Umu(ウム) ...トンガ
ウムは地中料理とも訳されるトンガ古来の調理法です。写真では石や鉄廃材の上で焚き火をしてそれらを高温に強熱し、火を消したあと下段にイモ類、上段にアルミホイルでくるんだルー(≫
こちら)を置いています。フタをして毛布類を何重にもかぶせて保温調理します。日曜は朝ウムを仕込み、教会に参列し、昼にウム料理を食べ、午後は昼寝をするのがトンガ人の決まりです。
Kava(カバ) ...トンガ
トンガでカバを語らない訳にはいきませんね。コショウ科の木の根を乾燥してパウダー状に粉砕したものを水中で絞って催眠鎮静成分を抽出した飲料です。飲むと口の奥がしびれ、そのうち脳がしびれるように思考がダウンしてきます。成人男性は本当に頻繁に夜に集ってカバを飲むのです。実はこれは私たちにも大好物で、「ヘニ」(カバ集会所)でたっぷりといただいてきました!
lu(ルー) ...トンガ
これぞトンガ人の大事な日々のおかず。ルーとはタロイモの葉の意味ですが、タロイモの葉で「何かの具」とココナッツミルクを包んで蒸し焼きにしたものや(写真)、最近では鍋で炒め煮のようにそれらを調理したものも指します。「何かの具」が羊、豚、牛、魚、鶏、タコの順に、それぞれルーシピ、ループアカ、ループル、ルーイカ、ルーモア、ルーフェケ(写真)と呼ばれます。
Talo(タロ) ...トンガ
トンガ語でTalo、英語でTaro、日本語でタロイモ。里芋のような食感をもつ、日本のリンゴよりも大きなイモです。トンガを旅して実にタロは偉大だと痛感したのは、トンガ人はタロのイモを食べタロの葉を食べるから。トンガの食はかなりタロに依存しているのです。掲載は割愛しますが、クマラ(スウィートポテト)やイェムまたはヤム(ヤムイモ)も重要な炭水化物源となるイモ類です。
Puaka(プアカ) ...トンガ
トンガ人にとって極めて大事な食材が豚です。庭も車道も国中いたるところが豚だらけで、冠婚葬祭や祭事には必ずといっていいほど豚が丸ごと料理されます(それゆえスーパーにはあまり豚肉は置いてありません)。写真は行事で肉を食べたあとに残った頭部を素揚げしているところをトンガの民家の台所で撮影したものです(そしておすそ分けをもらって食べた、ウマイぞー!)。
Mei(メイ) ...トンガ
日本語でパンの実、英語でbreadfruit(ブレッドフルートゥ)。焚き火の中で焼いたり皮をむいてゆでたりします。各国パンの実比較も是非ご覧下さい(≫
こちら)。メイはイモ類(マニオケ、タロ等)より傷みやすく、イモ類が通年採取されるのに対しメイは年に3回しか実をつけないので、メインの主食の座はイモ類の勝ち。メイをスライスして揚げた「メイチップス」は人気の一品です。
Kentucky(ケンタッキー)又はKenitaki(ケニタキ) ...トンガ
最初に言っておきますが、2010年現在トンガにはマクドナルドもケンタッキーもありません。なのに「ケンタッキー」は代表的国民食である「フライドチキン」のこと。テイクアウェイや食堂メニューの定番の1つです。いつ誰がその名前をトンガに持ち込んだのかが興味あります。ケニタキはケンタッキーをトンガ語に置き換えた用語です。
Kapa Pulu(カパプル) ...トンガ
カパは缶、プルは牛肉。カパプルといえばトンガでは「コンビーフの缶詰」を指し、これが実に国民的食材なのです。別途紹介するルー(≫
こちら)にも使いますし、冷えて脂が固まったものでも指でつまんで「あーん」と喜んで食べるのです。コーン(塩漬け)された牛肉は旨みがアップしていて美味しいですね。
Ika(イカ)、Manioke(マニオケ) ...トンガ
イカはトンガ語で魚という意味。南洋の島国ですからもちろん魚はメインフードの1つです。写真はイカケレビ(Ika Kelevi)。ケレビは辞書によるとソース、地元民によると小麦粉という意味で、注文したら魚のから揚げのホワイトソースがけが出てきました。またイモ類の中では最も安いマニオケ(キャッサバ)が、庶民の食堂の定番の主食です。
Kale(カレ) ...トンガ
英語でカレー、トンガ語でカレ。肉と野菜をカレー粉で炒めたものです。写真はプル(牛肉)を使った「カレプル」(外国人である私たちにはカレビーフとも言ってくれました)で、きゅうり玉ねぎと角切り牛肉を使ったカレです。またシピ(羊肉)を使った「カレシピ」も人気メニューのようです。ごはんではなくイモ類(写真はマニオケ)を添える点にトンガの庶民の食堂らしさが溢れます。
BBQ(バーベキュー) ...トンガ
トンガのテイクアウェイ(お持ち帰り料理)の代表選手が「バーベキュー」。たいていは、ゆでたイモ類(マニオケなど)の上に、グリルした鶏肉やソーセージが乗っています。
ペレ、と一言で言っても実際は更にそこに何種類かの野菜が含まれるようなのですが、とりあえずはモロヘイヤを想像してもらうと良いかと思います。煮るとオクラのようなねばねばさが出てくる野菜です。肉類と一緒に煮てココナッツミルクで味をつけるのが一般的な調理法のようです。生野菜をなかなか食べないトンガですが、これは加熱しても栄養がいっぱいありそうですね。
keke(ケケ) ...トンガ
英語でケーキ、トンガ語でケケ。小麦粉とベーキングパウダーと砂糖と水を練ったもので作る、素朴な味の丸い揚げパンです。子供の代表的なおやつの1つで、トンガ人はコーヒー牛乳を作ってこのケケをどぼんと浸して食べるのが大好きなのだそうです。イタリアのビスコッティと同じ食べ方なんですねー(≫
こちら)。
Otai(オタイ) ...トンガ
オタイ(オにアクセントを置く)はローカルなドリンクを指す言葉で、多くはニウ(ココナッツミルク、≫
こちら)とフレッシュな果物をミックスして作るものを指します。写真はスイカとパイナップルとココナッツミルクで作った絶品オタイ! トンガでは野菜を生で食べないので、こういう生のフルーツをふんだんに使ったものが至極美味しいのです。ビタミン満点ですよね。
Niu(ニウ) ...トンガ
ニウとはココナッツ(ココヤシ)やココナッツミルクを指すトンガ語です。写真はココナッツの実の内壁に増殖する白い組織(コプラ)を破砕したものを布でくるんで絞り、フレッシュなココナッツミルクを得る工程です。煮物の調味料も炒める調味料もソースのようにかける調味料もつけダレのように使う調味料も、トンガでは皆このココナッツミルク。フレッシュは我を忘れる程美味しいです。
トンガは多雨の国で、各家庭やホテルに大きな雨水タンクが設置され、雨どいから貯水しています。地下が珊瑚で石灰質大地のトンガは水道水が美味しくなく(かなり不快な味がついている)、一方で雨水はピュアな味がします。写真は貯水タンクから直接お水を飲むトンガン少女、ありふれた光景の1つです。なお水はトンガ語でバイと言います。
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