モルディブ家庭料理の筆頭でもあるガルディアは、トゥナ(通常かつお)の角切りで作る澄まし汁。魚の旨みがたっぷりに、ミルス(唐辛子)や塩がほのかに利いていて、いくらでも飲めてしまいそう。
マス=魚、リハ=カレースープ。つまりマスリハは具に魚の角切りが入った汁カレーを指します。いろいろな魚が可能ですが、やはり日常使う魚のほとんどが「トゥナ(まぐろ、カツオ)」である彼らは、「トゥナじゃなければマスリハとは呼ばない」と言います。その証拠に白身魚を使う汁カレーは別名称で呼ばれていました(≫
こちら)
ファロマスリハ ...モルディブ
モルディブで魚といえば圧倒的にマグロかカツオなので、普通に「マスリハ(魚カレー)」というとマグロかカツオのカレーを指します。だから、そうじゃない魚を使ったカレーを呼ぶときにはもう少し長い名前をつけることになります。白身魚を使った(写真はムツのような魚)汁カレーは、ファロマスリハと呼ばれています。
マス=魚、ロシ=薄パン(≫
こちら)。魚フレークや玉ねぎみじん切りなどを芯に小麦粉皮で団子を作ってから薄く(厚さ1cm以下)延ばして焼いたものです。中にはヒキマス(鰹節、≫
こちら)が使われていたりして、本当香ばしい、美味しい。
マス=魚、フニは削ったココナッツ(製菓材料コーナーで売っているココナッツのようなもの)。それに玉ねぎみじん切りやミルス(唐辛子)、カレーリーフ(カレーの香りがする柔らかい葉)を混ぜて炒めたものは朝食の定番です。モルディブの唐辛子(ちびっこくて太っちょタイプ)はシネンセ種、香りが極めてフルーティーで素晴らしく、それがマスフニの決定的な旨さの素になっています。
チリーフィッシュまたはスリーフィッシュ ...モルディブ
「チリーフィッシュ」はチリ(唐辛子粉)を主体に味つけした魚料理。中にはチリ、玉ねぎ、トマトソースの3つを使って味付けした魚という意味で「スリーフィッシュ」と呼ぶ人もいます(名前似てますね)。激辛ではないので気軽に食べられます。
マス=魚、バイ=ごはん。マスバイは魚フレークをまぶした混ぜごはんです。よく似た料理にフライドライス(モルディブ人もこう呼びます)がありますが、フライドライスは注文を受けてから作る「魚チャーハン」で、マスバイはたっぷり作って作り置き。
ヒキマスまたはモルディブフィッシュ ...モルディブ
日本以外で鰹節を作る国に初めて出会った! ディベヒ語でヒキマス(ヒキ=乾燥、マス=魚)、通称モルディブフィッシュ。日本の鰹節と違いカビつけはせず、ゆでて煙で燻して乾燥させたものです。チップスでおやつに、料理の味付けに、マスロシ(≫
こちら)の具に、輸出(スリランカ等)に。その他加工魚には、ファロマス(主に白身のソフトな干魚)やロノマス(塩漬けの干魚)もあります。
丸い魚ボールをグラと言います。中には魚フレーク玉ねぎみじん切り削ったココナッツ、外は小麦粉の皮。これを小さなボール状に作って揚げてできあがり。商店のレジ脇にも置いてあって、本当に皆が気軽につまんでいる代表的な軽食です。
ハワドゥリビス ...モルディブ
ハワドゥ=ミックススパイスまたはカレーパウダー、ビス=卵。モルディブ定番のおかずです。これの面白いところは「卵を使わず卵に見せかけている」点ですね。中身は魚フレーク、外身は小麦粉の皮です。その卵もどき団子をトマトチリペッパー油等の入った鍋で煮絡めています。
ロシ、ボーロティまたはディスク ...モルディブ
インドその他のチャパティ(≫
こちら)と同じもの、全粒粉を練って延ばして焼いた薄パンです。ディスクは名の通り円形でなければならないのでよれよれにならないように少し厚めに作られるみたい。一方ロシは薄く薄く作って折りたたんでお皿に乗って出てくることもあります。
今や物が溢れるくらいに流入しているモルディブにも、昔は「食べるものはとにかく魚と、少々の果物・野菜だけ」ともいう時代がありました。冷蔵庫などないその時代から、ココナッツの実の内壁(白い部分)を削って砂糖と混ぜたものは、保存のきく食糧でした。
ヘディカまたはショートイーツ ...モルディブ
軽食全般をヘディカまたはショートイーツと言います。モルディブの庶民食です。いろーんな種類があるのですが、写真は上から右にマスロシ(魚フレーク入り薄パン、≫
こちら)、バジヤ(サモサ≫
こちら、と同じ)、ビスキーミア(卵と野菜が入ったミニ春巻き風ロール)、キーミア(魚と野菜が入ったミニ春巻き風ロール)、フォニボキーバ(甘いベイクドケーキ)。
インターナショナル料理 ...モルディブ
モルディブに来る観光客はほとんどリゾート島に行きますが、リゾート島には民家などありませんから、リゾートホテルでインターナショナル料理(他国料理または多国籍料理)を食べることになります。イタリア人経営者のホテルならイタリアン、フランス人ならフレンチ、その他スリランカ料理、インド料理という具合に、そのホテルや調理人の特性を打ち出すところが多いようです。
ナッツまたはフォー ...モルディブ
食事の場でナッツ(写真左)とは食後の友のこと。パプアニューギニアでブアイ(≫
こちら)、ブータンでドマetc、麻薬様成分を含む嗜好品。ビレイ(葉っぱ)でヘラパンナ(シナモンミントその他ブレンドシュガーパウダー)、ムニ(水酸化カルシウム粉末)、ガランプー(クローブ)等をくるんで噛み続けると気分が良くなります。なお「フォー」はナッツとその他のセット名です。
モルディブは元来、魚と、少しの果物・野菜しか食べるものがなかった。「トゥナ」はまぐろ及びかつおのこと。モルディブ人は生魚を食べないので、魚市場では彼らが身を買った後に残る捌きたて超新鮮な中骨を無料でもらえます。これは「トロ」に分類される部位!! ネギトロを毎日豪快お腹いっぱいに食べられるだなんて日本じゃ予算的に一生不可能です!絶対お勧め♪
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