Ayam(アヤンまたはアヤム)、テンペ、ダウンウビ ...東チモール
東チモールは天候不安定ゆえ作物の収穫も不安定、特に11~2月は「餓えの時期」だそうで、安定した食料供給として家禽類が重要。という訳で写真はAyam goreng(アヤンゴレン、フライドチキン)です。今回付け合わせはテンペ(カビつけ大豆)のケチャップマニス(砂糖醤油風調味料)炒め、ダウンウビ(ゆでたキャッサバ芋の葉)と、ポピュラーな東チモール料理でした。
Nasi(ナシ)、Ikan(イカン)、Mie(ミー) ...東チモール
東チモールでは魚を干す光景をよく見かけます。写真の、ナシ(ごはん)の手前にあるものがイカン(魚)で、戻した乾燥の魚を揚げたものです。付け合わせはテンペとインゲンにんじんの炒め物(右手前)、そしてミー(右奥の焼きそば)です。白いごはんは、ナシだけでも通じますが、正確にはNasi Putih(ナシプティ)です。英語のplain riceと同様に。
Rendang Sapi(ルンダンサピ)、Nasi(ナシ)、Mie(ミー) ...東チモール
チモール島の東は乾燥地帯で特に冬は天候不安定より「餓えの時期」となるため、食材はよく乾燥保存されます。写真のナシ(ごはん)の右手前はルンダンサピ、水牛の肉を塩こしょうして乾燥させた物を戻してピーナッツ粉やカレー粉で煮込んだものです。インドネシアと同じ食材も東チモールだとスパイシーになる傾向を感じます。ミー(左奥の焼きそば)も典型的な付け合わせ。
東チモールはインドネシアと料理の共通点が多いことは承知ですが、敢えて違いを挙げると東チモールの方が同じ料理でもスパイシーだと思いました。かつてポルトガルが香辛料交易の拠点としてここ東チモールを港に使っていた歴史の名残かな。写真は牛肉の骨まわりの肉の煮込みで、カレー粉は見た目ほど多くないけれど黒コショウがたくさん! ナンコツが美味しい~!
Bakso(バクソまたはバッソ)、Tahu(タフ) ...東チモール
これは完全にインドネシア料理との共通項。牛肉ブリブリ団子(狭義のバクソ)が乗ったスープ麺です(広義のバクソはその団子が乗ったスープ麺全体を指す)。この肉団子は牛肉にデンプンを多量に加えてすりみにしているので食感がブリブリしていて美味です。また写真左上の具はタフ。タフは豆腐のことで、油揚げまたは厚揚げのようにして日常的に食べられています。
インドネシアのジャワ人が持ち込み中国人がタイなどから輸入する米。今では米食に慣れてしまった東チモール人ですが、本来東チモール人はメラネシアンなので、こういうイモ類こそ主食なのです。タラスは日本語ではタロイモと言う、サトイモに似たおイモです。その他キャッサバ芋なども食べられています。
東チモール人は、国境線のむこう(チモール島のインドネシア部分)と同じ民族で、なるほど、皆さんテンペ大好きな様子がよく伝わりました。大豆をクモノスカビの作用で白いチーズのように発酵させたもので、写真のように拍子木切りにして、炒めたり揚げたりして調理されます。納豆のような臭みはなく、カマンベールチーズの表面(白い部分)にそっくりな味わいが私は好きです。
インドネシアと東チモールは料理が似ている。独立前は同じ国で今も国境線に拘わらず同じ民族がいるのだから当然です。では両者の違いは? 国連の介入(外国人の駐在)による多国籍性もありますが、お金をばら撒く彼ら相手の商売目的で中国人が定住したこと、つまり中華料理の普及度もあると思う。使用食材や味付けが限りなくインドネシアな中華料理だったなぁ。
グリーンココナッツはカラパムダと呼ばれます。中にはポカリスエット味の透明なジュースがたっぷり入っていて、先端を落としてストローを刺していただきます。飲み終わったらナタで2つ割りにしてもらいましょう。内壁には美味しいココナッツゼリーが張り付いているので、それを掻きとっていただきます。
東チモールは独立前までインドネシアでした。今もそこに住む人々は、国境線の向こうのインドネシア人と、チモール島の民として同一民族です。つまり、同じものを食べて同じもので育っているのです。その代表選手の1つがこのサンバル。東チモールやインドネシアの料理には欠かせない唐辛子ペーストです。
別途紹介する「ソピまたはトゥア(≫
こちら)」はサトウヤシの樹液の発酵酒ですが、こちらはその蒸留酒バージョンです。ソピと呼ぶことは確認しましたが、これをトゥアとも呼ぶのかな?呼ばないのかな? その点は確認取れず。ウォッカのような、ホワイトラムのような上品な仕上がりは是非ロックで味わいたい一品です。
ソピまたはトゥア ...東チモール
サトウヤシの樹液を集めて作った、ローカル酒です。写真のように白濁(時に黄白濁)したものは糖分が発酵に使われており、炭酸とアルコールを含んでいます。シャンパンのようで飲みごこちが爽やかです。でも次の日に残るので、移動前日には飲まないほうが良いと思われます。
Kopi Timor(コピティモール) ...東チモール
コピはテトゥン語(公用語)およびインドネシア語(独立前の公用語)でコーヒーのこと。東チモールはコーヒーの産地で、今がまだ天然ガス産出の準備期間であることもあり、現時点ではコーヒー(と各国援助金)が貴重な外貨収入源、実に重要作物なのですよ。コクがあり酸味が少なく好みの味! 私たちが泊まった宿(≫
こちら)では美味しい「ひがチモコーヒー」が飲み放題だった♪
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