アンマカ(アザラシの脂・固形) ...グリーンランド
これがなかったら、極北イヌイットは存在していない。人々の重要なカロリー源です。固体の脂身はナイフで少しずつ切って、干した魚と一緒に食べていました。古代イヌイットより伝わる暮らしがそのまま受け継がれている最たる例だと思いました。
インニャク(アザラシの脂・液体) ...グリーンランド
これがなかったら、極北イヌイットは存在していない。人々の重要なカロリー源です(かつ燃料にもなる)。キッチンにサラダ油を持っていても、イヌイットの人々は魚や植物をアザラシオイルに浸して、たっぷりのオイルと共にいただきます。味にはくせはありません。不飽和度が高い(炭素数に対して水素数が少ない)脂肪酸なので、液体です。
プイダニャカ(アザラシの肉)、 ...グリーンランド
この出会いは偉大でした。アザラシこそ、イヌイットの繁栄を守ってきた、彼らの暮らしに欠かせない生き物(食べ物)であり、それをただゆでただけの肉は、鮭ともマグロとも牛肉とも似ているような風味があります。めちゃくちゃ美味しいです。お腹いっぱいになるまで飽きずに食べ続けられますよ。
プイダスワシャ(アザラシの煮汁) ...グリーンランド
美味しくて力強くて何杯でもおかわりしたくなる(実際いっぱいおかわりしてしまった)、アザラシのゆで汁です。玉ねぎ、米と一緒にゆでていて、それらが良い具になっています。味付けは塩こしょうだけ。こーんなに茶色いのは、肉(赤身)のタンパク質がいっぱい凝集しているからだと思います。いわゆるアクなんですけど、アクを取ったりしたら美味しくない。
アディシャハ(干ダラのようなもの) ...グリーンランド
タラのような魚を開いてを干したもの。日本の干ダラと似ていますが、塩分はありません。イヌイット村ではこういう魚が屋外によく干されていますが、商店では売っていないので、本当、食べさせてくれる家庭とめぐりあえて良かったです。好みで塩をかけ、何より別途紹介するアザラシオイル(≫
こちら)に浸すか、アザラシの脂身の切り身(写真左)一緒に食べるなどします。
ししゃもです。ししゃもをカリカリに干したものです。アディシャハ(≫
こちら)同様、別途紹介するアザラシオイル「インニャク」(≫
こちら)にどっちゃり浸すか、アザラシの脂身の切り身(≫
こちら)一緒に食べるなどします。
新鮮なアマチャ(ししゃも)は塩で煮ても食べられています。結構煮汁はしょっぱいのですが魚の美味しさももんのすごく含まれていて、本当に美味しいの。身がふっくらしていて、つるつるぺろりと、大量の魚もあっという間に食べ終えてしまいます。
クルスク村のある島には生えていない植物だから、男たちは、アザラシ漁に出るとき、本土の山の中でこれを摘んで、アザラシオイルに浸して持って帰ってきます。ほろ苦い花の芽は、日本で言えば蕗の薹を食べるような味わいがあり、しかもオイル漬けになっているので保存できるようになっています。
採れ立てのムール貝は、氷が付着しています。だから食べるとシャリシャリと半凍結の歯ごたえがあります。北海道の郷土料理のルイベのよう。凍りつく岩からはがす貝なら寄生虫の害がなく安全に食べられることを、イヌイット達は知っているのでしょう。
野菜と肉が入ったホワイトシチューです。イヌイット達は「ダニッシュ」(デンマーク料理だ)と言ってこれを出してくれました。彼らにとって近代的な料理はデンマーク料理という意識があるのかもしれません。グリーンランドらしいのは、輸入の冷凍野菜を使っている点にあると思います。
マッシュポテトです。イヌイット達は「ダニッシュ」(デンマーク料理だ)と言ってこれを出してくれました。彼らにとって近代的な料理はデンマーク料理という意識があるのかもしれません。グリーンランドらしいのは、長期保存できるマッシュポテト用粉末じゃがいもを使っている点にあると思います。
Danish(デニッシュ) ...グリーンランド
渦を巻いたような形が特徴の菓子パンです。「Danish」の名前はずばり「デンマークの」という意味です。デンマークはグリーンランドのホスト国であり、物資の少ないグリーンランドのスーパーにもデニッシュが売られているのが印象的でした。
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