎをたっぷり乗せたものです。蒸すことで調味料と魚の味が渾然一体となり、皿ごと熱くいただく「温度のご馳走」感も満点なのです。
薑蔥生蠔(ガンチョンサンホウ) ...香港
海の大都会香港では、海産物も美味しい名物料理の数々となって登場します。その調理法などは広州、潮州、福建など中国大陸近隣の地域に通じるものがあり、あっさりと旨い。写真は大ぶりの見事な牡蠣を「薑蔥(ガンチョン)」の文字通り生姜とねぎを利かせて炒めたものです。
排骨煲孔飯(パイクワポーツァイファン) ...香港
香港では「煲孔飯」が名物の1つ。土鍋(または鉄鍋)にごはんを入れ、具を乗せて強熱した料理をよく見かけます。写真は中国料理では定番の食材である「排骨」(豚の肉つきあばら骨ぶつ切り)醤油煮をねぎ唐辛子豆豉(発酵豆調味料)と共に美味しく炊き上げたもの。「ごはんが進んで仕方ないじゃないか!」と言う程美味しいところ、既にごはんが下にあるので問題なし♪
咕嚕雞球(クーローガイカウ) ...香港
「咕嚕」は日本の酢豚の原型で、広東省がオリジンです。昔は香港も広東だったので香港もオリジンと言えますね。材料により咕嚕肉(まさに酢豚)、咕嚕雞球(鶏肉使用)、咕嚕蝦球(エビ使用)、素咕嚕肉(豆腐で代用)等のバリエーションあり。写真は鶏から揚げとピーマン玉ねぎのトマト甘酢あん。日本のケチャップ酢豚に味が近くて美味しかったです。
蘿蔔牛腩飯(ローパアウランファン) ...香港
広い中国で、蘿蔔(大根)や牛腩(柔らか牛肉)は南部のほうがよく見かけるような気がします。広東省やマカオでもよく使われるこれらの食材、香港でもポピュラーです。写真は牛腩と大根の柔らかな炊き合わせをあんかけご飯にしたもの。でもこういう定食メシにカフェオレがついてしまうあたりが、インターナショナル国家香港らしいかも。
腸粉(チャオフン) ...香港
香港はもともと広東の一部と言える地域で人口の98%が中国人。中国本土、特に広東省で皆が食べるものは香港でもよく食べられています。腸粉は広州生まれの軽食の代表(≫
こちら)。米粉溶液を薄く蒸して巻いたもの。写真は豉油皇煎腸粉(シーヤオウォチンチャオフン)、腸粉をもやしニラと鉄板焼きにし、醤油と豆豉(発酵豆)ダレで味付けしたものです。
蘿蔔糕(ロープーカオ)または香煎蘿蔔糕(シャンジャンロープーカオ) ...香港
飲茶の本場香港で大人気の點心(ディエンシン、小皿または小蒸篭料理)、日本名で「大根もち」と呼ばれるロープーカオです。大根を浮き粉や上新粉、ハムや干しエビ等と混ぜて蒸しあげ、切り餅のように切ったら表面を薄く焦げ目がつく程度に焼いたものです。香港では春節(旧正月)にも食べられる縁起の良い食べ物です。
蝦餃(シャーチャオ) ...香港
飲茶の本場香港で大人気の點心(ディエンシン、小皿または小蒸篭料理)、日本名で「えび餃子」と呼ばれるシャーチャオです。何しろ小粒のエビがそのままごろごろ入っていて、適度に味付けもなされ、タレなしで美味しくいただける絶品名品です。浮き粉をブレンドして作る皮は蒸すと半透明になり、見た目も実に美しい。ああ一日中蝦餃ばかり食べていられたらどれだけ幸せなことでしょう。
飲茶(ヤムチャ) ...香港
飲茶は香港の食文化の華。朝早くから皆が集まり、茶を飲みながら點心(ディエンシン、小皿や小蒸篭料理)をいただくものです。写真は今回訪れた、ホテル併設の飲茶会場です。次香港に行く機会があるならおやぢ達が集まる超庶民の飲茶に行きたいと思っています。なお飲茶は中国本土(広東省)と同様に「早茶」とも表現されます。
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